私は、昔から、
「自分はどこにも属してしないなぁ」
と感じて過ごしてきました。
こういった感情を抱き始めたのは、
多分、高校を卒業する直前だったと思います。
そんな心境は、
上京した頃からさらに拍車がかかって、
私に孤立感を感じさせることになるのです。
これは、
芸を身に付けようとする者や、
芸能を目指す者には、
よくある話ではないでしょうかね。
この手の世界では、
技術や知識については、
ほとんどが独学ということになります。
ですから、
そんな時に会話する相手は、
丸裸の自分自身だけということになるのです。
そんな毎日を送っていては、
安住を感じる居場所などは、
どこにも存在しないんですよね〜。
思い返せばこれまで、
どこかのチームで制作作業をしていた時も、
会社に出勤していた時も、
グループで遊んでいた時も、
この喪失感が満たされることは一度もありませんでした。
私は常に、
いつでも、どこにも、誰にも、フィットしていない感じを持ち続けていたのです。
こう書くと、
ちょっと不幸なヤツって聞こえ方がするかもしれませんが、
同時期を過ごしていた周囲の仲間も、
似たり寄ったりの状況にあったのではないでしょうかね。
今思えば、
誰もが、
「自分の本質は、誰とも分かち合えない」
という表情をしていましたからね。
馬鹿ばかりでしたが、
この厳しさだけは、ちゃんと理解していたのでしょう。
ここまで書いたことで、
どこかに共感される方もいらっしゃるのではないかと思います。
そして、
私と同様の、
居場所の見つからない不安に駆られているのではないでしょか。
私は、そんな方に、
「その不安は、今だけのものです。」
と言って差し上げたいと思います。
今の道を進み続ければ、
必ず、心地い出会いがあるとお伝えしたいのです。
私の経験談ですが、
今では、少しづつ、
一流の声優さん・音響監督さん・スタッフの方々と話をさせてもらう機会が増えてきました。
ここでの会話では、
素直に自分をさらけ出して話を楽しむことができます。
特殊な時代劇話にも・・・ 沢山の貴重な意見を戴くことができます。
今では、
こういった機会が、
私をドラマの世界に定着させてくれることを実感しています。
皆さんと、
ドラマについて、物語について、演技について話をする時、
私は、彼らと、
絶妙な意思疎通を瞬時に取ることが出来ます。
繊細な思考やアイデアまでもを共有することが出来ます。
皆さんの素晴らしい才能と経験を目撃することも出来ます。
これは、
私にとっては最大の幸せであり、
自分の所属すべき場所を認識させてくれることなのです
だから、
私は、
ドラマを書いて、作品作りをするのだと思います。
ここ以外に安住の地は無いと信じさせてくれるからです。
友人は要らないが、
尊敬すべき人には囲まれていたいのですね。
こういった意見も、
オッサンになったからこそ言えることですね。
居場所を求めて、
不安を抱えて、
孤独と向き合って、
進み続けるしかない道もあるんですよね。
これは、
みなさんが実は自覚していることですが、
目指す到達点にしか、
己を満たしてくれる環境などありはしないんです。
そこへ達するまでは、
孤軍奮闘というわけです
そして、
その先にも、
新たなる己との戦いは待っていますからね〜。
これもまた、
この手の世界のことですよね〜。
負けてはいられませんね
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オーディオキネマ代表
山中勇人(脚本・演出)
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