ジャズ100年のおすすめ音源 その1 | 国立(くにたち)昭和大衆音楽同好会

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昭和(1926〜1989年)のジャズ、ブルース、ラテン、ロックなどの音楽を独断と偏見で紹介!

  先日モンク生誕100年と書いたが、今年はジャズ100周年とのこと。ではせっかくなので100年の歴史の中で自分が好きなジャズについて、今年中にいろいろ書こうと思う。

 

  まずは、やっぱそれかという感じで申し訳ないけど笑、デューク・エリントン 。「戦前エリントン楽団のトランペット奏者の名演」というピンポイントなテーマで。

  

 

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   デューク・エリントン楽団のトランペットはいつも有能な人材に恵まれていた。1930年代を支えたのは、クーティ・ウィリアムズとレックス・スチュワート。彼らは前任者バッバー・マイリィのジャングル・サウンドを継承しつつ、自らの個性的な音でエリントン音楽のさらなる発展に貢献した。

 

  クーティ・ウィリアムズのためにエリントンが書き下ろした「エコーズ・オブ・ハーレム」(1938年)は秀逸。プランジャー・ミュートを駆使した唸るような絞り出すようなクーティのソウルフルなトランペット(上画像参照)。「教会の宣教師のように吹け」とエリントンはクーティにアドバイスしたことがあるそうだ。


 

  レックス・スチュワートのトランペットで最も有名なハーフバルブ奏法が聴ける「ボーイ・ミーツ・ホーン」(1938年)は、エリントンも絶賛した技巧。プランジャー・ミュートとも感触が似たような、音を外すギリギリのところでコントロールする。「カインド・オブ・ブルー」辺りの時期のマイルズ・デイビスでたまに、レックスのハーフバルブっぽい吹き方をマイルズがしているように思える。・・・空耳でしょうか笑


 

  最後に1941年の「A列車で行こう」。説明不要のアメリカ音楽史上の大名曲の初演録音。ソロはトランペットのみ(レイ・ナンス)。前衛的要素や暗さや泥臭さはないのでエリントン・ファンには物足りないかもしれないが、改めてちゃんと聴くととても洗練されていて、ポップ・ミュージックとして完璧で感動する。


 

  ビバップ以前のジャズはジャズ紹介本などでもなかなか言及されず、それもあってかジャズファンは敬遠しがち。でも偏見を捨てて聴いてるうちに必ず慣れてくる。いったん慣れさえすれば、今度は面白さがどんどん分かって深みにはまっていくと思う。それに伴い、自分の音楽の聴き方も変化していったりする(経験談)。懲りずに引き続き戦前ジャズもプッシュしていきたいと思います。(後藤敏章)