しこりに気づいたら

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よく患者さんから腕とか胸にしこりがありますが大丈夫でしょうかと相談をうけることがあります。しこりは軟部腫瘍といわれておりほとんどが良性ですがまれに悪性腫瘍があります。ただし悪性の軟部腫瘍の発生率は100万人に2-3人程度と非常にまれなので安心ください。脂肪のかたまりなどはよくみられます。悪性の軟部腫瘍は軟部肉腫と呼ばれ肺に転移することもあります。一般に良性の腫瘍はほとんど大きさが変化しませんが悪性の場合、数週間から数か月で大きくなります。また、しこりの大きさが5cm以上になると悪性の可能性が高くなります。軟部腫瘍の検査ではMRI検査による診断がきわめて有用となります。確定診断は組織の一部を摂取する生検をおこない、病理検査にておこないます。治療の基本は手術で転移を防ぐ目的で抗がん剤を使用することもあります。また再発予防で放射線をあてることもあります。最後にしこりが気になるかたは整形外科をまず受診してください。なお首のしこりはリンパ節の腫れの可能性もありますのでその場合はまず内科診察がよろしいでしょうか。

吐き気がする

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よく吐き気がするとか吐いたとか言って来院される方がいます。一番多いのは感染性胃腸炎ですが胃腸炎の場合下痢をともなっているのがほとんどです。下痢がない場合は診断に苦慮します。なぜなら嘔気や嘔吐は胃や腸の問題だけでなく頭や心臓の病気でも出現するからです。嘔気には一般に中枢性嘔気と末梢性嘔気とがあります。中枢性嘔気とは脳を直接刺激されて起きる嘔気のことで脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、髄膜炎、片頭痛などが原因になります。末梢性嘔気とは脳以外の消化管や心臓などの臓器の交感神経や迷路刺激で起きる嘔気のことをいいます。なかには妊娠なんてこともあるので要注意です。心臓からの嘔気で気を付けなければいけないのが心筋梗塞です。胸が痛いといえば心筋梗塞を考えますが嘔気がするとだけで心筋梗塞はまず考えません。中には嘔気がするということで胃カメラの検査をしたが実は心筋梗塞だったなどということも実際あるようです。へたをしたら胃カメラの最中に死にますよね。たかが嘔気、されど嘔気です。嘔気や嘔吐は結構つらいので早くなおしてもらいたいですよね。いちばんはやっぱり原因を除去することですが原因がすぐにわからないことも多いのでまず対処療法として制吐薬を処方します。消化管が原因ならナウゼリンやプリンペランなどを処方します。妊娠の可能性がある場合はプリンペランのほうが安全です。ただプリンペランは使いすぎると神経系の副作用がでますので注意が必要です。ナウゼリンは中枢神経への副作用が少ないため高齢者はこちらのほうが安全です。漢方にもつわりなどの吐き気に効く薬があります。小半夏加茯苓湯という漢方薬です。最近は抗ガン剤の吐き気止めに非常に強力な薬ができています。こういう薬をふつうの吐き気に使用すればよくきくのでしょうがいかんせん非常に高い薬なので抗がん剤使用時しか保険適応がとおりません。

インフルエンザ流行中

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みなさん あけましておめでとうございます。長らくブログをさぼっておりました。

今回ひさしぶりのブログです。当院ではインフルエンザが流行ってきておりますので今回はインフルエンザの話をいたします。突然38度以上に発熱し咳がでる。さらにまわりにインフルエンザがいるとなればインフルエンザの可能性大です。まず診察でのどをみます。のどにイクラみたいな隆起がみられればさらにインフルエンザを疑います。次にインフルエンザ迅速キットで診断つけます。ただしあまり熱がでてない場合はウィルスの量が少ないので陰性になります。

