洒落たマネしやがる! | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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お正月休みに、

録画しておいた映画を観ました

これがなかなか面白い体験となったんです。

それを、ちょっと紹介してみましょう

(皆さんに、興味が有るのは不安ですが・・・



それは、

2本の時代劇なんです。

昨年末に、

日本映画専門チャンネルにて放送されていたものなんですが、

作品の監督は、、

どちらも、五社英雄さんです。



タイトルは、

『丹下左膳 飛燕居合い斬り!』
 1966年公開映画
 萬屋錦之介主演
 
『丹下左膳 剣風!百万両の壷』
 1982年 TV スペシャル番組にて放送
 仲代達矢主演



この2作品、

作られた時代も違えば、

出演俳優も違う、

映画公開テレビ放送という違いもあるのですが、

なんと・・・

シナリオは、全く同じなんですね

(これは、珍しいことですね。)




つまりは、

この両作品を観るだけで、

役者によって、

それだけ作品の雰囲気が変わるかが、

一目瞭然で分かるという趣向なんです

(ちなみに原作は、何度も映画化されているものです。)

どちらの出演者も、

一流キャストばかりですから、

これは、勉強になりますよね




他にも、

楽しみ方はあって、

五社監督の、

映画とテレビドラマの演出方法の違いも注目すべきところでした

技術やテクニックの使い方も学べるんです




映画とテレビは、

画面の比率が違いますし、

映画館と茶の間という視聴環境の違いもあります。

そういった問題に、

役者の立ち位置や、

カメラアングルによって、

きちんと対応されているところが、

非常に興味深かったんですね

さすがは、

フジテレビ出身の演出家ですね。




どちらにしても、

画面一杯に広がる、

ダイナミックな絵力は、

五社流と言えるものでしたね

今ではお目にかかれない迫力です

そして、

どちらの主演俳優も、

素晴らしいダンディズムを披露していました。

実に格好いい丹下左膳でしたね




ただ・・・・・・、

あえて私の好みを言うならば・・・・・、

テレビ版の仲代達矢さんの作品の方が好きですね

(ただし、殺陣については、もちろん錦之助さんが優勢です

なんといっても、

共演者が素晴らしい。

悪役に西村晃さん。

ヒロインに、夏目雅子さん。

主人公とイイ仲になる盗賊の女頭に、松尾嘉代さん

くううううぅぅぅ~~~~

そして、

仲代達矢さんの魅力です

物悲しい流し目。

あの震えるような低音ボイス。

大胆で繊細な演技。

素晴らしい表現力でしたね



こうなっては、

いかに私の好きな60年代の一流キャストが揃った映画版も、

適う訳がありませんよね。

特に夏目雅子さんの活躍は見逃せません

彼女の登場が、

作品の空気がググッと一変してしまうんです

これには、驚かされます

さすがに、昭和を代表する女優ですねぇ

作品自体は、

荒唐無稽なゴリゴリのエンターテイメントです。

なんたって、

片腕、片目、剣の達人が活躍するアウトロードラマですからね。

でも、

夏目雅子さんが、

するりと画面に映るだけで、

その眼差し一つで、

作品が叙情的になるんですね

それはそれは、ただただ驚嘆に値しますね。

今の女優さんには無いものです。

残念・・・




そんなこんなで、

「これこそ、今の若い映画制作者、テレビ制作者に観て欲しい作品だなぁ」

と感じる体験でしたね。

それと同時に、

1982年のテレビドラマでは、

まだ時代劇の節回しが健在だった

という事実も勉強になりました。

五社、仲代コンビですから、

当然といえばそうなのですが・・・




まだまだ、

観たことのない時代劇は沢山ありますね。

今年も、

ドンドンと新しい作品と出会って行きたいですね



 

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あれこれとつぶやくつもりです・・・。


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