江戸を舞台にして、
日本刀による剣戟ドラマを書いていると、
どうしても、
〈時代劇〉という世界観のリアリティーを再現するために、
知恵を絞る苦労を避けることは出来ません〜
時代考証などの資料などを漁りながら、
どうにかならないものかとジタバタするのですが、
そんな資料さえもあまり役立たないことがあるのです〜
それが、
「死にゆく者のリアリティー」
をどの様に描くか・・・ということなのです。
物語において、
必ず人が死ぬ必要はないのですが、
それでも、
命というテーマは、
どんなドラマでも意識せざるを得ませんよね。
とは言え、
登場人物に武士という身分を用意すると、
どうしたって刀を抜かせる瞬間にこだわってみたくなるものです
そうなると、
「時代劇とは、人間の死に様を描くドラマである」
なんてことまで考えてしまうくらい、
死に際の美しさに魅了されてしまうものなのです
執筆中のシナリオでは、
どのシーンでも、
一種の〈清々しさ〉が残る様に意識していますが、
力が入ってしまうのは、
やはり、死が漂う場面なんですよねぇ〜〜〜
これは、
私自身にも原因はあるんですよね。
たとえば、
生命感あふれるシーンには、
どこか疑ってしまう私がいるのも事実なのです〜
または、
幸福感で一杯の表情やそんな集団には、
白々しさを感じてしまうことがあるのです・・・。
むやみやたらと起伏する感情や、
可愛らしさや格好良さをことさら押し出す演技には、
嫌悪感のような感情が芽生えることさえありますからね〜
こういった私の本音が、
ドラマを成立させるリアリティーの構築に、
少なからず影響しているのだと思います。
だからこそ、
喜劇シーンへのこだわりも強いのだと思いますね。
喜劇シーンを挿入した後に、
それに関わった人物たちの〈何〉が、
聴き手に残るのか
人物から滲み出ているものは、
私が意図したものになっているか
これらに神経質になるのも、
きっと、
描いた「死のリアリティー」をより鮮明に打ち出すための、
私なりの防衛策なのでしょう。
いつかは、
死と生の両方をリアリティーあるものとして、
正面から描いてみたいですね。
次回作の『瞽女さ夢見じ』で、そんな所に近づけたらとも願っています〜
これは、
日本の時代劇における、
究極のテーマのような気がしていますね〜
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オーディオキネマ代表
山中勇人(脚本・演出)
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