新しい医療・健康作りに取り組む「医師経営者」白岡亮平のブログ~dr365のつぶやき~
  • 12Jun
    • お子さんが注射をうける時のこころのサポートについて

      お子さんが予防接種のためにクリニックに来院される際、保護者の方はお子さんにどのようにお話ししているでしょうか。クリニックに来院されるお子さんの中には、診察室で突然注射をすると聞かされ、興奮してしまうお子さんが多いのも現状です。来院する目的をお子さんに話し、予防接種を受けることの意味を子どもの立場に立って伝えるとは非常に重要です。何も聞かされないまま、診察室に入り、予防接種を受けるということは、子どもの側から見ると、親にだまされたという思いと同時に、大人は信じられないという不信感や怒りを感じたり、クリニックは何をされるのかわからない場所と感じ、クリニックを嫌いになり、その後の通院にも影響が出かねません。お子さんが予防接種を受ける際には、いかにかげることを実践するとよいでしょう。1.予防接種での来院の時は、きちんと目的を説明して来院しましょうこどもは3才を過ぎると、その年齢に応じた理解力が生まれます。年齢に応じた理解力に合わせて説明するには、対話が必要です。対話とは、子どもときちんと向き合い、子どもの目線でわかりやすく納得できる説明をすることです。物でごまかしたり、全く痛くない等の嘘を言ったりするのではなく、お子さんにとって接種がなぜ必要であるかをわかりやすく説明しましょう。2.注射をするときは動かないことを話しましょう動いてしまうとどのような危険があるのかを説明しましょう。暴れたりすると、注射の針が曲がって体を傷つけてしまったり、針が抜けてしまって何度も痛い思いをしてしまうことがあることを話してあげてください。納得して来院していても、いざ注射となると不安は取りきれないものです。動いたり、嫌がったりはありますが、突然注射をすると言われた子どもと比べて、お話を聞いているお子さんの心理状態は全く違います。3.動かないようにご両親やスタッフが体をおさえることを説明しましょうお子さんを抱っこしたり、気を紛らわすことも痛みを軽減する上で効果的です。体をなでてあげたり、穏やかな口調で話しかけてあげてください。特に保護者の方は、お子さんのこころのサポートに徹してあげましょう。4.注射後は、お子さんをしっかり褒めてあげましょう痛いとき、怖いときに泣くのは当然のことです。お子さんが泣いてしまっても、できたことを褒めてあげましょう。「頑張ってえらかった」とお子さんを安心させてあげてください。そうすることで、子どもは泣いてしまった「ダメな自分」ではなく、泣いてでも「できた自分」が確認でき、必ず次へとつながります。注射の痛みは、大人も子どもも同じです。「何をされるか知らない」よりも「何をするか知っている」ほうが恐怖心は少なく、痛みも軽減すると言われています。注射は、「された」ではなく「できた」という自信を持つことができれば、その体験はお子さんにとってポジティブなものとなります。どうせ話をしてもわからない、泣かれたら困る、と最初から諦めるのではなく、年齢に合った伝え方を工夫し、感情を分かち合い、一緒に乗り越えようとしてみてください。「この子は騒ぐから」「弱いから」と初めから見放さないでください。子どもは日々成長します。お子さんにとっても、ご両親にとっても、前よりポジティブな体験になることを願っています。 <子どもに予防接種を伝える時期のめやす>  2~3歳 ・・・数時間前  4~6歳 ・・・3~4日前  小学生以上 ・・・1週間前<お子さんに予防接種のお話をする例> 「今日は病気に負けない強い元気な子になるお薬の注射の日だよ」 「悪い風邪から守ってくれるんだよ」「悪い病気がうつらないように守ってくれるんだよ」  2歳以上のお子さんには、おうちでごっこ遊びのように、人形などで診察や注射のシュミレーションをするのも良いとおもいます。診察して、腕を出して、消毒して、腕を抑えて、チクリと注射、という流れを知ることができ、遊びを通してのリハーサルができます。是非、今日ご紹介したものを実践してみていただくと、お子さんの心のサポートになると思います。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 13Mar
    • お尻が真っ赤!!おむつかぶれについて、ホームケアを含めて解説!

      お子さんの肌は非常に柔らかく、刺激に弱い特徴があります。特におむつの中は、非常に炎症が起こりやすい環境にあります。今日は、おむつかぶれについて解説してみたいと思います。おむつかぶれってどうして起こるの?→ おむつかぶれはおむつの中の尿、便が皮膚に長く接していることが原因で生じます。おむつの中の湿度が高くなると、皮膚が傷つきやすい状態となり、尿中の物質や便中の細菌などが炎症を引き起こしておむつかぶれになります。 また、蒸れた状態のままにしておくとカビが繁殖することもありますので、注意が必要です。ケアはどうしたらいいの?→ まずは予防が第一で、こまめにおむつをかえて、お尻を清潔で乾燥した状態に保つことが大切です。特に便をしたときは、濡れタオルや濡らしたティッシュなどで汚れをふき取ったり、座浴やシャワーで洗い流し、お尻をよく乾かしてからおむつをつけるようにします。お尻が汚れてしまったら、ぬるま湯で洗い流してあげて、柔らかい布で、ポンポンと水分を拭き取ってあげたり、ドライヤーの冷風で乾かしてあげるのが一番刺激が少ないでしょう。お風呂でお尻を沐浴させてあげるのが一番良いかとは思いますが、手間などを考えると、霧吹きにぬるま湯を入れ、吹きかけて洗い流すのも良いかもしれません。汚れを落とした後はしっかりと乾かしてあげてください。よくやりがちなのが、清潔に保つために、一生懸命おしりふきで、何回もごしごしとふき取ったりすることです。赤ちゃんの肌は、敏感で、刺激に弱いので、蒸れて傷つきやすくなったお尻の皮膚をさらに傷つけてしまうような、刺激はできるだけ避けてあげてください。ごしごし拭き取るのではなく、ぬるま湯でさらっと洗い流し、やさしく、「ぽんぽん」と柔らかい布で、水分を取ってあげるケアが最適です。ペットボトルのキャップに数か所、穴をあけ、ぬるま湯を入れて、おむつを敷いて、洗い流すとよいと思います。~おむつかぶれの治療~①おむつかぶれ部分に亜鉛華軟膏を塗り、便や尿がくっつかないようにする 亜鉛華軟膏という白い軟膏を患部にたっぷり塗り、便が皮膚にくっつかないようにしましょう。便が出たら、便をふきとり、白い軟膏が取れたところに再度軟膏を塗り、お尻全体が白い軟膏でカバーされる状態を保ちましょう。お風呂に入るときは、全て洗い流し、再度軟膏を塗ってください。3~4日続けると改善してくるでしょう。②抗炎症作用のある非ステロイド系の塗り薬を使用する 炎症が強い場合は、非ステロイド系の抗炎症作用のある塗り薬を使用します。③炎症が強い場合には短期間ステロイドを使用する さらに炎症が強く、治りづらい場合には、ステロイドを短期間使用することもあります。④カビが原因の場合にはカビに効く抗生剤の塗り薬を使用する 蒸れた場所にはカビが繁殖してしまう場合があります。おむつかぶれの部分にぽつぽつと赤みのある発疹ができている場合にはカビの感染の可能性もありますので、そのようなときは医師にご相談ください。 お子さんの皮膚のトラブルはよく起こります。日々のスキンケアが皮膚トラブルの予防と治療にとても重要です。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 12Mar
    • おうちでできる鼻水、鼻づまりのケアを紹介!ホームケアでQOL(生活の質)が上がります!

      鼻水が大量に出ていたり、鼻が詰まって苦しそうにしている子どもたちを見ているのはとってもつらいですよね。今日はお家でできる鼻水、鼻詰まりに対するホームケアをご紹介します。はじめに、【家庭でできる鼻かみ訓練】についてです。鼻水は、温度や湿度を調節したり、異物を外に出すための体の反応ですので、通常でも作られるものですが、あまりにも鼻水や鼻づまりで苦しい場合は、意図的に鼻水を外に出してあげると楽になります。鼻かみは小さいからまだできない、と思い込んでいらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。鼻かみは自然にできるようになることも多いですが、小さなうちから鼻のかみかたを練習すると風邪の時の呼吸が楽になり、子どもたちのQOL(生活の質)はあがります。実は、意図的な鼻かみは、ちょっとした訓練をすれば、以外に小さい月齢(2歳前後ぐらいから)でもできるようになります。お子さんの成長・発達を日頃からよく観察していると、早いお子さんで1歳過ぎぐらいから人のまねをする行為が出てきて、2歳前後になるとかなり正確に人のまねをすることができるのです。この時期こそが鼻かみ訓練をするチャンスです。では、その月齢以上にあるお子さんにどのような訓練をしたら、うまく鼻かみができるかについて説明をしたいと思います。まず、鼻水が鼻の中にあって鼻づまりがある、あるいは鼻水がたれている状況がある時に、お子さんと向き合い次のように話してあげながら実践してみてください。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~○○ちゃん、ここ触ってみて、ママのここ(鼻の下)は何もついていないね!だけど、○○ちゃん、あるいは○○くんのここは、何かお水みたいなのが付いてきたね!これが、はなみずだよ!はなみずをきれいにして、きれいにしようね~!お口を閉じて(口をママの手でつまむようにして)、ふーんとしてみて・・・・ママが先にするからまねしてね! と言って保護者の方が、まずいは、鼻から息を強く出してみてください。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~言われていることが理解できる月齢にあるお子さんは、1度で言われる通りにできますが、何回か時間をかけてできるお子さんもいますので、1回に長い時間をかけて行うのではなく、興味がなくなったらやめ、また次の日に行うという時間をかけて行ってみてください。「今日はがんばったね、明日も練習しようね」と声をかけてあげましょう。この時、お子さんにも鼻息がみえるように、手鏡を鼻の下にかざし、ふーんとした時の鼻息をみせながら、徐々に強くふーんをすることを心がけると効果的なことがあります。また、入浴時は血行、体循環がよくなるため、鼻水が出やすいので、昼間の訓練を生かして練習をするとよいでしょう。少しでも鼻息が手鏡に出て白くなったり、鼻からふーんができた場合は、しっかりほめてあげましょう!これを繰り返すと、意外にも小さい月齢でも鼻かみができるようになるはずです。1度ご家庭で試してみてくださいね!続いては、【家庭でできる効果的な鼻の取り方】をご紹介します。何らかの原因(多くは風邪)で、鼻水、鼻づまり、咳き込んで夜間の睡眠を妨げてしまう状況がある小さなお子さんをお持ちの保護者に方なら、何とかしてあげたいと思ったことがあると思います。頻繁に行う必要はありませんが、あまりに鼻水が多くて、睡眠を妨げる場合は、一時的に鼻吸引をしてあげるとよいでしょう。鼻吸引を行う場合、鼻水の観察をしてください。鼻水は、出始めはサラサラとしたいわゆる水鼻がでます。続いて2~3日すると粘調な鼻が出て徐々に少なくなります。水鼻の時は、あえて鼻吸引はせず出た鼻水を小まめに拭き取ってあげるとよいでしょう。この時、乾いたティシュで強く何回も拭くと、鼻の下を傷つける形となり、炎症を起こしてしまいますので、ウエットティッシュで鼻をつまむようにして、出ている鼻水をとると、意外に嫌がらず拭かせてくれます。この時期は、上体を少し起こすような体位(頭を少し高くして斜めに寝かせる)をとるとよいでしょう。鼻吸引の対象となるのは、粘調な鼻水で鼻づまりが強くなり、苦しそうな呼吸をしている2~3日目です。1日の中で比較的鼻水が溜まりやすい時間帯は、朝起きた時、お昼寝から起きた時、入浴後が多いため、この時間帯に鼻吸引をしてみてはいかがでしょうか。特に入浴時は血行、体液循環がよくなり、鼻水が出やすくなっているので、鼻をつまむようにして出ている鼻水を2~3回とるとよいでしょう。また、少し月齢が立っているお子さん(1歳~ 早ければ8ヶ月ぐらいでもできる)は、少しお湯を手に取って顔にかけ、鼻をつまんで出ている鼻水をとるのも効果的です。ティッシュを「こより」にして鼻先に入れ、コチョコチョくすぐり、くしゃみをさせて出た鼻水を、鼻をつまんで取る方法もあります。家庭でできる鼻吸い器も、今はいろいろ工夫されたものが市販されているので、今この子にとってどれが一番よいのかを考え、購入されるとよいでしょう。次に、鼻吸い器を効果的に使用するための1つの方法をお話しします。まず、畳、ベットでもよいのですが、少し硬めの場所にバスタオルを敷、お子様の両手、足を包んでのりまき状態にし、保護者の方の手で吸う鼻の孔を開くようにし、副鼻腔(目の下の部分)をマッサージしながら、交互吸引すると、鼻水が取れますので行ってみてください。最後に、鼻吸いをがんばったお子さんに対して「がんばったね」と一言声をかけてあげると、より良いと思います。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 09Mar
    • 川崎病ってどんな病気?命にかかわる重篤な病気の一つです!【小児科医が解説!】