発症6時間以内に検査をしても陰性になる可能性があります。特に熱はない場合はほとんどがインフルエンザ陰性となります。文献によりますと発症当日のインフルエンザの検査の陽性率は65.4%,発症2日目で88.3%,3日目で81.8%,4日目で72.3%,5日目で60%とまっております。発症して24時間ぐらいして検査をするればもっとも陽性率が高くなるようです。次に治療ですが仮にインフルエンザの検査が陰性でも高熱や咳などのインフルエンザ様症状がでていれば抗インフルエンザ薬は投与しても問題はありません。現在インフルエンザの薬は主に4種類が使用されています。まずタミフルという薬は経口薬ですが10歳以上の未成年患者ではタミフル服用後に異常行動が出現し、転落などの事故に至った報告があるとのことで10歳台の患者には原則使用しません。タミフルは通常5日間処方されますが2-3日で服用を中止すると耐性ウィルスが発生しやすくなるので途中で服用をやめないようにしてください。タミフルの副作用は嘔吐、下痢、腹痛などです。低体温という副作用も経験しております。イナビルとリレンザは吸入薬でイナビルは1日1回だけ吸入すればOKです。リレンザは5日間の吸入が必要です。ラピアクタは点滴薬で経口も吸入もできない重症例

に使用します。

胃が痛い?

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胃が痛くなる病気で有名なのが胃潰瘍や十二指腸潰瘍です。十二指腸潰瘍は空腹時に胃が痛くなり胃潰瘍は食後に痛くなります。潰瘍によって胃や十二指腸に穴があけば突然激痛が発症しほっておけば腹膜炎をおこすため緊急に手術が必要です。原因はピロリ菌や痛み止めですが最近はピロリ菌感染も減少しているため痛み止めが原因の場合が多そうです。腰痛や頭痛でロキソニンをしゅちゅう飲んでいませんか。以前に潰瘍をおこした人は要注意です。そういう方がロキソニンを飲むときは潰瘍の予防薬としてプロトンポンプインヒビターという薬を一緒に飲む必要があります。痛みどめをもらうときは必ず医師に過去に潰瘍になったことがあると行ってください。特に高齢者は要注意です。私が病院勤務をしていた頃はロキソニンによる潰瘍で吐血をして運ばれてくる老人がたくさんいました。まあ最近は胃が痛いといって内視鏡で検査をしても全く異常がない方のほうが多いようです。こういう場合の胃の痛みの原因は機能性ディスペプシアといって胃酸に過敏な状態のため胃がいたくなるという病態が多いと考えます。こういう場合は胃酸を抑える薬が効くことが多いようでしす。あと胃が痛くなる病気で胃アニサキス症という病気があります。アニサキスというのは寄生虫で生のサバやイカに生息しておりこういうものを食べるとアニサキスが胃にはいり胃の粘膜に食らいつき激しい胃痛と嘔吐を発症します。こういう場合はない内視鏡で胃にくらいついているアニサキスを除去すると嘘のように痛みが消失します。生の刺身などはみなさん気をつけてください。腹痛まだまだ続きます。

では次回で。

腹痛の診断は難しい

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今回は腹痛についてのお話です。はっきりいって腹痛の診断は難しいと思います。特に開業医は検査ができないので診断に困ることが多いです。一番診断しやすいのは感染性胃腸炎だと思います。嘔吐、水様性下痢、腹痛とくればまず感染性胃腸炎かと考えます。では嘔吐と腹痛で下痢がなければ感染性胃腸炎でない可能性がでてきます。一番難しいのは腹痛のみの場合です。10-20歳台の若い人はひどい腹痛をともなった場合は虫垂炎がまず考えられますので直接病院にいったほうが賢明です。虫垂炎の診断にはCTやエコーのどの検査と至急の採血が必要になってくるので病院受診が必要です。とにかく激しい腹痛は絶対病院にかけこんでください。くれぐれも開業医にいかないように。

みぞおちが痛いといったらまず胃炎や胃潰瘍などの胃の病気を考えますがまれに心筋梗塞のときがあります。心筋梗塞にも関わらず緊急の胃カメラなんてされたらとんでもないことになります。また便秘でおなかも少し痛いという老人が来院したときはどうでしょうか。若い方ならまず便秘でいいでしょう。浣腸で腹痛も改善するでしょう。では高齢になってくると大腸がんによる便秘や大腸穿孔など命にかかわってくる病気があります。高齢になってくると大腸に穴があいてもあまり痛くないかたもいます。こういうときに浣腸などするととんでもないことになります。老人はよく浣腸をしてくれと来院されますが私はかなり慎重に検討します。あまい安易に浣腸はしておりません。腹痛の診断は本当に難しいとつねづね思います。