いぼ痔で悩むこと35年近く。本気で肛門に取り組んだのは今回が初めてでした。 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんアンケートも2024年分に突入しています。

 

アンケート記事は患者さんたちがとても楽しみにされていて、不安な時に読み返していることも多いので頑張って週に1記事は更新していきますね筋肉

 

今日ご紹介する患者さんは50代女性。

 

35年近くいぼ痔(痔核・脱肛)で悩み東北地方から受診されました。

 

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この患者さんは排便恐怖症でした。

 

幼児の時に汲み取り式トイレで下痢をした時から排便が怖くなったそうです。

 

早くトイレをすますために息むクセがついたと。

 

いぼ痔(痔核・脱肛)に気付いたのは19歳の時。

 

妊娠をきっかけにイボ痔が戻らなくなり手術をされました。

 

ところがまたいぼ痔(痔核・脱肛)が再発。

 

その時は手術ではなくジオン注射(ALTA療法)を受けられています。

 

出血は止まったけれどジオン注射をしてから肛門の感覚が変わり、排便がしづらくなりました。

 

肛門が硬くなって便が出しにくくなり、さらに強く息むようになったそうです。

 

肛門が拡がっている感覚が分からないと。

 

いきんでも出ない。

 

だから力を抜いて待っていたら便意を少し感じるので、そこで少し息むと出る。

 

でもちょっとしか出ない。

 

残便感があるけど出ない。

 

そんな排便で苦しんでおられました。

 

 

いきみ排便はいぼ痔(痔核・脱肛)を作ります。

 

だからどんな風に便を出すのかということもすごく大事。

 

 

そしてこの患者さんは2年前にトイレで排便中にくも膜下出血になってしまい入院、それからさらに息むことが怖くなりました。

 

退院後、肛門科を何軒か受診するも症状改善せず。

 

最後に行った専門の肛門科で「便秘薬を一生飲まないといけない、いきむとまたくも膜下出血を起こす」と医師に言われ困り果てて私の外来に来られたのでした。

 

診察すると便があります。

 

酸化マグネシウムが効いた軟便です。

 

今日は既に排便があったので出残り便ですね。

 

坐剤を入れて出して来てもらいました。

 

おしりが軽くなったと。

 

ジオン注射のあとから便が出しにくい、肛門が開きにくい感じがする、硬い感触がある、便がよく分からない、注射をしたところが痛い・・・というのはよくあることです。

 

でも、この患者さんの肛門はジオン注射の硬結もなく狭くもありませんでした。

 

ジオン注射のあとの肛門の感覚異常は多いですね汗

 

時間が解決してくれるケースもありますが、何年経っても治らない患者さんもおられます汗

 

この注射、そもそもアルミニウムが入っているので私は最初から大反対でして、全くやっておりません。

 

アルミニウムは有害金属ですから・・・。

 

そんなもの、体にぶち込んで大丈夫なのか?と医師も患者さんも不安にならないのが不思議です。

 

 

いきみ排便をしているから術後皮垂と外痔核がありましたが無症状なので手術は不要です。

 

まずは坐剤を使って便を出し切ってもらうことにしました。

 

 

そして2週間後・・・

 

カンペキに坐剤を使えていました。

 

肛門が軽くなったと喜んでおられたのですが、勢いよく出ると心拍数と血圧が上がってしまうと困っておられました汗

 

坐薬を何度も入れると疲れてグッタリして休まないと便が出ないとニヤニヤ

 

小さい頃から排便恐怖症があるのか、排便自体が怖い、体から便が出るのが怖いと話されていました。

 

精神的なものもあるのでしょうか。

 

排便直後もドキドキして鳥肌が立つと・・・。

 

 

坐剤を立て続けに何度も入れないこと

 

坐剤を半分にしたり、4分の1にしたりして、小さくして使ってみるようアドバイスしました。

 

 

それでも血圧が上がって危険な状態になるのであれば坐剤の使用は中止です。

 

命の危険を冒してまで排便に命をかけるのは本末転倒ですからニヤニヤ

 

 

でもね・・・

 

自力で頑張って出そうとするよりも、坐剤の力を借りて出す方がいきみは少なくなります。

 

楽に出すために坐剤を使うので。

 

今までの排便のやり方と排便に対する恐怖心で血圧や心拍数が上がっている可能性もあるので、ここは治療が難しいところ。

 

 

幸い、痔は悪化していないので、負担にならないよう、自分のペースで使ってもらってOKOK

 

毎日じゃなくてもいいですOK

 

肛門が重い感じがしてきたら使って残便を出すという対処でもいいでしょう。

 

 

とにかく、おしりと患者さん自身が快適に生活できるようになることがゴールなので、坐剤を使うことによってかえってしんどいのであれば休み休み使って下さいニコニコ

 

 

「おしりの軽さ」が「心の軽さ」に繋がるといいですね。

 

 

酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る薬」です。

 

決して「便を出す薬」ではありません。

 

だから軟便になったら減らす、硬い便になったら増やすという風に日々、便を見て調節しましょう。

 

酸化マグネシウムは酸化したマグネシウム。

 

「薬」というより「サプリ」のようなもの。

 

必要なら罪悪感なく服用して下さい。

 

クセになったり効かなくなったりしませんのでウインク

 

 

そして排便は生きていく上でとても大切な排泄行為。

 

便を出すことは「気持ちいい」

 

そんな風に感じられるようになればいいですね。

 

おしりのスッキリは心のスッキリにも繋がりますからウインク

 

 

日々の排便を通して、いつかそう思える日が来ることを願っています。

 

 

遠方ですが困ったら相談して下さいね。

 

 

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