山下朱実作 柳沢悟演出「ジャックと魔法の水さし」「さつきちゃん、田舎へ行く」の二本立て

途中ゲストで、ブラスバンド隊の「ウルセンジャー」の演奏。

「こども演劇まつり」と名付けられたとおり、
小さな子ども達まで惹きつけるお芝居。

だけど、舞台で展開される表現力がみごとで、
大人だって飽きさせない。

その表現力の豊かさは、
いわゆる子ども向け作品のわざとらしいセリフ回しや演技ではなく、
表現の可能性を追求したもの。

一作品の演出レベルが統一されているので、
観客が冷めてしまうことなく、
その世界に自然に入っていける。
様々に工夫された表現方法に感動を覚えた。

舞台は、二つの高さの脚立。
スチールパイプでできたキューブ型の椅子、ロープくらい。

でも、そこが牛舎になったり、
森になったり、
電車になったり、
舎のおうちになったり、
崖になったり…

ロープの組み方をあやとりのように巧みに変えることで表現した藪の中を
子ども達がかき分け進んでいくシーンにはワクワクさせられた。

舞台は、大きな正方形。
その周囲を半間幅の違う色のパンチを巡らせることで、
自然な道程を感じさせていた。

それぞれに端正な顔立ちの役者が、
心のバリアをとっぱらって、
それぞれの役になりきっているのも、圧巻。
まさに、プロの演技!

特に、牛さんの豊かな表情は、
セリフを使わずとも、心が伝わる
その牛さんの表情を観て、
3才くらいの女の子が泣き出したのだから、
どれほど、豊かな表現だったか!

音楽は、オリジナルだろうか。
こどもたちが自然に口ずさめる楽しい音楽を挿入されていたし
様々な楽器や道具、キーボードで、効果的なSEを作っていた。
牛さんの出ないおっぱいを無理矢理絞り出すときの効果音は秀逸

「さつきちゃん……」の方に出演した年輩の役者たちの

特のテンポのセリフや、
張られた幕から顔出したり、
藪とかかれたベストで登場されたりする様子も滑稽で、
観客をほっかり幸せな気持ちにするものだった。

劇団演劇街は、山口県内の児童の家などを回っているそうだ。
こんな素敵な想像力&創造力の世界に触れられる子ども達は本当に幸せ。

山口の子ども達が質の高い演劇出会えるチャンスを与えていただいていることに感謝しつつ、
これだけの演技力を持った役者さんたちが創られる大人の芝居も観てみたいと思った。

湯田温泉という観光地のど真ん中にある演劇研究所LaB21は、
外見は普通の今風のお宅なのに、一歩はいると素敵な小劇場

長椅子や体操のマットで創られた観客席も親しみやすく、
舞台もけっこう奥行きがあって立派なものだが、
役者の息づかいまで伝わってくる素敵なホール。

全面が白い幕で覆われていて、その周囲にある程度のスペースがあり
上下の行き来が自在にできるようになっているようだった。

照明・音響、観客とのやりとり……
様々な工夫がされていて、劇団の歴史を感じた。