      川崎病って聞いたことがありますか?子どもの病気の中で意外と多く、適切に診断、治療をしないと、重篤な合併症を起こす可能性がある病気の一つです。「川崎病」の「川崎」とは、地名ではありません。1967年に川崎富作という医師が発見した、発熱、リンパ節の腫れ、手足の指先の皮膚の皮がむけるなどといった症状を伴う、子どもに特有の病気で、発見者の名前をとって、「川崎病」と名づけられました。日本人や韓国人などのアジア系の人種に多く発症すると言われています。原因については、まだはっきりと分かっていませんが、ウイルスや細菌に感染したのをきっかけに、人の免疫が過剰に反応し、全身の血管に炎症を引き起こしてしまうのではないかと言われています。【何歳くらいの子どもに発症しやすい?】ある研究では、3 歳未満の割合が、70%程度で、その中でのピークは、男児が月齢 6~8 か月、女は月齢 9~11 か月という報告があります。【どんな症状が起こるの?】特徴的な6つの症状があります。以下に挙げる6つの症状のうち、5つ以上がみられた場合と、4つの症状しかなくても冠動脈という心臓に栄養を送る血管に「こぶ」がみられた場合には、(定型)川崎病と診断します。また、症状は完全に、そろわないものの、他の病気ではないと判断された場合には「非定型の川崎病」とされています。【主な症状】① 5日以上続く発熱(38度以上)② 発疹③ 眼球結膜(白目の部分)が赤くなる(=充血)④ 唇が赤くなったり、舌がイチゴ状に赤くなる⑤ 手足の腫れ(熱が下がってから手足の指先の皮がむける)⑥ 首のリンパ節の腫れこの症状のほかに、BCG接種部位が赤くはれるという症状も特徴的です。その他にも、全身の血管の炎症が起きるために、関節の痛み、下痢などのお腹の症状などがあります。【どんな治療をするの?】発症した直後の急性期には、炎症を抑える治療が必要になります。この急性期にしっかりと炎症を抑えないと、心臓に栄養をおくる血管(冠動脈)に炎症が起こり、それが進行すると、血管に「こぶ」ができ、冠動脈に血の塊がつまり、「心筋梗塞」を起こしてしまうこともあります。具体的に炎症を抑えるためには、以下の治療法を選択します。① アスピリンの内服② γグロブリン(血液製剤)の投与③ ステロイドの投与④ 抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体(血液製剤)の投与⑤ 多価・酵素阻害剤の投与などこのような治療法から、病気のフェーズ、症状の程度などを考慮し、治療法を選択します。他にも有効な治療法について、様々な研究が行われています。多くの場合は、①、②の治療で炎症は抑えられるケースが殆どです。炎症がおさまった後には、心筋梗塞の予防、血栓ができるのを予防するため、血小板の働きをおさえるアスピリンなどの抗血小板薬を継続して服用することが必要です。また、心臓の冠動脈の様子をエコーにて、観察したり、心電図異常などがないかを定期的に観察していく必要があります。川崎病は、一見、風邪の症状と見分けがつない場合があります。子どもの症状の変化をしっかりと観察し、本日ご紹介したような、特徴的な症状がある場合には、その旨を主治医の先生にしっかりとお伝えください。川崎病を、治療せず、心臓の冠動脈に炎症が起こり、冠動脈瘤(血管のこぶ)ができてしまうと、心筋梗塞などを引き起こし、命を落としてしまうこともある病気です。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 06Mar
    • 子どもの「花粉症・アレルギー性鼻炎」増えています。~小児科医が解説~

      ここ最近、花粉が多く飛び始め、花粉症症状に悩まされている保護者の方々も多いのではないでしょうか。そして、お子さんもなんか最近、くしゃみや鼻水、目のかゆみが出てきて、「もしかして、花粉症??」と思っている保護者の方も多いのではないでしょうか。今日は子どもの花粉症について解説していきます。まず、お子さんの場合、本当に花粉症・アレルギー性鼻炎なのかどうかをしっかりと判断していくことが重要です。まずはポイントを5つ紹介します。① 鼻水が続いているだけでは、アレルギー性鼻炎と診断してはいけません。風邪をひきやすい年齢の場合には、風邪かアレルギーかをしっかりと判断しましょう。こどもは風邪を繰り返して鼻水が出ている場合が多く、その繰り返しにより症状が続いているように見えるため「アレルギー性鼻炎」と診断されている場合があります。② 季節性(花粉離散時期)、環境的要因(ハウスダストやダニなど)との関連を考慮して診断する必要があります。③ 温度の変化などで鼻水が出る場合には血管運動性鼻炎でアレルギー性鼻炎ではない場合が多いです。④ アレルギー性鼻炎の診断基準が設けられていますが、こどもには難しい検査もあり、はっきりとしたアレルギー性鼻炎の診断には、時間経過なども含めて慎重に行う必要があります。⑤ 安易にアレルギー性鼻炎と診断を受け、投薬を続けることは、薬の種類によっては、薬の副反応で成長が妨げられたり、学習に障害がでることもあります。これらを踏まえたうえで、アレルギー性鼻炎について解説していきます。~アレルギー性鼻炎とは~ハウスダストや花粉などで鼻の粘膜が刺激されて起こる鼻の反応を「アレルギー性鼻炎」といいます。最近では発症の低年齢化も進み、こどものアレルギー性鼻炎も多くみられると言われています。アレルギー性鼻炎は、命にかかわるような重篤な病気ではありません。しかし、鼻のかゆみ、鼻水が続くことが気になって、日常生活に集中できず、学習に支障をきたしたり、鼻が詰まって眠れずに、日中の生活に影響を及ぼすこともあります。こどもの特徴として、大人よりも風邪をひきやすく、さまざまなウイルス感染を繰り返す時期でもあります。風邪と呼ばれるウイルス感染でも、同様に鼻水が出て、くしゃみが出ることも多々あり、保育園、幼稚園、学校など集団生活をしていると、その風邪を繰り返すのもこどもの特徴です。つまり、風邪をひいているがために、鼻水やくしゃみが出ていて、それが繰り返されているため、長く症状が続いているように見えることがあるのです。本当にアレルギー性鼻炎で症状が出ているのか、ただの風邪の繰り返しなのかを見極めないと、不必要な治療が継続されてしまう場合もあるので注意が必要です。実は、クリニックを受診し「アレルギー性鼻炎」と診断されているお子さんの話を詳しく聞くと、ただの風邪の繰り返しであるケースも本当にたくさんあります。また、鼻炎の中にも「血管運動性鼻炎」という病気もあります。気温や体位などにより、体の環境が変わることで自律神経の調節の具合が変化し、鼻づまり、鼻水がでるという鼻炎もあります。鼻水が続く病気をすべてアレルギー性鼻炎として、判断してはいけないということになります。ここで、正しいアレルギー性鼻炎の知識、診断、治療を保護者の皆さんに知って頂こうと思います。~透明な鼻水が出る時にどんな病気が考えられるの?~ 透明な鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどがある場合には、以下のような病気が考えられるため、問診、診察、検査等からしっかりとどの病気に当たるのかを診断していく必要性があります。●感染による急性鼻炎(風邪をひいたときに出る鼻水)●アレルギー性鼻炎(花粉症などのアレルギーが関与する鼻水)●血管運動性鼻炎(周囲の環境に鼻粘膜の局所自律神経つまり、無意識に作用する神経が過敏に反応して症状が生じます。主に寒い、温かいなどの温度の変化が引き金となって発症することが多いと言えます。例えば、朝暖かい布団から抜け出た直後からくしゃみ・鼻水などの症状がしばらく続き、食事を終え出勤・登校・登園の頃になると症状が改善し、周囲の温度に慣れてくると症状が治まってくるという状態をいいます。逆に、夜布団に入って暖まってくると鼻づまりなどの症状がしばらく続き、暖かい居間からヒンヤリとした台所へ移るとくしゃみが出たり、暑い戸外から冷房の効いた室内に入ると「さわやか」に感じるよりむしろ鼻がズルズルと不調になるなども同様の血管性運動性鼻炎にあたります。)●好酸球増多性鼻炎(好酸球増多性鼻炎はアレルギー検査は陰性ですが、鼻水に好酸球という免疫細胞がかなりの増加している疾患のことです。)●職業上の刺激物による鼻過敏症(物理的、化学的な刺激により鼻炎が起きたものをいいます。職業性にみられることが多いです。)くしゃみ、鼻水、鼻づまりを症状とする病気は、大まかに上記のような原因に分けられます。その中でも、「感染性の鼻炎」「アレルギー性鼻炎」「血管運動性鼻炎」が多いとされています。~アレルギー性鼻炎の診断~アレルギー性鼻炎は以下の診断基準満たすものとされています。①鼻水(鼻汁)中の好酸球が陽性②抗原特異的血清IgE抗体検査の陽性または皮膚試験が陽性③鼻粘膜抗原誘発検査の陽性:アレルゲン(抗原)を染み込ませたディスク(ろ紙)を鼻腔内の小鼻の内側にあたる下鼻甲介粘膜に置いてアレルギー反応として (1)くしゃみ・鼻掻痒感、 (2)下鼻甲介粘膜蒼白腫脹、 (3)水性分泌のうち2つ以上の症状が見られる。こどもに、この診断基準を使用するなら、①と②が現実的です。このほかに問診から、症状が出る状況をしっかりと把握することも重要です。こどものアレルギー性鼻炎は①通年性の鼻のアレルギーが多く、多種のアレルギー物質に反応している②自然に良くなりにくい③喘息、副鼻腔炎の合併が多い④症状の表現が不明確といった特徴があります。これを念頭に置きながら診断する必要性があります。また、症状の表現が不明確なため、症状の客観的評価を問診などから行い、更に鼻鏡検査や鼻水の好酸球検査、皮膚試験、血液検査などを組み合わせて診断する必要性があります。この手順を踏まないと安易に「アレルギー性鼻炎」という診断になり、不必要な投薬を受ける可能性が高くなります。医師だけではなく、保護者の方がこのような診断過程を知っておくことで、正確な診断と適切な投薬につながります。~アレルギー性鼻炎の診断の流れ~①問診②鼻鏡による鼻粘膜の観察③鼻汁好酸球検査、血液検査or皮膚試験、鼻粘膜抗原誘発検査(ここは実際には行わないことも多いです)④治療開始もしくは経過観察この診断の流れで、大事なポイントを解説します。まず問診では、●どのような時に鼻水が出ているのか(季節性、時間帯はどうか)→アレルギー性か血管運動性の鑑別●環境要因がどれだけ影響してるか(温度差の影響はないか、ほこりが多いころで症状が増悪していないか)→アレルギー性か血管運動性の鑑別●風邪はひいていないか→感染性の鼻炎の鑑別●家族にアレルギー疾患の方がいるか→アレルギー性鼻炎の遺伝的な要因の考慮●喘息、食物アレルギーなどの他のアレルギーの既往はないか→アレルギー素因の考慮といったポイントで問診を行うことで、鼻炎の鑑別に役立ちますので、是非医師には上記の内容を積極的に伝えてください。次に検査です。鼻鏡で鼻粘膜の観察し、アレルギー性鼻炎だと、粘膜が青白くふくらんでいたり、鼻水が粘膜の周りを覆っていたりします。鼻汁好酸球検査は、風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎の症状を見分ける検査です。スライドガラスに鼻水をとり、試薬を加えて好酸球の数値を調べます。好酸球の数値が増加しているとアレルギー性鼻炎と診断されます。皮膚反応検査は、抗原を特定する検査です。抗原液を注射したり、ごく浅い傷を作って抗原液をたらす等をして、皮膚の反応をみます。抗原に対する抗体を持っていると、かゆみや腫れなどの症状が現れます。検査結果に影響を及ぼすため、薬を服用している場合は必ず医師に相談することが必要です。血中特異的IgE抗体検査は抗原を特定する検査で、採血し、抗原に対する抗体の有無を調べます。鼻粘膜誘発テストは抗原を特定する検査です。抗原を染み込ませたろ紙を鼻粘膜に置いて反応をみて、くしゃみや鼻水などの症状が現れることによって、抗原を特定します。これらのうち、鼻汁好酸球検査、皮膚反応検査、血中特異的IgE抗体検査がこどもでは実施可能な検査になります。このテストなどは、実際には手間もかかるため、行わないことも多く、臨床症状などから判断し、治療をし反応を見て、診断することもあるのが現状です。これらの問診、検査をもとに診断し、日常生活にどれだけ支障が出ているかを考慮しながら、まずは、抗原と接触しないようにする生活環境の整備の指導を行い、それでも症状が改善されないようであれば、内服薬のメリット、デメリットを十分説明した後に、治療を開始します。こどものアレルギー性鼻炎は年々有病率が上がっていると言われていますが、必ずしも「鼻水が続いている=アレルギー性鼻炎」ではありません。アレルギー性鼻炎ではないのに、抗ヒスタミン薬を長期的に飲んでいるお子さんも目にします。抗ヒスタミン薬は、中枢抑制の副作用としては、「インペアード・パフォーマンス」という、気づかれにくい、能力の低下が注目されています。集中力、認知能力、作業効率、勉学能率、運動能率などが、抗ヒスタミン薬が脳内に移行することで、本人が気づかない間に、障害されていることがあります。学童期の患児へ抗ヒスタミン薬を投与する場合には、学習能力や勉学能率の低下にも注意する必要があります。発育途中のまだ未熟な小児期に抗ヒスタミン薬を長期に使用する場合は、悪影響を及ぼす可能性があるため、、脳内へ移行しにくい新しいタイプの抗ヒスタミン薬の内服が推奨されます。ただし、風邪の鼻水に対する抗ヒスタミン薬は小児においては推奨されておりませんので、適切な診断は必要になります。しっかりとした問診、診断過程を踏むことで正確に診断し、本当に必要な治療をすること大事です。特にアレルギーに使用する抗ヒスタミン薬は副作用もあるお薬ですので、適切な診断と処方が必須です。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 20Feb
    • 【必読!】小児科医が抗生剤をほとんど出さなくなる日が来る?!

