水の如く | 平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

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 先日妻と二人で、洛北の貴船神社に参拝した。

 若いころ鞍馬や芹生峠あたりを山歩きして、帰りに立ち寄ったことがあるが、もう何十年も前のことだ。

 最近また少し気になって行きたいと思っていた。

 

 一年ぐらい前に、たまたま目にした貴船神社のパンフレットに水の五つの性質が書かれていた。

 水は形を持たず様々に変化する。

 時には激しく、時には穏やかに…、というようなことだ。

 これを読んで俳優とは水のようなものだと思った。

 与えられた役によって、或は場面場面で様々に変化(へんげ)しなければならない。

 

 この神社は鴨川の源流に近く、水を祀る神社でもある。

 前日が雨だったので、山を包む空気もしっとりと冷気をはらみ、水量の増えた貴船川の瀬音が耳に心地よい。

 妻も「気持ちいいね。」を連発する。

 平日なのに案外人出は多かったが、奥の院のたたずまいは何十年昔のままだ。

 

 水の如き役者になれますように、水の如く演じられますようにと祈願した。