直接事件とは関係無い5万円の話とか、書いた方が良いのか、省略した方が良いのか、迷っているdreamtaleです。
どうも。

ってことで、取りあえず今日も事件とは直接関係ない、スチーブンスの追悼式の話から。
1908年(明治41年)4月9日付『往電』より。

当地プレスビテリアン教会イングリシ・チヤーチに於て、故スチーブンス氏の追悼会挙行。
曾禰副統監主唱者となり、ビショップ・ターナー式を司り、本府文武職員、韓国各大臣、各国領事団、其他来会者凡そ4、500名、何れも静粛に哀悼の意を表し、霊前に花輪を供ずるもの多く、殊に韓国皇帝陛下は勅使を派し、弔辞と花輪とを贈られたり。
曾禰が主唱者となり、ビショップ・ターナーが式を執り行ったスチーブンスの追悼式には、4~500名が参列し、哀悼の意を表し、純宗も勅使を派遣して弔辞と花輪を贈った、と。

この辺は淡々と進めていきます。
次はスチーブンスの遺産の話。
珍田外務次官から鶴原総務長官宛ての、付日等不明の『発第42号』から。

「スチーブンス」氏は、臨終の際在桑港総領事に、氏が京城第一銀行に日本公債8,400円及び定期預金14,000円を預け居れる旨を語り、尚該公債及預金を在京城合衆国領事に引渡す様取計方を依頼したり。
尚同氏令妹等は、該公債及預金の果して同氏の財産に属するものなるや否やを確知したき旨希望し居るに付、右御調査の上御返電を乞ふ。
死の間際、スチーブンスは8,400円分の日本公債と14,000円分の定期預金がある旨を語り、それを在京城アメリカ領事に渡してくれ、と。
で、遺族はそれがスチーブンスの財産なのかどうか知りたい、と。
貯蓄として多いんでしょうか、少ないんでしょうか・・・。

これに対する返電が、1908年(明治41年)4月13日付『往電第197号』になります。

第27号
貴電第42及43号、「スチーヴンス」氏遺留財産に関し取調べたるに、当地第一銀行には定期預金14,000円、当座預金3,858円53銭、并に保護預の特別5分利公債額面8,400円あり。
孰れも「スチーヴンス」の名義となり居れば、同氏の財産と認む。
右は、米国総領事の保管に係る遺言状に従ひ、同氏の家財と共に不日同総領事に引渡す筈なり。


別紙 スチーブンス名義遺留財産内訳
拝啓
御問合ひ相成候故「スチーヴンス」氏名義当地店に於ける預金及保護預け現在高、左の通りに御座候。

一.定期預金 14,000円也
一.当座預金 3,858円53銭也
一.保護預け特別5分利公債額面 8,400円也

右当用得貴意候也。
敬具
定期・当座・公債併せて26,258円53銭。
全部スチーブンス名義ですよ、と。

さて、次が今日最後の史料。
在サンフランシスコ総領事館の市川季作から国分象太郎への、1908年(明治41年)4月23日付の書翰より。

拝啓
愈御清祥御座遊され候段、奉賀上候。
陳者私儀「ス」氏暗殺事件に関し、急に当港に出張を命ぜられ目下滞在中にて、韓人の動静探聞及凶行者に対する裁判の監視等に従事致居候。
在米韓人等の排日の感情は甚だ盛大にして、布哇に合成協会、米本土に大同保国会、共立協会なるものを組織し、各週刊の諺文新聞を発刊し、盛んに排日思想を鼓吹致居候。
今回の凶行は、田明雲及張仁煥両名の義憤の発する処、会としては何等の関係なき由発表致居候共、現に凶行の前夜、両会員の共同会を韓人教会■開き委員を選び、「スチーヴンス」氏を其「ホテル」に訪ひ其言行を質問し、遂に多少の暴行を加ふるに到りたる事実と共に、張は大同保国会々員、田は共同協会々員なる等、其関係に疑なき能はず。
且つ彼等の裡面には、或る大勢力の潜み居るやの疑も有之。
現に両凶行者の裁判に対しても、有名の弁護士及専門の医師(彼等は政治狂として弁護せん為なる由)数名を傭用する等、多額の費用を要すべき行動は、彼等の独力としては不可能の義に有之。
此の辺、是非探聞を要する義と被存候。
尤も、当地在留韓人は殆んど其の一味徒党に有之候為、手掛りを得るの道無之、焦心致居候。
裁判は、張仁煥は警察裁判に於て予審の上、謀殺犯として上等裁判所に移す旨宣告有之候得共、其の裁判期は未定に有之。
田明雲は、負傷の為め入院致居候も、最早快癒。
不日裁判開廷の由に有之候。
何か当地方韓人に干連候義も有之候はば、時々御教示被成遣度願上候。
先者右御報旁御無沙汰之御詫申上候。
敬具

追て、当館に於ても韓国官報購読致居候。
付ては、恐入候へ共爾今一部宛当館宛発送相成候様御取計被成遣度、小池総領事の命に依り御依頼申上候。
当今総領事より可然御挨拶申上候様申付られ候。
市川は、スチーブンス暗殺事件に関してサンフランシスコに派遣され、韓国人の動静調査や裁判の監視を行っているんですね。
で、在米韓国人の反日感情は激しく、合成協会・大同保国会・共立協会を組織して週刊のハングル新聞で盛んに反日思想を鼓舞している、と。
今回の犯行についても、関係無い旨は発表しているものの、現に犯行前夜に共同会を開いて委員を選び、スチーブンスのもとを訪れ椅子で殴りかかっており、張仁煥は大同保国会の会員、田明雲は共同協会の会員であり、関係を疑わざるを得ない。
まぁ、状況証拠としては揃ってますな。

彼等の背後には、更に大組織が居る疑いもあり、現に張仁煥と田明雲の裁判についても有名な弁護士と専門の医師数名を傭うなど、多額の資金を必要とする事を彼等独力では無理だし。
この辺も調べなきゃ駄目だと思ってるけど、どっちにしろ此処の韓国人は殆ど一味だから、手がかりを得る道も無いので焦ってる、と。

裁判については、張仁煥の警察裁判で予審の上、謀殺犯として上等裁判所に移す宣告があったけど、その時期は未定。
田明雲は入院治療していたけど、それも治ったので遠からず裁判が始まるだろう、と。

ようやく裁判の話が出てきましたね。
ワクワク。(笑)


今日はこれまで。



スチーブンス暗殺事件(一)
スチーブンス暗殺事件(二)
スチーブンス暗殺事件(三)
スチーブンス暗殺事件(四)
スチーブンス暗殺事件(五)
スチーブンス暗殺事件(六)
スチーブンス暗殺事件(七)