17 指原莉乃VS横山由依 頂上舌戦 序章 | 散り急ぐ桜の花びらたち~The story of AKB.Keyaki.Nogizaka

散り急ぐ桜の花びらたち~The story of AKB.Keyaki.Nogizaka

小説家を目指しています。ゆいぱる推し 京都地元大好き 鴨川のせせらぎと清水寺の鐘の音の聞こえるところに住んでいます。



「命中!」
iMacに映し出される指原莉乃のパフォーマンス
その光景をじっと見入るひとりの男性
近づくハイヒールの足音

「お客様 パソコンの音はもう少し控えめにお願いいたします
他のお客様もいらっしゃっいますので」
スターバックスのスタッフが促すように囁く
軽く頷くハンチング帽を目深に被る初老の男性

YANKEESのトラディショナルグレーのパーカー
BARNEYS NEWYORKのホワイトデニム
スニーカーはNIKEのLuner
そんなヤッピースタイルは休日のスターバックスに程よく馴染む

店内では数名の客が思い思いの時間を過ごす
窓際の席で一人iMacを見入る小肥りのこの男が
今日本のエンターテイメントを席巻する
フィクサーだとは誰も知る由もない

「ほう、そうきたか、指原」
満足そうな笑みを浮かべるAKB総帥秋元康

「秋元先生!」  
有働の声が静かに更け行くスタバの夜を切り裂く
有働留美 23歳 日刊スポーツAKB担当
午後7時29分 タイムリミットギリギリ
に有働は新横浜のスタバにたどり着く

そこにスタバを我が家のようにくつろぐ秋元の姿
秋元にタイムリミットなど鼻からない
今日一日、横浜アリーナの状況を見守るべく
このスタバに秋元は朝から居座っていた。

「7時半なんて嘘だったんですね、先生!」

〈馴れ馴れしい女だ〉
仕事柄、若い女の扱いには慣れている秋元だが
こういうタイプは苦手らしい

「聞いてます?私の話
こう見えても私、AKBのオーディション、
面接まで行ったんですからね!」

〈入れなくてよかった〉
自然と笑みがこぼれる秋元

「褒めてやらなきゃな、落とした奴を」
秋元が悪戯っぽく笑う

<お前も落ちてもおかしくなかったんだよな、横山〉


「何の真似や!さしはらさしこ!」
紅潮した横山由依の横顔が全国放送の電波に乗り秋元のiMacに届く

〈次は何を見せてくれるんだ、横山〉
  
敵か味方か秋元康!
横山と指原の頂上舌戦が全国注視の中、今まさに始まろうとしていた
              
          ~次回、"嵐の頂上舌戦"につづく