医者も選らばにゃ・・・ | セラピスト・ラプソディー♪ ~真の健康をめざして~

医者も選らばにゃ・・・

医者も選ばねばならない時代です・・・、いろんな意味でネ・・・。


「足が痛い!」と来院された初老のクライアントのお話です。

杖をついて前傾姿勢で足を引きずるようにして来院されました。


5ヶ月前に通勤(徒歩)途中に転んで”右足第1中足骨骨折(足の親指の根元にある骨です)”をして、骨密度もしっかりしているので固定していただけで骨自体は癒合(くっ付いてる)しているとの事ですが、リハビリに整形外科に通院しているが一向に良くならないばかりか、大腿部(太もも)、下腿部(ひざから下)、ひざ、腰の痛みが強くなり、肩もつらくなってきているとの事。

最近は前傾姿勢になり、身体が真っ直ぐ起き上がらなくなってしまってきているので、ご主人が心配して「病院じゃないところ?に行ってみろ」といわれて来たそうです。


身体の状態を確認してみると・・・

筋肉がどこも”カチコチ”です!。

不調が出ていて当たり前・・・、杖をついて歩くので腕や肩に負担がかかり、上半身の筋肉も硬くなってしまっています。


右足をみていくと・・・

足底・足背の筋肉群はほとんど「カチカチ!」の状態です。

拇指内転筋・拇指外転筋・短拇指屈筋、短拇指伸筋などや足底方形筋・虫様筋・骨間筋群などが硬く縮こまっています。

それにより、第1中足骨・第2中足骨間は全く可動性が無く、指節間関節の可動性が無く、ショパール関節(横足根関節)、リスフラン関節(足根中足関節)が硬くなり動かなくなっています。

足底のアーチも無くなり、かえって逆アーチになっています。


骨折箇所を固定し長らく足を使わなかったために筋肉・腱・靭帯が硬くなり、関節も動かなくなってしまっているようで体重がかかると痛みが出るのでつま先しかつけられなくなっている状態です。

杖をつかなければ歩けないので、肩や腕にも負担がかかり筋肉疲労による筋拘縮(筋肉が硬く縮こまったままの状態)になっています。

  下腿三頭筋(ふくらはぎ)の筋拘縮により、足が屈曲(底屈:つま先が伸びた状態)。

  ハムストリングス(太ももの裏側)の筋拘縮により、ひざの屈曲(ひざが曲がって伸びない状態)。

  大腿四頭筋の筋拘縮、および大腰筋・腸骨筋の筋拘縮により股関節の屈曲(股が伸びない状態)。

  脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋、大円筋、大胸筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、  etc・・・

それらにより、右前傾姿勢や各部位の不調が出ているのでしょう。


病院でどう言われているのか?、どんな治療をしているのか?、聞いてみると・・・

(あくまでご本人がおっしゃっていることですので、事実とは違うかもしれません)


毎週レントゲン撮影をし、それを見ながら「骨はきれいに付いている・・・」と・・・、

(骨が癒合しているのならば、なぜ現在も毎週レントゲン撮影をする必要があるのか??)

足を触られたことはほとんど無く、色んなところが痛いと言っても触りもせず、シップと鎮痛消炎剤の処方をし・・・、

(触らなければ状態はわからないと思いますけど??)

「労災(労働災害保険適用)がおりるんだから6ヶ月間くらいは、筋力を落とさないように出来るなら毎日でもリハビリに来なさい」と言われているようです。

(・・・言葉が出ません・・・)

リハビリ室に行くと、踏み台昇降運動 ・ ウォーキングとかを40~50分近く行い、理学療法士もほとんど足すら触ることなく、

”ストレッチ系”の事ぐらいはしてるのかと思いきやそれもほとんど無く・・・、

「労災なんだから先生(医師)の言われるように、筋力維持のために出来れば毎日でもおいで・・・」と言われていたようです。

(・・・悲しくなります・・・)


完全にオーバーユースによる疲労性の筋拘縮です。

そもそも、この方はその病院まで片道徒歩25分歩いて(健常な足なら徒歩10分弱でしょうが)行っているとの事ですから、それでもう十分な筋力維持にはなると思うのですが・・・。

骨折癒合から4ヶ月くらいはこんな生活を続けていたのでしょうね・・・。

そんなこと続けたって良くなりようが無いと思いますけど・・・。

 

問題は「骨折の後遺症(長期間関節を動かさなかったことによる)で足の関節が動かなくなってしまっている事」です。

筋肉・腱・靭帯を調整し、第1・第2中足骨の骨間、第1足指指節間関節、ショパール関節、リスフラン関節などを動くようにしてやれば、足をついても痛みは無くなってきました。

その他上記の筋拘縮をリリースしていけば、前傾姿勢が緩和されました。


「これなら歩ける!」と杖を使わず歩いて帰られました。


このような症例は特段に難しい症例ではありません。

要は動かなくなった関節を動くようにしてやり、必要以上の過剰な運動は避けて筋肉疲労が出ないようにしていく事が必要なのです。


その後4回来院され、ほとんど問題なくなったようなので以後は筋肉の柔軟性を取り戻す運動 を続けて行くようにお願いしました。

「病院へは行かなくていいでしょうか?」とおっしゃるので、「労災補償をもらうには医師の診断書が必要なんでしょうから通院すれば良いと思います。ただしリハビリに一生懸命行く必要があるのかはご自分でご判断ください。」と言っています。

 

セカンド・オピニオンが叫ばれる昨今、おかしいと感じたときに他の病院でも受診していればこんなことにはならなかったんだと思いますけど・・・。

「医者も選らばにゃ・・・」

 

※ショパール関節(横足根関節) : 踵立方関節(踵骨”ショウコツ”と立方骨”リッポウコツ”の関節)と

                 距舟関節(距骨”キョコツ”と舟状骨”シュウジョウコツ”の関節)からなる。

リスフラン関節(足根中足関節) : 第1~第5中足骨”チュウソクコツ”と

                       3個の楔状骨”キツジョウコツ”と立方骨の関節。

                                    <ご参考(X-ray画像) 足部・足指
~take care~