『研ぎ師伊之助深川噺ができるまで 198』 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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~ライターのつぶやき~
「こりゃ、たいへんだ



今朝、
朝の6時くらいに外へ出てみたら、
自分の息が真っ白いことに驚いてしまいました


冬は、もうそこまで来ていたんですね。
季節に対し、ちょっと鈍感になっている自分が恥ずかしいですね


日本という国は、
世界的にも珍しく、キッチリと四季が存在する土地です。
ご先祖が大切にしてきた季節感を大切にしたいですね。


「旬」というも言葉も忘れ始めている我々ですが、
そんな知識も改めて見つめ直す必要がありそうですね。
今日はそんなことについて、考える記事にしたいと思います




数日前に、
フッと気づいたことなんですが、
もう、お正月のことなんかを考えないといけない時期なんですよね。
バタバタと過ごしていると、そんなことも忘れてしまっていました


そこで気になったことが、
江戸時代のお正月の風景です。


武家の方々のお正月は、
登城に関する作法や規律が細々と難しいだけで、
ここで書いてもつまらないものなので、
本日は、町家についてご紹介してみましょう


まずは、元旦についてですが、
一般に、町家では元日はお店を休んで、二日から年始に廻っていました。


芝居小屋などでは、
元日に「翁(おきな)わたし」というものをやっていました。
これは、座の役者たちが、舞台に集まって、年頭の御祝儀をいいました。
そして、子役が踊り、頭取が春狂言を読み上げたそうです。


まさに新春らしい風景ですね~


ちなみに春芝居の開場は、正月15日からと決まっていたそうです。
やはり、このくらいはゆっくりしてもいいですよね


でも、
魚河岸などは忙しかったようですね
さすがに元日は休みましたが、二日の朝からは初売りがありました。
昔は鮮魚の保存方法は無かったでしょうから、
生食材を扱うに人々には、休みが無かったんですね。
賑やかな売り声が想像できますね


中には、
元旦から活動を初めている職種もありました。
万歳(まんざい)、
鳥追(とりおい)、
獅子、
太神楽(だいかぐら)、
白酒売り、
宝舟売などがそうでした。
路上で店を広げているものもあったのでしょうか
または、棒手振りのように、元日を祝う家を訪ねてあるいたのでしょか

ともかく、めでたい景色だったでしょうね



吉原なんかでは、
女郎の年始も二日になりました。
多くの女郎たちは、美しく着飾って手引茶屋を廻ったそうです。
龍の口の火消屋敷での出初めも二日にありました。
それが済むと、火消屋敷を引き上げて、町内の主たる場所で、梯子乗、刺又乗などをして、
ご祝儀をもらったそうです


これは、驚きですねぇ~。
そんな曲芸は、火消し衣装の江戸っ子がやるものと思っていました
色気漂う女達の着物姿の曲芸を、
浮かれた男たちが下から見上げるという趣向なんでしょうか

時代考証の本にも、
そのあたりの具体的なことは書いてはありませんでしたね・・・


ここまで書いてみても、
とても賑やかな風景が想像できますね
現代の初売りバーゲンのTVニュースなどは、悲しく思えてきますね



他にも、
当時の人には様々な行事がありました。


六日は、
六日年越しで、この日の夕方に門松を取りました。
十二月の年越しと同じように厄払いが家に来て、なかなかの賑だったそうです。


七日は、
若菜の節句、または七日正月といって、
七草粥を祝いました。
今では、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、仏の座、すずな、すずしろ」の七草入れた粥を食べることが普通ですが、昔は、その前に大事なことを行いました。

それは、
粥を煮る前に、七草打ちというものがありました
これは恵方に向かって、きれいなまな板を据え、その上に七草を載せて、
「庖丁、火箸、すりこぎ、杓子、金杓子、菜箸、薪」などの台所にある七つもので、
七度づつ、七草を打つことを言います

※実際は、儀式的に唄をうたってまな板を叩くだったそうです。
 唄については省略しますね。


十一日には、
武家では、具足開き、
町家では、蔵開きといって、鏡餅を割りました。
(この行事、日程が決まっていたんですね・・・



まだまだ続きますよ~



十四日は、
十四日年越しです。
この日にお餅を取ることになっていました


江戸の人々は、
六日年越しからはじまって、この十四日年越しで、
ひとまずお正月は片付いたという認識だったようです


十五日は、
小正月と呼んで、十五日粥という小豆粥を祝いました。
その他、
十五日、十六日の両日は
藪入(やぶいり)といって、奉公人の休日だったそうです。
こんなことにも行事風な名がついていたんですね
(ステキです


これでやっと、十五日ですね
江戸時代には、まだまだ行事が続きました。
きっと職業や地域によっても、様々な年行事があったでしょうね。
結構、大変な忙しさですが、
毎日が楽しかったのも事実でしょうね


昔の人にとっては、
一年の大切な初月ですから、
一日一日を大切に過ごしていたんですね


昔と言っても
約150年くらい前のこと。
不思議ですが、
こんなお正月が東京には存在していたんですね
江戸時代を通して、粋な生活を形作っていった人々の感性の賜物です

でも、
今では、ほとんど残っていない現実が、なんとも悲しいですね


でも、
文字で知るだけでも、
そんな先人が誇らしい気分になれるのが不思議です。


やっぱり、
私達は、江戸時代が大好きだという証拠なんでしょうね




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