95歳の女性、以前から耳が遠く、かなり以前より診察時には何も言わずにニコニコ笑ってお帰りになることが多い人でした。

今日は、先日難聴の患者さんが使っていた音声文字化アプリを使ってコミュニケーション。私の言うことをアプリを使って文字で読んでいただくと、急にいたく饒舌になって、

 

「95歳まで生きると思わなかった。」

「ふーん、そうなのね。」

「この歳になるといろいろ大変だ。」

「何がさ?」

「コロナでパーマ屋さんに行けなくなって髪がひどい、風でボサボサになる。」

「じゃあ、僕が切るかい?」

「ワハハハハ。」

 

とかお話しした後、

 

「1月に入浴中に失神して救急車が呼ばれて大変だった。」との重大情報が出てきてびっくり。

何かを話しても相手の返答が聞き取れないので、そもそも情報を積極的に伝える事をやめてしまっていたようでした。

さっそく高血圧の薬を減量して、もう少し血圧を上げるようにすることにしました。

 

音声文字化アプリ、変換精度も素晴らしく臨床の場でも十分に使えることが実感できた日になりました。