【問題】フェソロデックス投与中の患者Aさんは、今本当に閉経後? | 乳腺専門医かつ形成外科専門医・Dr.松の乳房再建

乳腺専門医かつ形成外科専門医・Dr.松の乳房再建

乳腺専門医と形成外科専門医のダブルライセンスで
診断~乳がん手術~乳房再建~術後管理まですべての過程を行います。

My Official Homepageはこちら・・・ http://doctor-matsu.com/
(京都駅前) 康生会 武田病院 乳腺外科・形成外科 松谷崇弘


テーマ:

術後のホルモン療法は、閉経前と後によって使い分けをします。

だから、50歳前後の方には 『最近生理はありますか?』との質問を必ずします。

不規則ながらも、数ヶ月前であっても生理があった方は、まだ閉経前です。

おおよそ1年間生理がない方が、臨床的に『閉経した』になります。

 

閉経の定義 をおさらいしましょう。
閉経とは卵巣の活動が次第に低下し、ついには月経が永久に停止することを指します。

臨床的には、月経が12ヶ月以上停止した時点で閉経と診断します。

 

子宮がない場合や抗癌剤治療後の化学閉経などが考えられる場合には

FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が40mIU/ml 以上 でかつ

E2(エストラジオール)値が20pg/ml 以下 をもって閉経と判断されます。

 

今回は、フェソロデックス投与中の方に、閉経前か、閉経後かをE2とFSHの値で判断する際の注意すべき例をあげてみます。

 

問題

化学療法終了後、1年以上生理がないので臨床的には閉経と思われるAさん

毎月、閉経後の治療薬であるフェソロデックスとイブランスを投与されています。

本当に閉経後?かを確かめるために E2 と FSH の値を調べてみたところ

 

E2  211.5 pg/ml

FSH 57.1 mIU/ml

でした。

E2の値がすこぶる高いので、閉経前だ!と判断して

フェソロデックスとイブランスの上に、リュープリンもしくはゾラデックスをも追加投与しないといけないでしょうか?

 

答え

フェソロデックスを投与中の方は、E2の測定値が本来の値よりも高値となります。

E2とフルベストラントの構造式が似ているため、E2測定の際、血中のフルベストラントにも反応してしまいます。

真のE2値を知るには、LC-MS(高速液体クロマトグラフ質量分析)によるE2測定を行なう必要があります。

注意;この検査は、保険適応ではありません。

 

その分析結果は

E2  211.5 pg/ml

LC-MS E2  6.29 pg/ml

となりました。

 

フェソロデックス投与中の場合、一般検査のE2が高いからといって、リュープリンもしくはゾラデックスを追加投与するのは、間違った判断となる可能性があります。

Dr.松さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス