書棚を整理していたら、
とっても懐かしい本が出てきました
「村木与四郎の映画美術」(フィルムアート社)
村木さんは、
映画『酔いどれ天使』以降、
ずっと黒澤明監督の美術を担当された方なんです
この本は、
私が18歳の時に、
大阪駅の大型書店まで行って購入した思い出の一冊なんです
あの頃は、
朝から晩まで黒澤作品のことばかり考えていたんですよねぇ〜。
監督のことを深く深く知りたくて、
彼にまつわる様々な関連書籍を探索していたんです~
黒澤監督と言えば、
エンターテインメント性の高い作風で知られていますが、
そのストーリーテリングもさることながら、
美術セットや装飾、衣装なども見事なんですよねぇ〜
なかでも村木さんの手がけられた美術は、
作品に芸術の品格を与える圧倒的な存在感があるんです
東宝という映画会社が、
この贅沢を許したことも、
黒澤さんにとっては追い風であったでしょうね
黒澤監督の映画が公開された当時の、
他社の映画を見比べてみても、
その違いは一目瞭然です
(まるでレベルが違うんでうよねぇ〜〜)
いかに黒澤の名前や仕事が、
映画界の中でも別格扱いであったがよく分かります。
そして、
この本を読んでいて面白いのは、
あの黒澤作品のスケール感を、
村木さんが、如何にして美術という仕事で応えようとしたのか・・・
その苦労の一つ一つを、愛情と情熱を持って語られるところなんです
黒澤監督のオーダーというものは、
世界中の映画を見渡しても、
難易度の高さは屈指であると思います。
匹敵するのは、
キューブリック監督くらいではないでしょうかね。
そんな困難に応え続けた村木さんの職人根性が、
私を痺れさせるんですよねぇ~
私が初めて観た黒澤映画の『七人の侍』
そして続けて観た映画が『羅生門』
この時の衝撃は、
今でもはっきりと覚えています。
物語の素晴らしさに放心状態だった私は、
その感動を噛み締めつつ、
同時に、
「この美術はなんだぁ〜~」
と驚嘆もしていたんですよねぇ〜。
間違いなく、
18歳の私は、
黒澤監督だけでなく、
村木さんの虜にもなっていたんですねぇ
その後鑑賞した『蜘蛛巣城』『どん底』『赤ひげ』などでは、
美術セットが、まるで主役のような作品だと感じたものです〜
ちなみに、
高畑勲監督や宮崎駿監督が、
アニメーションの世界で活躍された始めたのは、
1970年代になります。
その頃には、
すでに彼らは、
アニメ界では考えられないようなこだわりを美術の分野に発揮しているんです。
その繊細さと執念は、
多くの方がご存知のことですよね〜。
きっと、その影響の源は、
彼らの年齢から言って、
溝口健二監督の映画や、黒澤監督の映画であることは間違い無いと思うのです
つまりは、
溝口作品の多くの美術を担当された水谷浩さん、
そして、黒澤作品を担当された村木与四郎さん、
このお二人がいたからこそのジブリ映画なんですよねぇ〜〜
(かなり、飛躍した個人的意見ですが〜)
久しぶりに手に取った書籍でしたが、
(15年ぶりくらいかなぁ~)
なんてマニアックな本なんだ、と苦笑してしまいました〜。
こんな書籍を、
18歳の青臭い田舎者が、
手に汗握って読んでいたんですからね〜。
まったくヘンテコなヤツですよねぇ~
でも、
こういった書籍との出会いが、
真っさらな私に大きな影響を与えたんですよねぇ〜。
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