リスクコミュニケーションの相談にのっていると、やっぱり基本は、コミュニケーションだなと、改めて思います。
リスクについての話は、科学的・専門的な話が多く、「いかに正確に、わかりやすく伝えるか」に意識が行き過ぎてしまうがあまりに、下手をすれば、一方的(あるいは、パターナリズム)になってしまい、それが、相手に
「ちょっと知識があるからといって、強引だな」
「私の意見は、どうせ受け入れてもらえない」
「他の医療者は、違うことを言っていたけど(私の知り合いは、違う経験をしたけど)、誰を信じればいいの?」
等と思わせてしまうことになりかねません。
医療者は、リスクについての説明をすることが多いですが、常に、
「相手が何を知りたいと思っているか?」
「相手が必要とする情報は、何か?」
等を把握する姿勢、聞く姿勢をもつことが重要ということを、忘れないようにしたいですね。
p.s. 本内容について、現在、『公衆衛生』(医学書院)で連載中。
著書『クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション:CERC』(大修館書店)や、『ヘルスコミュニケーション』(ライフ出版社)も、