      今日は、ここ最近、話題になっている「抗生剤の適正使用」 について解説してみたいと思います。平成30年は、医療機関における診療の価格を決める診療報酬制度の改定の年で、つい最近、その詳細が発表されました。そこで衝撃的だったのが、「小児抗菌薬適正使用支援加算」が新設されたことです。今回の診療報酬改定で、小児科では、抗生剤の処方が激減する可能性があります!【詳細】急性上気道感染症または急性下痢症により受診した小児であって、初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しないものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合に算定する。なお、基礎疾患のない学童期以降の患者については、「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した療養上必要な説明および治療を行っていること。【施設基準】感染症の研修会等に定期的に参加していること。病院においては、データ提出加算2を算定していること。つまり、本来、抗生剤が効かない急性上気道感染症(いわゆる風邪)や急性下痢症(おなかの風邪)で、抗生剤は必要なく、症状に応じたケアで対処でき、ホームケアの仕方を説明すると、病院、クリニックは、80点=800円円の診療報酬がもらえるというものです。抗生剤使用については、医療従事者と患者さんやそのご家族の間で、知識、理解の差がありました。具体的には、医学的にウイルス性の病気には、抗生剤(正確には、抗菌薬)は効かないので、抗生剤の処方の必要はありませんが、抗生剤が感染症に対する万能薬みたいなイメージが、日本では広がっているために、患者さんから処方してほしいと言われると、医師は、処方を余儀なくされることがあったわけです。「本来、抗生剤が効かないものであれば、処方しなければいいんじゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、実際の医療現場では、ウイルス性の風邪に抗生剤が効かないことを説明するのには、非常に手間と時間がかかり、医療機関としてリスクも伴います。日本の常識で風邪をひいたら抗生剤を飲むという間違った常識が広まっているため、抗生剤を出さないと、医師と患者さんの間で、「薬を出してくれない」とか「抗生剤飲んだら治るのに、誤診だ」とか言ったトラブルが起き、更には、それが周りへの悪評として流布されてしまうリスクも高く、本来の適切な医療を提供することができない現状がありましたし、今もあります。ただ、すべてがそういう医療機関ではなく、不必要な抗生剤は処方しない方針で運営してきた医療機関も多数あります。そんな中で、平成30年診療報酬改定で、日本という国として、小児科では、不必要な抗生剤使用を減らすために、「抗生剤を使用しないでよいことを適切に説明した場合」に診療報酬をつけるという明確な方針を出しました。この「小児抗菌薬適正使用支援加算」が新設されたことによって、小児科を標榜する医療機関の処方パターンは大きく変わる可能性が高いと思います。医療機関が、「もらえるお金」によって治療方針や診療行為が変わるという事実はあまり、理想的ではないことではあるものの、現実問題として、報酬がもらえる方に行動が変わるのは致し方ないことだと思います。さらに、その変化が、患者さん、そして世の中にとって良いことになるのであれば、診療報酬という医療経営を左右する経済的な施策により、医師の行動を変えていくというのは、非常に理にかなったことであると思います。この「小児抗菌薬適正使用支援加算」により、今まで、風邪に抗生剤を処方していた医療機関が、一気に「抗生剤は必要ない」と言い出す可能性が高いのです。その際に、大きな混乱をきたすのが、今まで抗生剤の処方を受けていた患者さんやそのご家族だと思います。「今までは風邪の時に必ず、抗生剤を出してくれていたのに、急にいらないと言われた。。。」と思う方がが多く出てくるのではないのかなと懸念しています。今回のことが、示唆するものとして、世の中の常識的なものとして、行われてきたことが、制度が変わることで、一気にその常識が変わってしまうことがあるということだと思います。(正確には、実際にその加算が新設されて、どうなるかを追っていかなくてはいけませんが。。。)つまり、抗生剤に限らず、今、みなさんが受けている医療も、実は、さまざまな事情により、本来適切ではないものである可能性もあるわけです。ご自身が受けている医療が適切であるかを判断するためには、やはり、医療を受ける方々のヘルスリテラシーを上げ、自分自身で判断できる能力を高めること、更には、そもそも医療を必要とする機会自体も減らすことが必要なのだと思います。抗生剤がここまで濫用されてきた理由としては、薬を売る必要のある企業の問題、薬を処方する医療機関の問題、医療を受ける患者さんの問題、医療制度をつくる機関の問題、それぞれの歴史・経緯・背景があったのだと思います。ただ、ここ最近は、本当に必要なこと、将来に向けて必要なことが、医療のおける様々な場面で、制度となり、施策となって実現されていると思います。今回の診療報酬改定の「小児抗菌薬適正使用支援加算」の新設は、医療界にとっては、一つの風穴のように私は思います。そんな中、医療を受ける患者さんが混乱が起こらないように、医療従事者として、より多く医の人に適切な情報を届けていきたいとあたらめて思いました。参考までに過去に私がかいた抗生剤関連の記事をご紹介します。【必要ない抗生剤処方が繰り返される仕組み】https://ameblo.jp/dr365/entry-12210927261.html【風邪をこじらす前に抗生剤内服をすることは有効?】https://ameblo.jp/dr365/entry-12211785741.html今日は、少し趣向を変えて、診療報酬制度から、小児医療について解説してみました。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 05Feb
    • 離乳食開始前にアレルギー検査はした方がいいですか?~症状を観察することが大事です~

