リアリズムの壁 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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今週の月曜日、

3カ月WSのレッスンも終了時間に差し掛かかろうという時に、

参加者の方より、

シナリオから演技を生み出す際の、

リアリティー
についての質問が飛び出したのです

それは、

私のドラマCD作品の、

大木民夫さんと大林隆介さんの演技を聴いた後での反応でした。




私はその時、

「ついに来たかぁ~~~


と心の裡で叫んでしまいましたね

演技表現というものについて、

質の高さや説得力、完成度について勉強を重ねていくと、

いつかは必ず、

この
リアリティーという課題に到達することになると、

私は考えているからです



特に、

大御所の声優たち
による演技について考えたとき、

その本質を掴もうとすると、

いつも、

彼らが表現の中心に据えている
リアリズムについて、

理解を深めなくてはならないのです。



新人声優さんにとっては、

ここの過程へ踏み込むかどうかが、

新人からプロ声優への脳味噌(思考回路)へ進化する貴重なキッカケだと思うのです



「演技にリアリティーは必要なのか・・・

「それは、いつでも、必ず、意識することなのか・・・

「リアリティーとエンターテインメントは、どこまでも相性が良いものなのか・・・

「演技のリアリティーとドラマの質の関係性とは・・・

「リアリティーある演技が、観客の心へ訴えるものとは何か・・・




こういった様々なことに注目してこそ、

大御所声優達が築き上げてきた声優演技というものに、

真っ向から向き合う心構えが出来たというものです

実は、

ここからが、

演技が本当に面白くなる
新しい一歩だし、

同時に、

演技というものが如何に複雑で繊細なものかを知らされる扉なんですよね~~




良い演者になろうとする時、


「自分は何を大切にする声優か・・・」

一流の演技から学び取る作業が始まったという事なんですよね~。




「ようこそ、奈落の底へ

私はワークショップ参加者の皆様へこんな言葉を送りたいですね。

ここの領域へ踏み込んでしまうと、

素晴らし演技が中毒になってしまって、

二度と抜け出せなくなるのですから

もう、諦めるしかないですねぇ~。




本気で、

ドラマや演技、シナリオを楽しむしかないということです。

本気の本気で、

役者になるしか生きる道はないということです。

それ以外は、

すべて余計なことだということです



オーディオキネマ代表 

山中勇人(脚本・演出)