
<3月20日>
ポンペイの遺跡巡り。
「 アポロの神殿 」 と、その向かいの裁判や商取引が行われた 「 バシリカ 」 のあたりには、「 古代の知恵 」 が
見られます。
まず、車道と歩道の境目の段差にある小さな 「 穴 」。
一見、自然に開いた穴のように見えますが、意図的に開けたもので、馬の手綱を結んでおいたもののよう
です。

もう一つは、車道に敷き詰められた敷石。
石と石の境目のあたりに白い点々がありますが、これが 「 夜光貝 」 のカケラだそうです。2000年前ですから
もちろん街灯はなく、夜道でも馬車が使えるようにした知恵のようです。
月明りに照らされて、夜光貝の小片が光り、そこが車道であることが分かる・・・最初からこれを考えたことは
なかなかの知恵です。

夜光貝のカケラが埋め込まれた道路を伝い、細めの路地に入って進んで行くと、遠くに小さく海が見えて
来ました。

遺跡の向こうに、海が見えます。ナポリ湾です。
いつのまにか、かなり高い位置まで登って来たことが分かります。
あっちを見たり、こっちを見たり、建物の中に入ったり出たり、石段を登ったり降りたりしていて、遺跡の中を
グルグル回っているうちに、じつはここの遺跡はかなりの高台にあったことを知りました。

細い路地を抜けて眺望が開けると、眼下に見えたのは入って来た場所 「 スタビア門 」 と 「 カメオ工房 」 の
あたりです。露店が並び、工房とホテルが一体化した建物、後ろの木の形もさっき見たものでした。
つまり、ポンペイの遺跡を巡ったとはいえ、「 ごくごく一部の、この辺り 」 をひと回りしただけだったことが判明。
遺跡全体をくまなく歩くとなると、相当の時間がかかることになります。

何の花か分かりませんが、小さな花が一面に咲いているあたりを、出口へ向かって行きます。
眼下に街を見下ろす高台で、添乗員さんが掲げる紫色のぼんぼりが私たちのツァーの目印です。この目印が
その後悲劇に逢おうとは・・・。

海とは反対側。広大な遺跡が拡がっていて、全体が小高い丘の上にあることが分かります。
平地にある 「 スタビア門 」 から入った私たちは、遺跡を巡りながら上まで上がって来たことになります。

段々になった洞窟のようなものが無数に見える場所もありました。
まだ発掘調査が進められていると思われる足場が組まれています。もちろん、この当たりは非公開と思われ、
ポンペイの遺跡はまだ全貌が把握し切れていないようでした。

発掘中か、修復中か、整備中の遺跡を見下ろしながら、入って来た 「 スタビア門 」 とは別の門の方へと、
ゆっくり下った行きました。