      今日は、アレルギーについて、よくご相談をうける、「離乳食前のアレルギー検査は必要か」ということを解説していきます。まずは、アレルギーの基礎知識とアレルギー検査について、そして、離乳食の進め方について説明します。【概要】① アレルギーってどういう病気?・外からきた異物に対して体が過剰に反応して、皮膚や呼吸器、目のほか全身に症状を引き起こすことをいいます。② 食物アレルギーの診断は?・食べた後に皮膚に蕁麻疹や湿疹、ゼーゼー、顔色不良などの症状がおこることによって診断します。・血液検査(IgE抗体)がありますが、結果が高くても食べられる場合もあれば、逆に低くてもアレルギーを起こすこともあり、検査結果だけでは診断できず、あくまでも症状による診断の補助になるものです。③ 離乳食開始の前に検査は必要?・必要ありません。・お子さんの食物アレルギーで症状が出やすいものとして、卵、小麦、牛乳、大豆などがあります。これらを含め、初めて食べるものは、加熱、加工されたものをひとさじから始め、様子を見ながら増量してください。何かあったときにはすぐ受診できるように、平日の日中に始めるのが良いでしょう。それでは詳しく解説していきます。アレルギーは体の中の免疫が外から入ってきた異物に対して過剰に反応し、さまざまな症状を引き起こすことをいいます。アレルギー性鼻炎(鼻水が出る)、アレルギー性結膜炎(目がかゆい、目が充血する)、気管支喘息(ゼーゼーする)、食物アレルギー(摂取後の皮膚症状:蕁麻疹・湿疹、呼吸症状:ゼーゼーする、循環器症状:顔色不良、血圧低下)、アトピー性皮膚炎などが挙げられます。近年アレルギーを持つお子さんは増加傾向にあります。正確にアレルギーを診断し、適切な治療を行うことが重要です。食物アレルギーをはじめとしたアレルギーは、症状から診断することが原則です。症状があって初めてアレルギーと診断できます。「今まで症状は出たことないけれど、アレルギーが怖いから、血液検査をしてください」と来院される方が多くいらっしゃいます。しかし、アレルギーの診断は「症状」から診断しますので、血液検査だけでは、アレルギーの診断はできません。「いつ、どのような状況でどのような症状が出たのか」ということが、アレルギーの診断で一番重要なポイントなのです。もうひとつ重要なことは、血液によるアレルギー検査はあくまで参考程度にすぎないということです。具体的にどういう意味かというと、ある物に対する血液アレルギー検査(IgE抗体)が陽性であっても、必ずしもそれを食べた、それに触ったからといって症状が出ない場合があること、逆にアレルギー検査で陰性でも、その物質を食べたり触ったりしてアレルギー症状が出てしまう場合があるのです。つまり、血液検査の結果だけからアレルギーであることを診断を確定することはできないのです。アレルギーは症状から診断することが必須です。また、血液によるアレルギー検査にはたくさんの項目があります。百種類以上の項目をすべて検査するわけにはいきませんので、何か症状があり、原因であろう物質を、症状やその症状が出た状況から判断し、的を絞って検査する必要があるのです。アレルギーについてご相談の際は、「いつからどのような症状があるのか、どのような時に悪化するのか」という状況が重要ですので、お子さんの状況をよく観察したうえで医師にお伝え下さい。正しい診断は日々のお子さんの観察から始まります。アレルギーに関してもう一つご質問いただく内容として多いものが「食物アレルギーがあるかもしれない場合の離乳食の進め方」です。また「離乳食前にアレルギー検査をしたい」というご要望をよくいただきます。この内容に関しても、アレルギーは症状から診断するということが基本となります。離乳食を開始する際には、まだ食べたことのないものばかりです。その中から、食べさせるものをすべて血液検査することは不可能ですし、その必要もありません。離乳食の開始にあたっては、まず米(おかゆ)を最初はひとさじから与えて、慣れてきたら、野菜やイモ類、大豆、魚とすすめていくのが標準的です。初めて食べるものについては、加熱・加工されたものをひとさじから始め、様子を見ながら増量してください。お子さんの食物アレルギーで症状が出やすいものとしては、卵、小麦、牛乳、大豆などがあります。これらを開始する際にはできるだけ、平日の日中に始めるのが良いでしょう。なにか体調に変化があった時に、すぐに医師に相談できるからです。さらに従来アレルギーの原因となりやすいといわれている食物については、開始を遅らせることが推奨されていましたが、現在では遅らせることでアレルギー発症のリスクを下げるという根拠はないので、開始時期の範囲内で進めていくことになっています。ここ最近アレルギーに関して過剰に反応する保護者の方が多く見受けられます。症状が出ていないのにもかかわらず、血液検査を実施し、その結果をみて、離乳食の食品に制限をし、偏った栄養摂取となっている場合があります。適切な栄養をとるためにも、過剰な食品の除去は逆にお子さんの健康に害となります。アレルギー症状がご心配で新しく離乳食の品目を増やす場合には、適切な時間帯に少量ずつ摂取させましょう。何かしら症状が出た場合には、その症状をよく観察し医師にご相談ください。アレルギーは症状から診断していきます。いつ、どのようなアレルギー症状が出ているのかを正確に把握し医師にお伝えいただくことが正確な診断と治療につながります。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 30Jan
    • 子どもの病状は変わりやすい!医師と保護者の共同作業で子どもたちを守りましょう!

      今日は、子どもの病状は変わりやすいということをお伝えしたいと思います。子どもは、大人と違い、ご自身の体調をしっかりと伝えることができなかったり、体調のコントロール(少し調子悪い時には休むなど)が難しかったり、体の恒常性(外部の環境の変化に対して、自分の体を一定に保つ能力)が大人よりも未熟なため、急激に体調が変化することが多いのが特徴として挙げられます。小児科医からお子さんの病気を理解したり、ケアをしていく上で、保護者の皆さんに十分に理解していただきたいことがあります。お子さんの健康を守る上でとても重要ですので、以下の2点を是非、保護者の皆さんに知っておいていただきたいと思います。① 症状の経過をみることで診断がつく病気があるということ② 受診時に特に重篤な症状がなくても時間とともに変化し、症状が悪化する場合があること病気が引き起こす症状は時間とともに変化します。症状の出始めで受診した場合と、ある程度症状が出そろった段階で受診した場合では診断が異なることがあります。お子さんはご自分で症状が訴えられない場合が多いため、病状の変化が分かりにくいこともあります。受診時に状態が安定していても、ご帰宅後に状態が悪化する場合もあり、経過を見ていくことで病気の診断がつくこともあります。病気というのはただ単に一回の診察で診断がつかないことも多くあります。初めは軽い症状でもそれが変化し、新たな症状が出たり、症状の程度が変化することで診断がつくこともあるということを十分にご理解ください。どのような時に再度受診をした方が良いのかを、症状別にご説明します。① 熱ウイルス感染による風邪の熱の多くは4~5日以内に改善することがほとんどです。もし、4~5日以上、熱が続く場合には必ず再度受診し、熱の原因に関して重篤な疾患が隠れていないかどうか診察を受けていただくことをお勧めします。熱以外にも意識状態が悪くもうろうとしている、痙攣をしている、などの症状がある場合には必ず早めに受診するようにして頂くとよいと思います。② 咳・ 顔色が悪い・ 咳込んで呼吸困難感が強い・ 息を吐くときにヒューヒューという高い音が出る・ 安静にして息をしているのにもかかわらず息を吸うときに息が詰まってしまいそうな呼吸をしているまだ授乳中のお子さんであれば、・ 咳込んでミルクや母乳がほとんど飲めない・ 立てつづけに咳をして呼吸がしづらそう・ 息を止めてしまうこのような状態があるなどの場合には、受診をお勧めします。初めは、「風邪による咳」と診断をしていても、経過中に病状が悪化し、気管支炎、肺炎を発症してる場合もあります。咳が続いていて、状態が悪化している時には必ず再度受診するようにしてください。受診後に症状が変化していくことがあることを十分に理解してください。③頭痛頭痛の原因として重篤なものに、頭の中(脳や脳を取り巻く血管)の出血(脳の中の血管の奇形からの出血、頭をぶつけたことによる外傷が原因の出血など)、腫瘍、血管の詰まり(脳梗塞)、脳を取り巻く髄膜にウイルスや細菌が感染する髄膜炎、脳自体に病原体が感染し、炎症や免疫反応をひきおこす脳炎・脳症などがあります。これらも、発症初期には軽度の頭痛のみが症状として出ている場合があります。来院時には神経学的な異常所見がなくても、病気が進行するにつれて症状が悪化し、そこで初めて診断がつく場合があります。頭痛がどんどん悪化し泣き叫ぶほどの頭痛を訴える、嘔吐の回数が増える、顔色が悪い、手足の動きが悪くなる、意識がもうろうとしている、痙攣をしている、などと言った場合には緊急で救急病院を受診するようにしてください。今回挙げた例は、ごく一部ですが、お子さんの病状に関しては、注意深い観察が必要です。受診時には出現していなかった症状などが、後になって顕著になり、診断につながる場合もあります。お子さんの診断には、小児科医の力だけではなく、お母さんとお父さんをはじめとした保護者の方の協力が必要なのです。是非、力を合わせ子どもたちの健康を守っていけたらと思います。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 29Jan
    • 子どものワクチン、一回で何本まで打っていいの?~ワクチンの同時接種について~

      昨今、ワクチンの種類が増えて、一度に数本のワクチンを接種することもあるかと思います。そんな時に、同時のこんなにたくさん打っていいのかないいのかな?と不安になることはありませんか?今日は、ワクチンの同時接種について解説します。【概要】同時接種すると効果は大丈夫?・全く問題ありません。海外ではむしろ同時接種が一般的で、ワクチンの有効性や副反応について、同時接種と単独接種では差がないことが科学的に証明されています。同時接種は危険なの?・ワクチン同時接種の安全性については、日本小児科学会が次のように意見をまとめています。①複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種した際の、それぞれのワクチンに対する有効性→複数のワクチン接種によって効果が減少することはない。②複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種した際の、ワクチン接種の有害事象、副反応→複数のワクチン接種によって有害事象、副反応の頻度が上がることはない。何種類まで同時接種できるの?③同時接種において、接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数こちらも日本小児科学会が次のように意見を表明しています。→本数に原則制限はない。同時にいくつもの接種をしても問題はない。では、詳しく解説していきます。保護者の皆さんから、「複数のワクチンを同時に接種すると、どんな問題がありますか?」という質問をよく受けます。答えは、「全く問題ありません」です。乳幼児期に受けるべき重要なワクチンは、BCG、四種混合、MR、ヒブ、肺炎球菌など他にも数多くあり、接種回数も複数回に及ぶため、赤ちゃんの体調の良い時を狙って1回1種類ずつ個別に接種していくのは、かなりの時間的な制約と負担になります。日本では従来、1回に1種類のワクチン接種という厚生労働省の予防接種実施要領があり、医師は特別な事情がない限り、同時接種を控えるといった傾向がありました。しかし近年、ワクチンの種類が増えてきたこと、夫婦共働きやこどもの習いごとや塾通いの増加などのライフスタイルの変化によって、複数のワクチンを単独で接種するための時間を作れず、接種率が低下するという問題が生じています。こうした親の負担を軽減するためにも、同時接種を推進する動きが高まっています。そんな矢先、2011年2月、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンなどを同時に接種した乳幼児の死亡例が7件報告され、同時接種に対してさらに不安を感じられた方も多いと思います。しかし、その後の詳しい調査の結果、ワクチンの品質に問題はなく、同時接種と死亡の明確な因果関係は認められませんでした。死亡した7名の患者のうち3人には心臓病などの基礎疾患があり、また他の患者についても乳幼児突然死症候群や感染症が死因である可能性があることがわかりました。つまり、基本的には同時接種したからといって、単独接種でも起こる可能性のある副反応のリスクが高まるわけではないということです。ワクチンの同時接種については、その子の基礎疾患や接種時の体調などを見た上で判断いたします。どうしても心配な方は、一回ずつの接種ももちろん致しますので遠慮なくご相談下さい。ワクチンによって命にかかわる重篤な疾患が予防できます。そして、ワクチンによって多くの命が救えます。適切な時期に適切な予防接種を受けることが重要です。ワクチンの重要さをよく理解し、お子さんが重篤な疾患にかかるのを予防しましょう。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 20Jan
    • アナフィラキシーって何??~命を救うエピペンについて~

