タイトルに惹きつけられて、

必死で仕事をやりくりして、飛び込んだ。


が……

ものすごく期待値が高かったせいか、

想像していたものとはかなり違って、ショック。


首をとった残酷な画像

不覚にも観てしまった、首から上のない美しい裸体たち・・・

ホラーが苦手で、自ら好んではそんな映画は観ない。


ぞっ。

でも、不思議に美しく・・・不快感はなかった。


死刑判決を受けた殺人写真家呉井大悟(武田真治)

彼に見込まれた二流小説家赤羽一兵(上川隆也)が、

呉井の崇拝者と呉井との官能小説を創作することを条件に、

呉井の秘密を明かしてもらい、告白本を出す野望を抱く。

が、崇拝者たちが次々と死に、

事件に巻き込まれていく。


ミステリーなのだけど……

周囲の配役があまりに際立っていて、

この人、きっと重要な役所だろうなぁと

簡単に想像できてしまって

ドキドキ感や、欺かれた感がなかった。


ただ、赤羽自身の母への思慕と

呉井の屈折した母への情愛が絡み合って、

もっと深い作品に出来そうな予感はあった。


また、遺族会の中に存在する、

死んだ遺族に対する複雑な思いをもっと描き込むことで、

ミステリーをさらに深められる可能性を感じた。

片瀬那奈演じる長谷川千夏は、殺された姉への嫉妬を吐露するが、

もっと他の遺族たちも、複雑な思いを持っていたのではないか。

赤羽が巻き込まれる殺人事件の被害者遺族の一人、

ひきこもりの娘を殺された鏑木裕子も、

せっかく戸田恵子を使っているのに、通り一遍な心情吐露しかなくて、残念だった。

もっと遺族感情の複雑さを描く……

「死んでくれてよかった」とまで安堵する人がいたりすると……

人間の心の複雑さが描けた気がする。

そうすると、結末の拍子抜けしちゃうシンプルさも防げた気がする。


赤羽の姪の亜衣の屈託の無さには好感が持てたのだが、

あまりにからっとしていて、恐怖感もなく、

周囲とのテイストの違いに違和感を覚えた。

敢えて、落差を際立てた演出もありかと思ったが、

どっちつかずになってしまった気がする。


どろどろと湧き上がってくる、

文章を書くこと、創作することへの執着心

それを主軸に描いたミステリーだったら良かったのになぁと思った。


しかし、武田真治の演じる狂気は見事。

最初、窪塚洋介かと見間違ってしまった。

母も、単にすごみのあるパワフルな女性ではなく、

何か病的なものを感じさせる神経質さとか、

溢れ出る官能美とか身持ちの悪さとか・・・

もっと演出できたのではないかしら!?


結末を見せない努力が、浅い人物造形につながり、

拍子抜けの結末を呼んでしまった気がする。