カナダ在住者が遭遇した出来事や文化の違いを綴っています。
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4月末にTCAF(トロント・コミック・アート・ フェスティバルに行ってきました。
ちなみにTCAFの発音はティーキャフ。
眉月じゅんさんのサイン会に並んでいたら、係りの人が「サイン会に並ぶ人はマスクをしてください!」と。
自分は今でもマスクを着用しているタイプなのですが、トロントは既に去年の6月にコロナ規制が全て解除されているので、「ほええええ?!今さら?」という感じ。
TCAFの会場自体はマスクを着用はしなくていいので、サイン会の場所だけという局地的マスク着用ルール!
吹き抜けだし、サイン会に並んでいない人はマスク未着用だし、「それって意味あるの?」的な。
日本のやり方を強行しているともとれるマスクの局地的着用について、どう思うか、サイン会に並んでいたカナダ人に訊いてみたら…
「日本からカナダに来たなら、感染を不安に思う気持ちは強いだろうし、日本からせっかくきてもらっているのだから、敬意を表したい!だから、このマスク着用は参加者にとってもいいことだと思うんだ!」
とむちゃくちゃポジティブな返答がきました。
『感染対策効果は微妙』とかそういうことではなくて、『日本からやって来てくれた漫画家の方に敬意を見せるためのマスク』って位置付けて、全肯定でした。
ちなみに、この人は、前日のイベントでもマスク着用が促されていたため(こっちは会場となった部屋自体がマスク着用なので理にはかなっている)、自前のマスクを用意していました。
ほううううう、そういう考え方もあるのかあ、と。
個人的にはこの局地的マスク着用ルールにめちゃくちゃ違和感をおぼえたのですが、サイン会に並んでいた人は、マスク着用とかは全く気にしていなくて、それよりもなによりも、『漫画家の方に会える!』っていう喜びで満ち満ちでした。
何だか、『マスク着用効果は、ないんじゃなかろうか?』とか思った自分がとてもみみっちく思えました。ショボーン。
ちなみに眉月じゅんさんの作品『恋は雨上がりのように』の英訳は『After the Rain』
『Love is like the after rain』なんて訳にはなっていないのです。
『ふええええ、いい訳だなあ』と思ったら、翻訳者はJocelyne Allenさんでした。
この方の漫画の翻訳が一番好きかも。
日本の漫画の数多くの英訳をされているのですが、日本語の感覚と英語の感覚がシームレスな訳し方をされる気がします。
眉月じゅんさんは、とても、たおやかな方でした。
『こんな人が、あんなエロっぽいシーンも書くんだ!』って萌え萌え。
TCAFのあった週末は、天気は悪いは、寒いはで、観光に向いていない日々だったのですが。
トロントで楽しい時間を過ごされたことを祈るばかりです。
異国の地で日本の漫画家さんにサインもらえる機会があるって、とてもラッキー!
自分は時々、グラフィックノベルの読書クラブ(コミック、グラフィックノベル、漫画を読んでディスカッションします)にも参加しているのですが、インド人の20代女性が『九龍ジェネリックロマンス』の1巻(英語版)を読んで、「あれって既刊8巻なのね!知らなかった」とか、めちゃくちゃ照れながら「可愛い絵なのに、なんだかエロ描写が多かった!」と言っていて、面白いなあ、と。
日本人だと割と漫画のエロ描写に耐性がありませんか?←え?ない?
まさかインド人女性と『九龍ジェネリックロマンス』について、語り合う日が来るとは!
異なる文化圏に育った人達と日本の漫画を語るって面白いです。
捉え方が異なっていて面白いです。あと、何だか読み方がピュアなんです。
自分のように「これはこういう伏線なんじゃ?」とか「このくだりはこれでも出て来たなあ?」とか、邪推がありません。
まっすぐに読む。眩しいッ!
英語でも日本語でも漫画が読める環境があるというのは、ありがたいなあ、と。
トロントの公共図書館の日本の漫画の揃え方は狂気が入っていて、漫画好きと思っている私でさえ「ふええええッ!?」と思う漫画が置いてあったりします。「この漫画、英訳されてるんだッ!?」的な。
グラフィックノベルの種類も豊富です。
税金を払っている意味を感じます。w
左がサイン会でもらったポスター。右が恋は雨上がりのようにの英語版1巻。
米ドルで17.95ドル(約2420円)、カナダドルで23.95ドル(約2395円)。
円安、こっわッ!
これって若年層がポコポコ買うにはちょっと厳しい値段ですよね。
ちなみに日本語版は1冊607円!英語版は日本語版の単行本2冊分なので、1214円として、英語版は日本語版の約2倍!
漫画ってカナダのように移民が多い国だと、ティーンの英語習得ツールとして、めちゃくちゃ役立ってるそうです。
図書館で日本の漫画(英訳版)を導入してから、ティーンの図書館利用率がめちゃくちゃ上がったそうで。
トロントの公共図書館は北米で最も高いサーキュレーション率を誇る図書館なのだそうです。
私も借りまくってます。最近はeBookでも借りれます。
まさか海外にいて、こんなに漫画に入りびたれる環境が整うとは思っていませんでした。プ。
さらに50冊まで借りれるのです。最寄り図書館に取り寄せもできて、返却はどの図書館でもオッケー!(市内に100館あります)
ちょっと続きます。→ その場にいるだけで仲間だと見做す件。
↓2022年のTCAF
↓2019年のTCAF(2020、2021年はコロナで開催されず)
↓2018年のTCAF
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