      アレルギーを持っているお子さんにとって、一番怖いのが、「アナフィラキシーショック」という、命に係わる病態です。今日は、アナフィラキシーについてと、その病態を救うエピペンについて解説します。【概要】・アナフィラキシーはアレルギー症状の一種で、特に重篤なものを指します。・アナフィラキシーかどうかは、症状や状況を詳細に医師に伝え、適切に診断することが重要です。・過去にアナフィラキシー症状が出現したことがある場合には、エピペンの処方適応となります。・エピペンは劇薬ですので、処方基準を満たした場合にのみ処方を受けることができます。アナフィラキシーとは、急激に発症する全身性かつ重度なアレルギー反応の一つです。アナフィラキシーは、食べ物や蜂毒などアレルゲンと呼ばれるものを口から摂取、皮膚に接触、時には注射や呼吸によって体内に入り込むことで引き起こされる可能性があります。 アナフィラキシーで見られる症状には以下のようなものがあります。●呼吸困難(呼吸促拍)●血圧の低下●意識の消失●蕁麻疹●皮膚が赤くなる●むくみ(口唇、顔面、首、咽喉がはれる)●嘔吐、下痢●腹痛そして、2つ以上の臓器にこれらの症状が出た場合にはアナフィラキシーと定義されます。たとえば、①全身に蕁麻疹が出て、更に呼吸が苦しい=皮膚+呼吸器系の症状②全身に蕁麻疹が出て、顔色が悪く、気分が悪い=皮膚+循環器系の症状③全身に蕁麻疹が出て、頻回に嘔吐し、腹痛がある=皮膚+消化器系の症状といった具合です。ただ消化器系に関しては、アレルゲンを摂取後、1回だけ嘔吐したなど症状が軽微な場合には、アナフィラキシーとは呼びませんので注意が必要です。このようなアナフィラキシー症状は重篤なアレルギー症状であり、生命に危険が及ぶ場合がありますので、早急な対処が必要な場合があります。もっとも重篤な場合には、アナフィラキシーショックという状態になり、急激に血圧が下がり、心停止する場合があります。この様な重篤なアレルギー症状が出た場合には、「アドレナリン」の投与が必要になります。そこで必要となるのが「エピペン」になります。エピペンは、ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される医薬品で、アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者が常備することで、発症の際に医療機関へ搬送されるまでの症状悪化防止に役立ちます。エピペンは劇薬であり、必要な患者さんに医師の適切な診断のもと、処方されるべき医薬品です。エピペンの処方基準は、●過去にアナフィラキシーを呈したことのある患者さん●アナフィラキシーを起こす可能性が高い患者さんと決められています。アナフィラキシーを起こす可能性が高い患者さんとはどのような患者さんのことかと言うと、「卵のアレルギーがあり、クッキーなどの卵が入っている加工品を少量食べただけでも、全身に蕁麻疹が出てしまう」ような患者さんのことを言います。この様な場合、卵自体を何らかの機会に摂取してしまうとアナフィラキシーを起こす可能性が高いと判断できるわけです。過去に蜂に刺されて強く腫れた、幾つかの食物アレルギーがある、血液検査で幾つかアレルギー反応が陽性である、アトピー性皮膚炎がある、気管支喘息があると言っただけでは、エピペンの処方基準となりませんので、ご注意ください。また、エピペンはアナフィラキシーには大変有効な薬剤ですが、劇薬でもあるため上記の基準を満たさない場合は処方いたしません。不安だから処方してほしい、自費でいいから処方してほしい、と希望されても医師が処方することはできません。また、過去に蜂に刺されたことがある場合は、一度蜂毒の抗体検査を実施します。そして陽性の場合は、2回目以降に刺されると蜂毒に起因するアナフィラキシーが出現する可能性がありますので、エピペンの処方の適応になります。ただし、すべての患者さんに対し、適応となるわけではないため、今後の生活の状況など医師と相談の上、処方となります。エピペンは劇薬ですので、アナフィラキシーに対しては有効な薬剤でありながら、危険な医薬品でもあります。処方を受ける際には十分な使用方法の説明を受け、適切に使用することを心がけましょう。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 19Jan
    • 子どもが車に酔いやすい!子供の乗り物酔いの対処法を解説!

      お子さんを車やバスに乗せるたびに、具合が悪くなってしまってお困りの保護者の方のご相談を受けることがあります。乗り物酔いについて今日は解説します。【概要】●子どもに対して、病院で出すことのできる乗り物酔いの薬はありません。●「酔うかも」という不安が症状の出現に大きな影響を及ぼします。●乗り物酔いがひどくならないようにするための工夫を行い、お子さんと 一緒に心と体の準備をしましょう。〜乗り物酔いとは〜乗り物酔いは、船、自動車、飛行機などに乗った時に生じる、吐き気、嘔吐、あくび、生唾、顔面蒼白、冷や汗といった自律神経失調症状のことをいいます。2-3歳ごろから起こり始め、年齢が上がるとともに増えていき、小中学生の約40%が乗り物酔いになりやすい状態にあると言われます。12-15歳をピークに、症状が出なくなっていきます。症状は、乗り物から降りるとともに回復しますが、楽しいはずの遠足などの行事が気の重いものとなり、子どもにとって大きな負担となることがあります。適切な対処法を理解しておくことが、子どもの心理的、身体的負担を軽減させることにつながります。〜乗り物酔いはどうしておこるの?〜詳しくはわかっていませんが、内耳に伝わる連続的な揺れ(加速度刺激)と、目に映る周りの景色などの視覚刺激、体の筋肉で感じる知覚などとの調和がとれなくなり、感覚に混乱が生じると、自律神経失調状態となり乗り物酔いが起こると言われています。〜乗り物酔いに効く薬はあるの?〜子どもに対して病院で出すことのできる乗り物酔いの薬はありません(成人用の薬を割ったりして使用しますが、適応外処方となります)。薬局などで販売されているお薬の中には、就学前の子どもにも使用できる酔い止めが存在します。購入される場合には、薬剤師さんに相談し、適応年齢かどうかを確認するようにしましょう。これらのお薬には、抗ヒスタミン剤という、少し眠くなる成分が入っています。めまいをやわらげる作用の他、不安症状を緩和し、鎮静する効果を狙っています。また、副交感神経遮断作用により吐き気を抑えるスコポラミンの他、中枢神経系を興奮させるキサンチン誘導体、テオフィリンなどが配合されていることがあります。これらの成分の中で、乗り物酔いに有効である、という証拠があるのは、スコポラミンのみです。抗ヒスタミン剤は眠気を引き起こすため、乗り物から降りた後もぼんやりしたり、眠くて活動性が低下するおそれがあります。乗り物から降りた後、どんな活動をするかによって、お薬を飲んだ方が良いかどうか判断するとよいでしょう。酔うかもしれないという心理的不安は、実際の症状出現に大きな影響を与えます。お薬を飲ませるときには、これで安心、という雰囲気を出すようにしたほうが効果的です。〜乗り物酔いがひどくならないようにするための工夫〜先に述べたように、酔ってしまったらどうしよう、という不安は、実際の症状が出るか出ないか、症状の重さ、回復のスピードなどに大きな影響を与えます。こうすると症状が出にくい、という工夫を知っておくことは、酔わないために、また酔ってしまってもひどくならないために、とても大切です。以下に挙げたチェックポイントを、お子さんと一緒に一つ一つ確認し、お出かけ前に心と体の準備をしておきましょう。・睡眠をしっかりとる・空腹、食べ過ぎの状態で乗り物に乗らないようにする・なるべく進行方向を向く・前方に見える、遠くの静止した景色を視野の中心に据えて眺めるか、眼を閉じる・頭をむやみに動かさず、体をできるだけ安定させる・読書、ゲーム機や携帯電話の操作などはさける・バスの場合、揺れが少ない車両前方に座る・酔うかもしれないという心理的不安を軽減させるために、音楽を聴いたり、眠ってしまう・万一吐いてしまった時のために備え、吐物を入れる袋、タオル、着替えを用意しておくキャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 18Jan
    • 意外と多い子どものアタマジラミ!~解説とその対策~

      子どもたちが集団生活をしていると、時々出会うのがアタマジラミです。今日はアタマジラミについて解説します。【概要】●アタマジラミは人の頭髪に寄生して、頭皮から吸血することにより、ひどいかゆみを生じる感染症です。●アタマジラミにかかってしまったら、根気よく①毎日の洗髪、②毎日梳き櫛で、髪をとく、③身の回りの物を共有しないようにすることが大切です。それでは詳しく解説していきます。アタマジラミって何? アタマジラミは、人の頭髪にだけ寄生して、吸血をすることにより、頭皮のひどいかゆみを生じさせる寄生虫症です。成虫は2~4ミリ大で灰色か黒灰色,脚で頭髪にしがみついて動き回ります。成虫・幼虫どちらも吸血します。卵は0.5ミリ大で白色です。頭髪の片側にしっかりと付着しており、引っ張ったぐらいでははがれません。卵は1週間から10日で孵化します。成虫・幼虫ともに頭皮から吸血をして、生存しているので、頭髪を離れ,吸血をしないと約3日間で死んでしまいます。 アタマジラミからウイルス感染症などの病気がうつることはありませんが、ひどいかゆみを起こしてかきむしることにより、とびひ(伝染性膿痂疹)を起こすことがあります。どのようにして感染するの? アタマジラミは、毎日洗髪し、頭皮をきれいにしていても感染します。「不潔だから感染した」と言われることがありますが、決してそういうわけではありません。アタマジラミは感染している人の頭が、別の人の頭と接触したり、感染している人の身の回りの物(寝具・帽子・タオル・ブラシなど)を共用することなどで、直接、アタマジラミが別の人の頭に移動することで感染します。アタマジラミはどのようにして診断するの? 髪の毛に付着している成虫をみつけることで診断に至ります。成虫は2~4ミリ大で灰色か黒灰色ですが、俊敏に動きまわっており、虫の数が少ないと見つけることは困難なことがあります。卵は頭髪の片側にしっかりと付着しており、耳の周囲から襟足にかけて多く付着しています。卵は0.5ミリ大で白色で、引っ張っても簡単にはとることができません。髪の毛に白く付着しているものは、卵のほかにふけであったり、毛根部の皮膚がリング状に抜けたヘアーキャストなどがありますが、これらは簡単に除去することができる点で、卵と見分けることができます。 ご自宅でしっかり成虫をみつけることができれば、小児科や皮膚科に受診する必要はありません。シラミ駆除は家庭でできますし、シラミ駆除薬品は市販のお薬しかないからです。成虫が見つからず、卵かどうかわからないときは、皮膚科の先生にお願いして、実際に卵を顕微鏡で見て確定診断をすることもあります。アタマジラミをみつけたら 必ずしもシラミ駆除医薬品を使用する必要はありません。下記の①~④方法で対応することができます。①毎日洗髪をする洗髪をしっかりすることで、アタマジラミの成虫や幼虫は洗い流すことができます。卵は髪の毛にしっかりくっついているので、洗髪では除去することができませんが、卵は1週間ぐらいで孵化しますので、洗髪を毎日行うことですべて洗い流すことができます。ただし、お子さん任せに洗髪をさせると不十分になりがちなので、しっかりと大人が洗ってあげるようにしましょう。②毎日梳き櫛で髪をとく 梳き櫛が必要です!梳き櫛をすることで、成虫、幼虫以外に卵を取り除くことができます。梳き櫛が手に入らない場合はできるだけ目の細かい櫛を使っていただくとよいですが、除去効率は梳き櫛より劣ります。櫛でとく際に、成虫が周囲に飛び散らないように準備をしましょう。お子さんにレインコートを着せ、ビニールシートを床に敷き、その上に座らせて行うと後片付けがしやすいです。洗面桶に水をはり、櫛を濡らし、髪の毛を小分けにして、根元から先端まで丁寧にとかします。一回とく毎に櫛に成虫がついていないかを確認し、ついている場合は櫛を桶で洗います。同じ場所を2~3回は櫛でとくとよいでしょう。髪をすべてとかし終わったら、ビニールシートの上でコートを脱がせ、服をはけで払い、最後にシートの上、床に掃除機をかけて終了です。少し大変ですが、これを10日間続けましょう。③身の回りの物を共用しないようにする周りに移さないようにするためにクシ・タオル・帽子・マフラー・衣 類・寝具などは専用のものとし、共用は避けるようにしましょう。また、衣類には成虫がついていることがありますので、一度使用した衣類はビニール袋などにいれ、家族の方と衣類とわけておくようにしましょう。また、寄生されている人は寝具、衣類、タオルなどに、成虫が付着している可能性がありますので、一度使用したものは、再度使用せず取り換えるようにしてください。洗えるものは毎日洗うようにし、洗えないものは外でしっかりハケをかけると効果的です。④シラミ駆除医薬品を使用するシラミ対策製はいくつかのものが販売されておりますが、現在シラミ駆除薬として唯一認められているのがスミスリンシャンプーになります。スミスリンは幼虫と、成虫を駆除するので、10日間程度使用すれば、すべて駆除することができます。ただし、最近スミスリンの効果がないタイプのシラミが報告されており、必ずしも除去できるわけではありません。上でご紹介した基本的な対策を徹底することの方が重要です。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 13Jan
    • 医療×エンターテインメント

