70代女性、糖尿病で治療中です。かなりの過体重だったのですが、インクレチン作動薬であるマンジャロがとっても良く効いて、 体重は-9kg、HbA1cも8.4%から7%まで下がっていました。

 

「体調はどうですか?」

「私、急性膵炎だと思っているの。」

「突然に、どうしたの?」

「新聞にのっていたでしょ、マンジャロのこと。急性膵炎になって大変だった書いてあったでしょ。」

「え、読んでないですよ。」

「新聞持ってきたから、読んでみて。」

 

内容は、至極まともな記事で、マンジャロで体重は減ったんだけど、継続していたら急性膵炎になって入院が必要であったとの内容でした。

 

「うん、まともな記事だね。」

「右手から脇にかけて痛いし、私も急性膵炎じゃないかと思うのよ。」

「あのね、急性膵炎ってとっても重症な病気だよ。お腹も痛くて眠れないと思うよ。」

「夜はぐっすりです。」

「じゃあ、違うと思うけど、一応膵炎の検査は血液で出来るから、それで確かめてみましょう。」

「よろしくお願いします。」

 

膵炎のマーカーであるアミラーゼやリパーゼは正常値で、無事に急性膵炎の疑いは晴れ、マンジャロが再開になりました。

自分の病気や薬に関連した記事を見ると、どれも自分に当てはまるように感じることが多いと思います。また、人の噂話や身内の病気などで、余計な心配を背負い込んでしまうことも多いようです。

どうしても病名が一人歩きするのですが、病気の内容は一人一人全く違います。あまり心配しすぎないようにするのが一番ですが、どうしても不安になったら、主治医と相談しましょう。