僕は煙草、アルコール、ギャンブル、市販薬、CBNに依存している。
スマホゲーや買い物、本なんかもその中に含めていいかもしれない。
とにかく現実から逃避してきた。
「依存は苦痛の緩和目的」とも言われるが、実のところそれらはなんの緩和にもならない。
"ならなくなる"というのが正しい。
酒にも市販薬にもある程度の耐性が付いていくからだ。
めちゃくちゃ感動したはずの昔のアニメなどを見返した時に「あれ?なんかつまんないな」と思ったことはないだろうか。
僕はそれを『物語耐性』と呼んでいる。
様々な経験や知識が増えると、心が動かなくなってしまう。
そんな感じだと思ってもらうといい。
僕に残された道は二つだ。
耐性を超えるか、依存と向き合うか。
しばらく悩んだ。
どこに相談したって、「辞める意思を強く持て」とか「自助グループとのセッションに参加しろ」とか言われるんじゃないか。
それらが何の役に立つというのか。
悩んでも答えは出ない。
そこで依存したものに初めて手を出した時を思い出した。
ちょっとした好奇心や勇気にも似た何かを用いた気がする。
始めるのも辞めるのも必要なものは何も変わらないのかもしれない。
ちょっとした好奇心と勇気を出すってことだ。
そして僕は地方自治体の保険福祉センターに連絡してみた。
「あっ、今担当者がいなくて…」
勇気ー!勇気死ぬなー!勇気ー!耐えろーっ!!
こういう時、心が折れると次のタイミングはない。
もう一度だ。もう一度だけ頑張ろう。
担当者が戻ってくる時間を聞き、スマホをボーっと眺めているうちに、時間を過ぎていた。
酒を飲む。
勇気を出すために。
酒を辞めるために酒を飲んでいる…?
意味は分からないが、その「意味の分からなさ」が僕の人生だ。
震える手で再度電話をかけると、優しそうな女性が担当だった。僕の苦手なタイプだ。
優しい人ってのは分かりにくい。こういう時こそ見るからに不機嫌な方が安心する。
おまえ、本当に優しいか…?
優しいままでいてくれるか…?
ごくり。生唾と酒を飲む。ついでに市販薬も追加する。
ダメ人間のまま進む勇気!
「勇気と最後につけると大抵の言葉はポジティブに変換できますよ」と八九寺も言っていた。
「依存について相談したいんですけど…」
そこから詳細を聞き出してもらった。
・何に依存しているか
・いつから依存しているか
・どうして依存していると思うか
・どんな時に依存するか
・自覚している体調不良があるか
・依存が原因で起きたトラブルはあるか
・幼少期はどんな暮らしをしていたか、傾向があったか
だいたいこんなもんだ。40分程度。
頭は回ってなかったが、終始こちらの答えやすいように誘導してくれた。
依存している人の多くには理解してもらえると思うが、依存しているものそのものだけが問題ではない。
みんな何かしら傾向や、原因とタイミングがある。
それが自分では分からないなら分からないでもいい。
いいんだと思う。
電話の担当者は精神科医とのコネクションでしかないわけで。
最終的に提示されたのは二つだ。
精神科医を交えた面談をするか、自助グループのセッションに参加するか。
もちろんどちらもやらないことも選べる。
最終的に辞める努力をできるかは結局自分次第ではある。
僕は面談を推奨された。
根本原因を対処した方がいいでしょう、と。
来週面談の予約を入れた。
僕は一歩だけ前に進めた気がする。
まだ何も辞められていないけど。
依存にゴールなんてないんだろうけど。
一歩だけ、前に進む勇気!