      Health2.0「医療×エンターテインメント」のトークセッションの模様の記事のシェアです。https://healthtechplus.medpeer.co.jp/future/1419医療や健康形成の適切な知識を学ぶことは大事ですが、結局はその知識を知ってから、行動に変えられるかどうかに尽きると思います。人の行動が変わる瞬間は、何かしらの感情が生まれ、心や意識が変化するものです。人の心を動かす仕掛けが、人の健康づくりには欠かせないと思うのです。そして、今までの医療、健康における多くの行動変容を促そうとして行ってきた、感情への訴求は、今、行動を変えないと「寿命が縮みますよ」とか「病気になっちゃいますよ」と言ったネガティブ感情に訴える「脅しモデル」だったように思います。果たして、それを続けてきた結果、人の行動は効果的に変わったのでしょうか。まだ、痛みを感じていないような、病気の実感がない方々への「脅しモデル」は、ごく限られた人にしか届かず、逆にネガティブ感情に訴えかけられるのにうんざりしてる人も多いのではないでしょうか。健康形成を促すための感情への訴求として、今後は「楽しい」「嬉しい」「心が温かくなる」「かっこいい」「きれい」「かわいい」などと言ったポジティブな感情を引き出すコンテンツやインセンティブ設計が必要なのではないかと思います。その先に結果的に健康になるという仕掛けが必要な気がします。そのためには医療が今までの自分たちのやり方をある意味否定する勇気と新しいものを取り入れる姿勢が必要なのだと思います。ポジティブ感情を引き出すエンターテインメントは、未来の医療に欠かせないものの一部になるのではないでしょうか。

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  • 10Sep
    • 言うは易し、行うは難し

      FB中心で、ブログを触ってなかったので、こちらにも連動させて残していこうと思います。先日のメドピアヘルステックアカデミーに関してと、それに関連して、私が考えている事、「評論家になるな、実践者たれ」という信条をポストします。先日、メドピアヘルステックアカデミーにお招きいただき、「遠隔診療」についてお話をさせていただきました。結構な頻度でお招きいただき、感謝です。毎回、いろんな方のお話が聞けてとっても刺激的!石見さんいつもありがとうざいます!で、話を戻しまして、医療法人社団ナイズでは、細々とではありますが、遠隔診療を実践し、実績を少しずつ積み上げています。遠隔診療に関しては、まだまだ浸透するまでには、時間はかかるかもしれないなという私の印象。診療報酬、患者さんのニーズ、そして医師のコミュニケーションスキルという観点から、まだまだ改善しなければいけないことが山積!そして、現実としても、日本の実際のプライマリケアの現場で遠隔診療を導入するために積極的に行動できる医療機関はそこまでないと思います。ただでさえ、目の前の患者さんのケア、そして医学的な知識のアップデート、そして医療経営者であれば、日々の経営、マネジメントに忙殺されていて、なかなか新しいものを積極に的に導入するために動ける時間とパワーを持っているところは少ないというのが、正直な日本の現状だと思います。私たちの医療法人には、非常勤の医師を含めると100名以上のスタッフがいますが、これだけの人数がいて、そして本部メンバーがいて、さらに、新しいことに挑戦しようという意識があるスタッフが集まっている組織であっても、遠隔診療を回していくのは非常にいろいろなハードルがあり、歩みはとてもゆっくりです。また、そこに、地域に根差すという特性から、通院における地理的な障害はあまり発生していないため、患者さんの真のニーズもあまり発生していないという現状もあります。結論から言うと、遠隔診療は、未来の医療の一部ではありますが、すべてではありません。そして、いろいろな考え方を持った人がいますので、多くの人の理解を得るためには、時間も必要だとつくづく感じます。遠隔診療ができれば、それはそれは便利で、素晴らしい世界が待っているということは、誰もが想像できるでしょう。でも、理想と現実はまだまだギャップがあり、乗り越えなければいけない問題が沢山あります。「こうしたほうがいい」ということがわかっていても、実際にそれができるかどうかは別の問題で、実際にやってみると、多くの解決しなければいけないことが見えてくるものだと思います。これは、遠隔診療にかかわらず、経営やマネジメントでも同じです。「こうしたらいいじゃないか」と傍から言うことは、簡単です。でも、その当事者になって、実際にやってみる側、責任を取る側にたってみると、さまざまな問題が絡み合っていることに気づいたり、それらを解決するために、想像以上に時間とパワーが必要なものだということがわかるのだと思います。「言うは易し、行うは難し」まさにその言葉に尽きます!ある程度経験したり、ある程度知識がついたりすると、ついついいろんなものの「批評」をしたくなってしまいがちです。でも、私はその事業のこと、そのプロジェクトのことを、誰よりも本気で、真剣に考えているのは、その責任者、当事者(その業務にかかわっている人)であると思っています。だから、その運営やプロジェクトに対して、責任をもって、自分自身が関われないものに対しては、安易に、アドバイスや批評なんて、おこがましくてできないと思ってしまいます。だって責任とれないですし、きっと責任ある立場の人は、24時間そのことを考えているはずなので、ちょっとかかわった人が考えることなんて、とうの昔に気づいていることの方が多いと思うのです。なんというか、世の中、「評論家」が多すぎるような気がします。「評論家」でもない「何かしら言いたい人」かも知れませんけどね。笑やってもいない人が、何言っても、説得力ががないんじゃないかなぁと私は思ってしまいます。とにかく、「評論家になるな、実践者たれ」これが私の信条ですね。ということで、当直中の、私の評論でした。評論する前に実践しなきゃでしたね!!反省!笑

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  • 05May
    • 患者さんへの愛情を育てること~医療従事者の課題~

      休日診療をしていると、色々な患者さんと出会います。特に、休日は、かかりつけではない患者さんも多いので、日々の受診の中での関係性が築けてなくて、なかなか説明を十分に理解してもらえない場合も多いのも現実です。そして、特に休日は、お父さんお母さん方の不安も強く、そして、院内も混雑するため、診療としては、とてもやりがいはある反面、非常に難易度が高いと思います。診察をしていて、とっても困ってしまうことが実はあります。経過を聞き、全身の診察をして、疾患の可能性を説明し、自宅でのケア、見るべきポイントを説明し終わった後に、お父さんお母さんから、「で、大丈夫なんですよね?」と聞かれることがあり、うまく伝わらなかったのかなと思い、再度、ゆっくり、説明して行き、最後に「どうですか?」と質問すると、「で、大丈夫なんですよね?」という無限ループに入ってしまうことがあることです。「大丈夫だよ」と言って、お父さんお母さんの不安を取り除いてあげたい一方で、子供の病状は、変化が早いことも確かだし、医療なので100%大丈夫なんてことはありえない。大丈夫と言い切ってしまったら、安心しきって、子どもたちの病状の変化の小さなサインを見逃してしまうかもしれない。かといって、不安な状態を取り除いてあげられなかったら、きっと、適切なホームケアもできないし、夜間救急受診を促しかねない。そんな葛藤を抱えながら、休日の診療をしています。今の私の中の結論としては、1、まずは今大丈夫そうなら、「大丈夫だよ」と笑顔で伝える。そこで、きっと安心して、お父さんお母さんはちょっと冷静になれるんだと思います。そして、話を聞ける心理状態になるんだと思います。そしたら、2、気をつけなければいけない点を、そのお子さん、お父さんお母さんの状態に合わせて付け加えればいいんだと思っています。この順番を間違えると、とにかく不安を駆り立て、不安もとってあげられない、そして、大事なポイントも伝えられないというみたいになってしまいます。何かあった時に訴えられたくないという医師側の防衛的な反応が、実は相手の不安を掻き立ててしまい、ことを悪い方向へ向かわせてしまうことがあります。医師というプロフェッショナルであるという自覚をもち、リスクを背負って、患者さんに接し、癒していくことが医師の仕事であると私は思います。実はリスクを背負うことで、そこに患者さんと医師の間に信頼関係が生まれ、結果的にリスクは回避できるんだと思っています。一生懸命患者さんから訴えられるリスクを回避する診療、100%保証できないことを極端に強調した診療は、患者さんにも、医師にもいい結果をもたらさないと思います。まずは、「おかあさん、おとうさん、大丈夫だよ」と勇気と優しさを持っていってあげられるかが、診療における重要なポイントだと日々感じています。医師として、リスクを背負う勇気こそ、患者さんへの優しさなんだと思います。愛情があるからこそリスクが背負えるんですよね。医療従事者は、患者さんへの愛情を育てていかなければいけないってことですよね。

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  • 30Apr
    • 「お母さん、クラスのみんながスマホ持ってる。だから買って。」という心理。

