at 2002 10/20 10:00 編集
まだ死んでいないのに、
天国と地獄を訪問する許可をもらった男がおりました。
最初に地獄に行くと、
豊かであり余るほど食物を盛った長いテーブルに、
人がたくさん座っているのを目にしました。
しかし、人びとはお腹をへらして泣いているのです。
男にはすぐその訳が分かりました。
皆が持っているスプーンやフォークが
腕より長くて食べ物を口に運べないのです。
次に男は天国に行きました。
そこで見たのも地獄と全く同じ光景でした。
様々な御馳走が並んだテーブルが置いてあり、
人びとは腕より長いスプーンやフォークしかないので、
同じように食べることができません。
しかし皆は楽しそうで充分満腹でした。
彼らは自分で食べさせようとしていたのではないのです。
互いに食べさせ合っていたのでした。
(「内なる可能性」 P・フェルッチ)