【うつ病】
うつ病も、ストレスが重大な引き金となって発生する心の病の代表です。
うつ病の患者さんの血液中には、ストレス対抗ホルモンの1つである副腎皮質由来のグルココルチコイドが増えていることが知られています。
バコパがこのグルココルチコイドの分泌抑制に役立つことは、35頁で述べました。また、18頁で紹介したアンケート調査では、バコパを一ヶ月間摂取した人たちから「何をしても楽しくない」「やる気が起きない」などの症状が改善されたという声が聞かれています。これらの症状は、うつ病や、その前段階(軽うつ)に現われやすいことから、うつに対する効果を裏づける結果ともとれます。

【キレやすい】
一方、ストレスなどがきっかけで、ノルアドレナリンの分泌が過剰になると、冷静な判断力が失われて、発作的な衝動を抑えられなくなります。俗にいう「キレる」状態です。
ノルアドレナリンの分泌を抑える方向に働くバコパは、この予防にも役立つと考えられます。
実際に、クロニジンやアンフェタミンといった物質によって誘発される凶暴性・興奮が、バコパの投与で抑えられることが報告されています。

【ADHD】
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、「注意力の欠如」「落ち着きの無さ」「衝動的」という3つの症状が、年令にふさわしくないレベルで長期にわたり組み合わさってみられる精神神経症候群の1つです。
子どもでは、学校の授業中に教室のなかを勝手に歩き回ったり、意味もなく大声で叫んだり、忘れ物が多いといった特徴がみられます。
また、大人になってもADHDを持ち越すケースが結構あって、そういう人は気分にムラがあり、不注意な言動が多いことから、社会生活にうまくなじめずに、うつや不安障害などを招いたり、衝動的に反社会的な行動を起こしてしまう例も見られます。
じつはADHDの人も、ノルアドレナリン系の機能不全がみられることが報告されています。ノルアドレナリンの分泌の調節に役立つバコパを、試してみる価値は大いにあるでしょう。



アーユルヴェーダの伝統薬草バコパで心の病に克つ
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