近頃ではもっぱら糸電話を愛用している。子供の玩具と馬鹿にしたものでもない。手軽で安価、そして使い捨てにできるところが、1年前に東アジアのある農村で勃発し、世界中をパンデミックの恐怖に陥れた新種のウィルスに対抗するにはうってつけだ。いっときなど、100円ショップなどの店先から材料の紙コップと糸が姿を消したほどである。そんなに飛沫感染を避けたいなら、リモートでいいじゃないか、と後世の人は思うかもしれない。ウィルスが流行り出した最初の頃は、もちろんみんな遠隔システムを利用していた。リモートワーク、リモート会議、リモート授業、リモートレッスン、リモートお見合い、果てはリモート飲み会まで。

 

11月29日更新

 

続く