      子どもたちと話していると、どうにか親に、自分の意見を分かってもらおうとして、いろいろな工夫をして話してくることがあります。特に買ってほしいものとか、行きたいところがあると、「クラスのみんな、スマホ持っているんだよ。だから、買って!」とか「クラスのみんな、○○に行ったことあるんだって。私も連れてって!」という話をして何とか、自分も買ってもらおう、連れてってもらおうと必死に伝えてきます。自分だけが買ってもらいていないことをアピールし、そして、買ってあげていない親がおかしいという構造を作り上げようとしているわけです。きっとお父さん、お母さんだったら誰しもがこのシチュエーションに出会ったことがあると思います。そんな時、お父さん、お母さんはどんなこと思っているのでしょうか?口にするかどうかは別として、「クラスの全員なわけないよな。。。」ということを自然と分かっていると思います。そして、「そんな全員が持っているなんてこと言って、買ってもらおうなんて。」って思い、買ってあげようという気持ちには至らないどころか、逆に猜疑心が生まれてしまうことも多いのではないでしょうか?ここで、ちょっと視点を変えてみましょう。大人の私たちは、同じことをしていないでしょうか?結構、これと同じ状況に出くわすことが多いなと感じています。会社内で、部下から改善してほしいことなどがあって、その意見を聞いている時に「○○はおかしいと思います。みんなそう言っています。」とか「▲▲というやり方は□□に変えたほうがいいともいます。みんなそういっています。」「○○さんはいつも××をするので、困っています。」といった報告を受けることがあります。ビジネスの場でも「これはとっても有用なツールです。ほとんど全ての業界で導入しています。」といった会話を聞くこともあります。この話をしている側は、なんとか、相手に自分の思いを伝えようとしているのだとは思いますが、先ほどの親子のやり取りと同じことになっていることも多いのではないかなと感じます。この「みんな」、「ほとんど全て」とか「いつも」といった極端な表現は、伝える側は結構安易に使いたくなってしまいますが、その言葉を使うことで、本当に事実であったとしても、その信頼性が一気に落ちてしまうことがあると思います。極端な表現というものは、多くの場合、発信者の主観がどうしても入ってしまっていることが多く、そのまま受け取ってしまうと、大きな間違った判断を下してしまうことが多いので注意が必要です。本当に「みんな」であれば、「私がこういう方法でこのような質問で聞いた、○○人中○○人がそう答えた」といった客観的な事実を述べた方が信頼性は増すわけです。そう言われるととそれはそうだし、そう言ったほうが誰もが納得すると、この場ではわかっていても、いざ「自分が伝えたいこと」になると、多くの人は、意識的に行動や発言方法を変えないと、主観的なワードを織り交ぜた発信をしてしまい、結局のところ、相手には、逆の印象すら与えてしまい終わってしまうことがあるのです。このことが実は医療の中で、患者さんと医者の間でも起こっていることがあります。「2週間前からずっと熱が続いているんです。」というお母さんの訴えを聞くことがあります。普通の医者であれば、この2週間ずっと続く熱という言葉だけ聞いたら、一大事だと思います。しかし、そこには、さきほどの「みんな」という主観を表現しているものと同じ現象が起きているということに多くの医師は気づいています。「2週間ずっと」というのは、そのお母さんが感じている主観であり、実は、よくよく詳しく聞いてみると、2週間前に熱が出て、3日続き、その3日後に再度発熱し、そして2日間で解熱。そして、今回来院の2日前に再度熱が出てたという一連の流れを、「2週間ずっと熱が続いている」というように表現したわけです。医師と患者さんの間であれば、「この患者さん嘘ついている」なんてことは思わないのですが、この「ずっと」という極端なワードが入っている時は、その方の心配が強く、わかってもらいたいという気持ちが強く出ている時である一つのシグナルであることを理解しておく必要があります。まとめると、物事を伝える側は、極端なワード「みんな・全員」「ずっと」「いつも」といったものが入ってしまうと、客観性がなくなり、本来伝えたいことが伝わらなくなる可能性があり、より客観的な事実を使いながら、ニュートラルに話していく必要があります。物事聞く側は、極端なワードを鵜呑みにはしてはならず、そのワードの裏に隠れた、その人の思いをくみ取る必要があります。そして、その客観的な事実を引き出して、よりよい判断をする必要があります。子どもはまだまだ、そこまで、伝える力がないとは思いますが、私たち大人は、この伝える側と側と聞く側の技術を磨く必要があり、それができれば、きっとより良いコミュニケーションが実践でき、人間同士の良い関係性が築けるのではないかと思います。

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  • 27Apr
    • ヘルパンギーナって変な名前。。。子どもの夏風邪、解説します!

      季節が春から夏に近づいてくると、「夏風邪」と呼ばれるものが流行します。その中でも、よく耳にするのが、「ヘルパンギーナ」とか「手足口病」というものです。ヘルパンギーナって変わった名前ですよね。今回はヘルパンギーナなの名前の由来なども含めて、解説してみたいと思います。それぞれ、特殊な名前がついていますが、いわゆるウイルスによる「風邪」と同様で、ただ、特徴的な発疹などの症状があるため、この様な名前がついています。【ヘルパンギーナ/手足口病まとめ】 風邪のほとんどはウイルス感染で、夏には特にエンテロウイルスが流行します。 ヘルパンギーナはそのウイルスにより口内炎や突然高熱がでる喉の風邪です。 手足口病もこのウイルス感染で手・足・口やお尻、ひざなどに水疱性発疹を起こしますが、熱はあまり高くなりません。 口内炎などの特徴的な症状がなくても夏の熱はほとんどがエンテロウイルスによる風邪と考えられます。 特に効果のある薬はないため、こまめな水分摂取と、解熱鎮痛剤による治療となります。 登校・登園は熱がなく、食事が十分とれるようになれば可能です。 まれですが、重症の合併症を起こすこともあり、強い頭痛や嘔吐、意識障害、顔色不良、胸痛を伴うときは救急受診が必要になります。ヘルパンギーナは、熱と口の粘膜にあらわれる小さな水ぶくれを伴う発疹、それに伴う痛みを特徴とする疾患です。ヘルパンギーナという名は「ヘルペス」=「水疱」、「アンギーナ」=「痛み」という意味があり、これがくっついて喉の強い痛みを引き起こす「ヘルパンギーナ」という疾患の呼び名になりました。流行するもののほとんどが、エンテロウイルス属のA群コクサッキーウイルスの感染によるものです。夏に流行する特徴があります。患者の年齢は4歳以下がほとんどで、1歳代がもっとも多く、ついで2歳、3歳、4歳、0歳代の順で多い疾患です。手足口病は同じエンテロウイルス属の感染症で喉や手足、お尻、ひざなどに水疱性発疹ができますが、あまり熱は高くなく軽症のことが多いです。また、ヘルパンギーナや手足口病のような特徴的な症状がなくても、夏の熱性疾患ではほとんどがエンテロウイルス感染症と考えられます。※ エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科の多数のウイルスの総称です。ポリオウイルス、A群コクサッキーウイルス(CA)、B群コクサッキーウイルス(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68〜71型)など多くの種類があります。多数の種類があるため、同じ疾患に何度もかかります。【感染経路】くしゃみや唾液を通じて感染する飛沫・接触感染、便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染する糞口感染があります。特に、幼稚園や保育園では乳幼児間での接触が多く、集団発生することが多いことが特徴です。急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いですが、エンテロウイルス感染は回復後にも2〜4週間の長期にわたり、便からウイルスが検出されます。【症状】感染後、2〜4日の潜伏期間があり、その後症状が出現します。ヘルパンギーナは発熱に続いて喉の粘膜の発赤がみられます。口の中の喉の上側(軟口蓋、口蓋弓)に直径1〜2mm、大きいものでは5mm程度に赤く腫れ、中心部に小さな水ぶくれを伴った発疹が出現します。その水ぶくれは破れて、浅い潰瘍となり、痛みが出現します。発熱については2〜4日間程度続き、解熱後にやや遅れて粘膜疹も消失していきます。手足口病は手のひら、指の間、足の裏、口の中、膝、お尻などに水疱性発疹がみられます。発熱も約3分の1の人に出現しますが、あまり高熱にならないことが多いです。ヘルパンギーナ、手足口病および夏風邪といわれるエンテロウイルス感染症は稀ですが、髄膜炎(強い頭痛、嘔吐)、脳炎(意識障害、ふらつき)、急性心筋炎(著しい顔色不良、胸痛、呼吸困難)などを合併することがありますので、注意深い経過観察が必要です。【治療】 ウイルスによる疾患ですので、特効薬はありません。喉の痛みなどから水分摂取が低下し、脱水を引き起こさない様にこまめに水分を摂取したり、症状を和らげる解熱剤などを使用しながら、こどもの免疫力で治るのを待ちます。【登校・登園】症状から回復した後も、ウイルスは長期にわたって便などから、排泄されることがあるので、急性期のみの登校登園停止によって、学校・幼稚園・保育園などでの、厳密な流行阻止効果は期待ができません。本症の大部分は軽症疾患であり、ある程度お子さんの状態が改善が認められたら、登園、登校の判断をしてもよいかもしれません。咽頭所見が完全に消えるまでには、やや時間もかかるため、完全に解熱しており、咽頭所見もある程度改善し、食事が十分に摂取できる場合、登園・登校可能と判断するばあいが多いのが現状です。。ヘルパンギーナ、手足口病と言われても、一種の風邪ですので、慌てずに対処してくださいね!キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 26Apr
    • 風邪をひくたびに、溶連菌が陽性!それって溶連菌が原因なの?

      外来の診療をしていると、「うちの子、風邪ひくと毎回溶連菌が陽性になるんです」という訴えに出会うことがあります。そのような方に、のどの検査をすると、確かに溶連菌が陽性。この中には、本当に溶連菌が原因で、熱が出たり、その他ののどの症状を引き起こしている場合もあるのですが、実は、それらの症状が溶連菌が原因ではない場合もあります。結論を言うと、溶連菌の保菌者というの方がいて、身体に悪さはしないけれど、のどに溶連菌が住み着いているという方がいるのです。少し溶連菌について解説します。小児の咽頭炎の10-15%が細菌性咽頭炎といわれ、そのほとんどが溶連菌感染症です。逆に言うと、のどの風邪の85%~90%はウイルス性であるということです。典型的な溶連菌による咽頭・扁桃炎は、 顕著な咽頭炎と発熱が急激に見られることが多く、咽頭は咽頭が出血しているように斑点のような発赤があり、「燃え上がるような赤み」と表現されます。扁桃(へんとう)は腫れ、黄色で血液が薄く混じった浸出液で覆われることが多く、口蓋垂(のどちんこ)は赤く斑点が見られ腫脹するといわれています。また、首のリンパ節は腫れることが多く、押すと痛みがでます。そのほか、口周辺の蒼白、イチゴ舌、皮疹が見られることがあり、そのような病態を猩紅熱(しょうこうねつ)といいます。しかし、これらすべての所見をずべて、満たす症例は少なく、また似たような咽頭所見を呈するウイルス感染症もあるので、検査などを組み合わせて総合的に判断する必要があります。3歳未満の溶連菌感染症はその症状・所見ともに非典型的な経過であることが多く、頻度もわかっていません。では、再度、繰り返す溶連菌検査の陽性症例について解説します。世界中の小児科医が小児科の教科書としている「ネルソン小児学」によると「慢性咽頭保菌者から分離されるA群連鎖球菌はM蛋白をほとんど持たないかまったくもたず、比較的毒性が弱い。M蛋白抗原により抗体産生が刺激されるが、これらの抗体は型特異的である。ペニシリン治療を終了した患児の約20%が保菌し続けている。治療失敗の多くが保菌者であるにすぎない小児において生じる。」と記載があります。ちょっと難しいですね。これを解説すると、「溶連菌が喉に住み着いている患者さんの、溶連菌は、重症な合併症を引きを超すタイプではないことが多く、これらにたいしては、抗生剤の治療は必要ない。ただし、重症な合併症が家族内や周りで流行している場合は例外。」ということになります。また、感染症の教科書である「RedBook」には「連鎖球菌咽頭炎の短期間での反復が証明された患者には特別な問題がある。これらの人々は頻繁にウイルス感染を繰り返している慢性連鎖球菌保菌者である。抗菌薬治療はほとんどの咽頭保菌者には適応ではない。例外として、リウマチ熱か糸球体腎炎が流行中、閉鎖集団内での咽頭炎の流行中、リウマチ熱の家族歴など。」と記載されています。以上より、短期間に溶連菌感染を繰り返す人は、「ウイルス感染+保菌」、もしくは「次々と違う型の溶連菌にかかっている」と考えることができるでしょう。抗生剤を使っても、除菌できない場合は保菌と考えて経過観察とし、次々に違うM蛋白の型に感染している場合も基本的には毒性は強くないと考え、除菌を毎回する必要はないということになります。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 25Apr
    • 小児科医が語る保育園・幼稚園デビュー後に起きる事!

