2月21日の日経新聞の教育面におもしろい記事があった。イギリスの南東部にあるエクセター大学という私たちにはあまり耳慣れない大学がイギリス内の大学ランキングをわずか10年間で50位近くから7位に跳ね上げたというのである。イギリスといえば、私たちになじみがあるのはケンブリッジ大学や オックスフォード大学であるが、これはわが国に当てはめて考えると、ランキング50位の大学が10年間で慶応大学や早稲田大学と肩を並べるようになったことに匹敵するすごいことなのである。そこで興味を持ったわけだが、変革は2002年にスティーブ・スミスという新学長が就任した時から始まったという。


記事によると、スミス学長は次のような対策を採ったのだそうだ。


(1).強みを持つ分野への資源の集中が必要と訴え、各教員の研究の質を精査し、客観的な根拠を示して評価した結果、教員の7人に1人が大学を去って行った。


(2).学部の存廃を国際的な競争力があるかどうかという基準で整理し、化学や音楽などの分野を廃止して、学部数を37から31に減らした。その結果、存続した糖尿病研究や応用材料学、気象科学、英文学は国内トップ級に成長した。


(3).大学の人気が上昇し、学生数が50%増えたため、外部から優秀な教員を招き、教員数が約2倍になった。


そして、次のような効果が生まれたという。


(1).大学の収益が3倍以上に増え、ランキングが7位となった。


(2).競争力の向上と共に留学生が増加し、8倍となった。


(3).留学生の誘致で毎年3,280人の雇用を創出し、学生全体では1年で4億2千万ポンド(円換算で596億7千万円)の経済効果を地元にもたらしていると考えられている。


最後に私の所感を申し述べたい。


(1).わが国の大学は残念ながら世界基準で評価すると、例えば、イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education」が発表する最新の世界大学ランキングでは、最上位の東京大学ですら27位にとどまっている。因みに、1位はカリフォルニア工科大学、2位はオックスフォード大学とスタンフォード大学、4位はハーバード大学である。わが国の大学はまだまだ改善の余地は大きいと言わなければならないだろう。


(2).もし、わが国の大学をエクセター大学方式で改革したら、学生の質も教員の質も相当アップすることだろう。


(3).わが国の大学もイギリスに倣って、その経済効果を数値化したらおもしろいだろう。


(4).国家の盛衰は人材次第、教育次第という側面がある。教育の重要性はどれだけ強調しても強調し過ぎることはないと思う。