ジャズ100年におけるおすすめ音源第2弾は、すみません、また戦前です笑。この国立(くにたち)昭和大衆音楽同好会の前身は、“国立戦前アフロ・アメリカン音楽同好会”という名称の企画で、そこで2年ぐらい戦前ものに浸かっていたので、いろいろとプッシュしたい音楽が多いです。今日はビッグバンドのジミー・ランスフォード楽団を。
1930年代アメリカ黒人ビッグバンド界において、デューク・エリントン楽団、カウント・ベイシー楽団らと並ぶ人気を誇ったジミー・ランスフォード楽団。
ズン・チャ、ズン・チャというシンプルな2ビートのもとで細かく編み込まれたアレンジ、そしてそこに乗っかるいい感じの男性コーラスのジャイヴ感溢れる唄。今聴いても新鮮でポップだなと感じられる同楽団のアレンジを主に手がけたのがサイ・オリヴァー。オリヴァー編曲の「レイン」(1934年録音)は、ランスフォード楽団のみならず、30年代アフロ・アメリカン音楽の名曲として記憶に留めておくべき作品。いい塩梅。ギターも管も良い感じです。
オリヴァーは39年には白人の人気ビッグバンドであるトミー・ドーシー楽団のアレンジャーとなり、大物への道を邁進。
余談的になりますが、60年代のソウルミュージックの大スター・ジャッキー・ウィルソンの激熱なライヴ盤「アット・ザ・コパ」を先日聴いていたら、アレンジャーとしてサイ・オリヴァーのクレジットを発見。同作品では戦前ジャズの人気曲「セイントジェームス病院」も取り上げられていたりして、そうか、アメリカ黒人エンターテイメントの王道にランスフォード楽団や戦前ビッグバンドは位置するんだなーと、改めて認識した出来事でした。
戦前に浸かった経験としては戦前ジャズの歌モノはポップソングじゃんって感じで好きです。“ジャズ”と“歌”は実は切り離せないかもですね。(後藤敏章)