      4月から保育園・幼稚園デビューを果たしたお子さんたち、だいぶ新しい生活に慣れてきたころではないでしょうか?さてさて、毎年、保育園・幼稚園デビュー後、2週間くらい経つと、小児科を受診するお子さんが増えていきます。初めての集団生活で、お友達からさまざまな風邪のウイルスをもらい、体調を崩してしまうことが多くなるからです。よくあるパターンとしては、まず、保育園に通い始めて1週目くらいに、初めて熱を出します。保育園から「熱があるので、迎えに来てください」という連絡が来て、慌てて小児科に連れていきます。診断としては、「ウイルス性の風邪」。お父さん、お母さんは、ほっとして帰宅します。2、3日して、熱も下がり、一安心。咳も鼻水も少しあるけど、まぁ大丈夫そう。保育園に連れていきます。保育園を再開した翌日、保育園からまた電話。「熱を出したから迎えに来てください」「え?数日前に治ったばっかりなのに。。。」仕事を早退し、お迎えに。そして、慌てて、小児科に受診。そこで、また「ウイルス性の風邪ですね。」と診断。といったことが何回も繰り返されるわけです。仕事場と保育園からの急な呼び出しと、そして小児科受診の行ったり来たりが繰り返されるストレス。相当なものだと思います。そして、しばらくすると、お父さん、お母さんは、・うちの子、こんなに熱を出して、何か異常なんではないかしら?・毎回風邪と言われるけど、その医者の診断が間違っているんじゃないかしら?なーんてことを考えだし、さらには、・もう、保育園で誰かに風邪をうつされたくない・風邪の子が通園しているんじゃないかとか・ちょっとした熱で呼び出さないでほしいといった感情がふつふつと生まれてくるわけです。この悪循環に陥ると、いろんなものへの不信感が生まれてしまうのです。子どもへの不信感医療機関への不信感保育園への不信感保育園に通わせている他の親御さんへの不信感これが、保育園へ通わせるお母さん、お父さんたちを、負のスパイラルに陥れてしまいます。さらに、ここに、お子さんからもらった風邪をお母さん、お父さんがもらってしまうと、最悪です。自分の体調も最悪。子どもの体調も悪い。そして、仕事も滞り、職場からもいろいろと言われてしまう。こんな負のスパイラルに陥っているお母さん、お父さん、多いのではないでしょうか。小児科医からのアドバイスとしては、保育園に通わせるときに、こういう事が起こるものだということを是非知ってもらっておくだけで違うと思うのです。子どもは、集団生活を始めて半年から1年は、思いもよらないほど頻繁に熱を出して、体調が悪くなるもの。でも、それを通過することで、子供は免疫力を獲得し、だんだんと風邪をひきにくくなってきます。誰もが通らなければならない道だということです。毎週、毎週熱をだすのは、ごくごく一般的です。ただ、そこに、熱が下がることがなかったり、呼吸状態が悪かったり、食事、水分が取れないほどぐったりしてしまうような症状がある場合には、単なる「風邪」の繰り返しではない場合もありますし、何かしらの医療的な介入が必要な場合もあります。まずは、保育園に通い始めた当初は、びっくりするほど風邪をひいて体調を崩すことをしっていれば、お母さん、お父さんが、「おっ来た来た。聞いていたやつね。」と思ってもらえたら少しは違うと思うのです。子どもが風邪をひいて、ねつを出して呼び出されたり、することはストレスではありますが、子供が大きくなっていくために必ず必要な過程なのです。そして、保育園に預けるということは、その感染の機会が多くなり、そして、ご自身のお子さんが他の子にうつすこともあれば、逆にうつされることもあり、持ちつもたれるです。そして、保育園も、ある一定の感染対策は必要な物の、そのことに過剰になりずぎて、子供や、保護者の方へストレスをかけすぎてもいけません。子どもを育てるということは、ある程度のリスクを受容しながら、そこに適応していく必要があります。そして、子供に関わる大人たちが温かい目で見守り、大人として少しずつのリスクを背負いながら、社会として育てていかなければいけないと思います。キャップスクリニックでは、保護者の方々、そして保育園で働く方々のために、「小児科受診ハンドブック」というものを無料でお配りしています。ご自宅で困った時にふっと思い出して読んでもらえたら、きっと少し不安も軽減できるのではないかと思います。こどもの病気のこと、ワクチンのこと、感染対策のことなどを書かせていただいています。もしご興味ある方は、是非ご来院頂けますと、お渡しできますでの、お声がけください。保育園デビューをされたお子さんをもつお母さん、お父さん、頑張って!キャップスクリニックは365日、年中無休で診療し、子育てに奮闘中のお父さん、お母さんを応援しています。キャップスクリニック総院長 白岡 亮平~~キャップスクリニックは365日年中無休で開院しています~~キャップスこどもクリニック西葛西(江戸川区:小児科)キャップスクリニック北葛西(江戸川区:小児科・内科)キャップスクリニック代官山T-SITE(渋谷区:小児科)キャップスクリニック亀有(亀有:小児科・内科)http://www.caps-clinic.jp/

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  • 14Feb
    • 噂、悪口によるマネジメント~共通の敵を作ってまとまる集団の危うさ~~

      今日は、少し毛色を変えて、集団の心理について、書いてみたいと思います。集団が団結する方法には2種類あると考えています。一つは、① お互いを尊重しながら、同じ目標に向かいまとまる方法もう一つは、② 共通の敵を作って攻撃をし、まとまる方法多分思い返してみると、皆さんもどちらも体験したり、聞いたことがあるの方法ではないかと思います。どちらが健全かは一目瞭然で、①の方であると私は個人的には思っています。同じ目標に向かう際には、最大限そのチームにいる人たちの力を活かさなかれば、目標まではたどり着きません。つまり、同じ目標に向かってまとまる方法では、チーム内でのお互いの尊重が必要であり、その根底には、「自分」ではない「チーム」のためという意識が個々に存在しているように思います。ただ、この方法は、その目標(=チームの得)が個人個人の得になるのかが、わかりにくかったり、多くの困難を乗り越えて達成しなければいけないので、非常に難しく、時間もかかるし、手間も労力もかかるものになると思います。②はどうでしょうか。②に関しては、非常に急速に、そして簡単に団結を作ることができますが、非常にもろいのも事実です。特に、自分たちが困難な状況に置かれた時には、ついつい、その原因を自分ではない、「何か」、「誰か」のせいにしてしまいがちです。それが、集団になると、「共通の敵」をつくり、「こうなったのはあの人が悪い」といった環境になり、「そうだ、そうだ。私たちは悪くない。」といって疑似的な団結が起きてしまうのです。そして、多くの場合、自分たちが攻撃されないように、敵を作ることで、「自分が攻撃されないような回避」の思考が存在し、その集団のためではない、個々の「自分」のための疑似的な団結がうまれてしまいます。この共通の敵を作ってまとまる集団は、敵がいなくなると団結できなくなるため、次々と敵を作っていきます。その敵が、自分たちの集団の外であることもあり、時に、今まで仲間であった中からも敵を作り出してしまうことすらあります。そして、どうにか、自分が共通の敵にならないように気を使いながら、なんとなく遠慮しながら、びくびくしながら肩を寄せ合っている等状況になるわけです。これって、みなさんの中でも少し体験されている方もいるのではないでしょうか。学校でよくある「いじめ」の構造とそっくりなわけです。ある生徒が、自分がいじめられないための集団との上手な関わり方として、クラスの中に、「共通の敵」を作ります。クラスの中に、反撃できない弱い敵(ときに最近は、それを先生にすることすらあるようです。)を作り、それを攻撃することで、自分への攻撃を回避する雰囲気を作るわけです。その「共通敵」ができると、クラスの生徒たちは、一気にまとまり、全体としてはまとまっていきます。なんだかうまくいかない時、自分たちの思うようにならなくなると、その「共通の敵」の悪口を言ったり、攻撃したりすれば、その場いる生徒たちはがまとまることができるわけです。この共通の敵を作る方法は、国の運営でさえ利用されることがあります。国民の不満、不安の矛先をかわすために、共通の対外的な敵を作り出すことで、国をまとめようとするわけです。そして、企業や組織の中でもこれを使ってしまう人たちもいます。でも、「共通敵」にされた方は、どうなるのでしょうか?この「共通の敵」にされる人の特徴は 何を言っても怒らない温和な人(もしくは怒ることが許されない立場の人) 自分のことをうまく表現できない人 しゃべるのが下手で、反論できない人 人と違ったことをやろうとしている人 つるまない人(一人狼型)つまり、反撃してこない、一人でいることの多い相手を選ぶのです。いじめの構造と同じですね。「あいつ、いやだよねー?」「ねー。」「〇〇から聞いたんだけど、あのこ、あーなんだって、しってた?」「えー、ひどいね。そうなんだ。やだねー。」みたいな悪口、噂が繰り広げられるわけです。共通の行動が、攻撃側の絆になり、一致団結感がどんどんと大きくなっていくわけです。多くの噂、悪口は、その事象を的確に表現しているわけではないと私は思います。必ず、それを受け取った側の「主観」が入っているわけで、もしかしたら、違う側面からみたら、違う解釈ができるかもしれないことを想像しながら、その言葉を受け取る必要があると思います。それから、私はこう思います。「共有の敵」にされた人も、一人の人間であり、そして、その人のことを心から愛している人もいるんだってことをもっと考えてほしい。共通の敵にされた人、そしてその人のことを愛する人たちのことを考えてたら、「共通の敵」に仕立て上げるなんて、本当に考えられないことだと思うんです。でも、厄介なことに、多くの、「共通の敵」を作って人をまとまらせるタイプの人は、自分自身がそのことをやっていることに気づいていないことが多いのが現実です。そうやって人をまとめ上げる人たちの多くは、どこが「びくびく」した自信のなさを醸し出していることが多いと思います。共通の敵を作らなくても人とは同じ思いを共有することができることを是非実感してほしい。そこから抜け出れたらきっと、楽になれるはずなのに。組織運営の世界でも、この様な状況に出くわすことがたくさんあります。そして、自分自身も、「共通の敵」を作って、悪口をつい言ったりしたくなることがあります。でも、そんなときは、必ずその「共通の敵」を作りたくなる原因は、「自分自身への自信のなさ」、「努力不足」を他者のせいにしているだけだと言い聞かせるようにしています。悪口や噂話を信じない人、そしてそれらを言わない人たちが増えたら、「共通の敵」にされてしまう人、ひとの幸せのために踏み台になって不幸になる人も減るだろうと思います。「共通の敵」「悪口」「噂」による、世の中の悪循環をどこかで断つことができたらいいなと思ってやまないのですが、まずは自分自身が実践することから始めたいと思います。そして、自分たちの組織の中の人たちに、「共通の敵」を作って団結をしていないかを自分たちで話し合いをして、「共通の敵」ではなく「共通の目標」をもって団結することが大事であることの認識を持ってもらうことから始めてみるのがいいかもしれませんね。

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プロフィール

dr365~白岡亮平~

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