理想が詰まった映画 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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山田洋次監督作品

『息子』

 

こちらのシナリオは、

 

これまで何十回と読んでいるのですが、

 

読むたびに新しい発見をくれる私の先生のような存在なんですよねニコニコ

(ポスターもステキです。)

 

 

 

 

そんな名作を、

 

本日は、久しぶりに映画にて鑑賞してみました〜。

 

(やっぱり私はツタヤが好き下差し音符

 

 

 

 

かれこれ1年半ぶりに観るのですが、

 

やっぱり芝居がイイッ!!の一言ですね。

 

演技に全身全霊を傾けている俳優を観るのは、素直に心が安らかになります〜おねがい

 

下らないものが排除された世界に触れると、精神が栄養を蓄えるようで清々しい気持ちになりますね。

 

そして、

 

こちらの映画は、演技が一級品なのはもちろんですが、

 

シナリオにも目を見張る仕掛けが散りばめられているんです。

 

 

 

 

例えば、

 

この映画の構成です。

 

全体を三章の物語から成り立たせているんです。

 

その一:母の一周忌

その二:息子の恋

その三:父の上京

 

という構成です。

(映画にも、この字幕は登場します。)

 

この流れが、とても素晴らしいのです。

 

きっちりと整頓されていて、各シーンの表現目的も実に明確に用意されています。

 

しかも、それら表現がどれも映画的で美しく、全く造作意図を感じることなく楽しむことができます。

 

上差しここが、山田監督の一流たる所以ですね)

 

とにかく、瑞々しさが漂うリアリティーが大好きですね〜照れ

 

 

 

 

特に、

 

第二章の終わり方は、シナリオを読んでもため息が出るほど素晴らしく、

 

映像で鑑賞すると、その表現力にはただただ圧倒されます。

 

「若い男女の恋の成就」という表現は、

 

これまでに何千万回と映画化されてきたいでしょうが、

 

この『息子』での山田洋次監督の表現は、唯一無二のものでしょうね。

 

私は、他に見たことがありません!

 

きっと、世界中の映画人がひっくり返ったことでしょう。それくらいの衝撃です!

 

とても質の高い表現に、私などは「絶対に真似できない。。。」という畏怖さえ感じます〜〜ゲッソリ

 

この表現だけをとってみても、

 

ただの映画ではないことが十分に証明されているのです。

 

 

 

 

この第二章から第三章の三國連太郎さんの表現へ物語は向かいます。

 

第二章の目的(息子の表現)から、第三章の目的(父の表現)へと繋がり、

 

その後、映画は彼らを再会させてクライマックスへと向かいます。

 

このラストの俳優たちの表現は、まさにゴージャスですキラキラ

 

繊細な表現には、日本映画のありがたさを実感します。

 

まさにリッチな映画体験ですね。

 

 

 

 

何度も繰り返し書き込みを行い研究しているシナリオ『息子』ですが、

 

抽出できていない表現がまだまだあると思うのです。

 

今回、映画を鑑賞しても、

 

名優たちの芝居から、また沢山の発見をいただきましたからねニコニコOK

 

名作恐るべし・・・ですね。

 

 

 

 

隠れた名作という言葉がありますが、

 

私は、名作の隠された表現が大好きなのです。

 

その映画がなぜに名作と呼ばれているのかを、シナリオと映像から発見するのが生きがいなのです。

 

一つの映画を知るためには、莫大な時間と労力を要しますが、

 

映画の美しさを知るには、この努力を抜きにしては成り立たないと思っています。

 

できる限り、映画を作った方々と同じレベルで楽しみたいんですよね〜。

 

 

 

 

「なぜ、そこまでするのか・・・??

 

それは、

 

こういった時間を経て、

 

やっと、山田監督の拘ったテーマに触れることが可能になるからですね照れ

 

そして、この映画で言うと、

 

シナリオ分析を経てから実際の演技表現を見つめることで、

 

三國連太郎さんの心に触れたような錯覚を味わうことができるからです。

 

この瞬間、私は、全身で感動する感覚に襲われます。

 

映画で得る幸せが、ここにあるんですね〜〜。

 

 

 

 

 

ちなみに、このポスターも良いですね。

 

映画のテーマには合わない気もしますが、

 

三國さんの表情があるポスターは貴重ですよね。

 

 

 

 

 

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山中勇人(脚本・演出)

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