ジャズ100年のおすすめ最終回 | 国立(くにたち)昭和大衆音楽同好会

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昭和(1926〜1989年)のジャズ、ブルース、ラテン、ロックなどの音楽を独断と偏見で紹介!

 ジャズ録音100年記念に便乗し、超個人的な趣味で書いてきたジャズ100年のおすすめシリーズは、2017年が明日で終わってしまうため、本日で終了笑。振り返ると、デューク・エリントン、ジミー・ランスフォード、ライオネル・ハンプトン、ジョン・コルトレーン、ジャンゴ・ラインハルト、ルイ・ジョーダン、マーク・ターナー(フライ・トリオ)、そしてロニー・ジョンソンと、チョイスが明らかに偏ってる笑。選んだ基準は、“今自分が聴いてピンとくる”だけ。このシリーズを書くにあたり、昔好きだった盤を引っ張り出して聴いたりもしたが、それがジャズの名盤と言われるものでも心が動かなかったりして、音楽の趣味や聴き方って変化していくのだなという当たり前の事実に気づいた。

 

 そんなことをああだこうだやっているなか、「久々に聴いたけどやっぱ好きだわー」と改めて感動したこの曲について書いて、ジャズ100年シリーズ最終回といたします。明田川荘之の「エアジン・ラプソディー」。たくさんの録音があるが、2010年発売「アケタ・ミーツ・ダイロー」での録音を推したい。

 

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 西荻窪「アケタの店」での2009年ライヴ録音。明田川荘之のアケタ・オーケストラにスガ・ダイローのピアノが加わり、アケダイロ・オーケストラというグループ名義。スガがピアノを弾いているので、明田川はエレピを弾いている。

 「エアジン・ラプソディー」の感傷と熱情溢れる旋律が、チープな音質のアケタのエレピで激しく弾かれる。いやー相変わらずせつない。続くソロ渡辺隆雄のトランペットが煽った後は、松本健一のテナーサックスのソロ。ブギャギャギャ、ブブブブウォーーーと尋常ではない音が炸裂し、楽団の音楽は最高潮に登りつめる。ほんとすげえわ。

 妄想&我田引水的だと承知で言うと、この「エアジン・ラプソディー」の激しいせつなさと盛り上げ感は、サルサと似ているのだ。エクトル・ラボーやイスマエル・キンターナの歌をファニア・オールスターズで聴いてグッとくるのと、アケタ・オーケストラの「エアジン・ラプソディー」を聴いて泣けるのとは、自分の中では同じ質のもの。打楽器のリズムが主となるサルサと、管楽器やピアノのソロが主となるジャズの音楽的な違いはあるのだが、サルサとアケタは同種の音楽に自分には思える。週末酒飲んで聴いて、よしまた明日から頑張ろうと思える、浄化してくれる音楽というか。アケタさんのピアノのハチャメチャ感は70年代のエディ・パルミエリに通じるところもあるし。アケタの店がオープンしたのが1974年。ジャンルを超えて共通する同時代の熱さみたいなものもあるのかも。ほんと、大衆音楽って感じです。

 

 音楽の趣味や聴き方は変わるってさきほど書いたが、熱い音楽が好き!みたいなコアなところは変わらんのかもですね。ジャズ100年、素晴らしい音源たくさんあるので101年目の来年もみなさん聴いていきましょう! (後藤敏章)