【大切な情報】クマ取り手術の“過剰脱脂”に要注意! | 美容外科医・Dr.安嶋“あじ先生”のブログ『あじブロ』

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あじまビューティークリニック・院長の安嶋康治(あじまやすはる)です。

クリニックで行っている美容医療のご紹介から、プライベートのお話まで、色々な事を書いています。
是非ご覧ください(^^)

◆形成外科専門医◆

今回のブログは非常に重要な内容です。

以前にも同様のテーマで記事を書いていますので、長年ご愛読いただいている方には既視感があるかもしれません。

しかし、クマ治療を検討されている皆様にとって、ご自身を守るために知っておくべき大切な情報です。ぜひご一読ください!






  注意脱脂の概要と問題点注意


「クマ取り」という名前を付けられ、一般的に広く知られている脱脂(経結膜脱脂術)は、眼窩脂肪と呼ばれる目の周囲の脂肪を除去し、膨らみを解消する治療法です。

最近、この脱脂において、眼窩脂肪を根こそぎ除去する「過剰脱脂」が大きな問題となっています。

仮に、眼窩脂肪がガン細胞のように不要なもの、悪いものであれば全て取り去るべきです。

しかし、事実は真逆。

眼窩脂肪は眼球を守るクッションや支えとして大切な役割を果たしており、無闇に除去すると深刻な問題が生じる可能性があります。




  注意過剰脱脂のリスク注意


眼窩脂肪を過度に取ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
下に行くほど深刻なリスクになります。

下まぶたの凹みやシワが目立つようになる
上まぶたの窪みが生じる
眼球が後退する(目玉が奥に引っ込む)

①②については、注入治療などでの修正が可能ですが、③の眼球後退は深刻な問題です。

目玉が後退してしまうと、目周りに光が差し込まなくなり、「骸骨やゾンビのようになってしまった」と表現されるような形態となります。

また、中には「目の奥が痛い」「ものが二重に見える」などの症状を訴えられる方もいらっしゃいます。

専門的になりますが…
①目の奥の痛み…目玉の裏側に存在し、目の奥の感覚を司っている神経が、脂肪欠損による炎症や眼球後退による圧迫で刺激されている
②複視(二重に見える)…目玉を動かす下斜筋という筋肉の周りの脂肪が失われ、癒着などによりスムーズに動かなくなっている

それぞれ、こういった現象に由来する症状と私は考察しています。
もしかしたら違うかもしれませんが、いずれにしても過剰脱脂で「よからぬ事」が起こっていることは事実です。


眼球後退の修正は、失明のリスクも伴う非常な困難なものとなります。

安易な脱脂は避けるべきです。
もし脱脂をするにしても、クマ治療に関して様々な治療方法を駆使している先生が「脱脂でも良いですよ」と言った場合に限り、だと思います。
脱脂しかしていない先生は、どんな理由をつけてでも脱脂が最高と結論づけ、脱脂を受けるように誘導する傾向があります。





  マイク情報の拡散と認識の変化マイク


このような重要な情報は広く知られるべきですが、SNSでは過激な発言やトンデモ医療情報が「唯一無二」、「その人だけが気づいた孤高の天才」として注目され、拡散されがちです。

しかし、バズっている情報が正しいとは限りません。むしろ逆であることがほとんどです。

公私で仲良くしてもらっているシノワクリニックの則本先生も、同様の懸念を今日のインスタストーリーで発信していました。






  キラキラ安全な施術のためにキラキラ


星信頼できる医師と十分なカウンセリングを行う
(クマ治療において色々な治療法を駆使している先生を選びましょう)
星施術のリスクと効果を正しく理解する
星必要以上の脂肪除去を避ける
(これは医者側の判断になりますが…「たくさん取る」という先生は避けるのが無難です)



クマ取りは(クマ取り以外もですが)慎重に検討し、長期的な視点で判断することが大切です。






この投稿が、施術を検討している方々の参考になれば幸いです。

私は極端な発信はしておらず、誰もが納得できる治療を淡々と提供し、丁寧に施術を行っているだけですので、注目される存在ではないと自覚しています。
発信力がないのです。


しかし、より多くの方が安全で納得のいく選択をしていただけるよう、また、過剰脱脂によって悲しむ人を少しでも減らすには、皆さんの協力が必要です。

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ぜひ情報の共有をお願いいたします。