
<9月18日>
長野県塩尻市奈良井。旧中山道沿いの宿場町の街歩きは、街の中ほどまで来ました。
旧い街並みが見事に保存されている通りから、ちょっと広いスパースが奥にあったので行ってみると、駐車場
でした。入り口は狭く、奥が広くなっているため、通りからはあまり見えません。
偶然なのか意図的なのか、これも景観保護に配慮されています。

旧宿場町の風情をきちんと残している表通りから、一歩裏へ入ると、生活環たっぷりの光景が広がって
います。
表通りから殆ど見えない配慮がされていることが、この街の凄さです。

【 中山道奈良井宿 名所 鍵の手 】 の石標。
「 鍵の手 」 とは?

道が曲がっています。
城下町にはよく見られる 「 桝形 」 の形ですが、意図的に曲げて造るやり方が、宿場町にもあったようです。
城下町の場合は、敵の軍勢が街の中へ一気に攻め込んで来れないような、クランク道路の意味。それが宿場
町にもあるということは、それだけここの街が戦略的に重要なポイントだったからかも知れません。

この曲がり角にも、水場がありました。
「 鍵の手水 」

鍵の手にあった、石造。
道祖神でしょうか。庚申塚でしょうか。
城下町の 「 桝形 」 と宿場町の 「 鍵の手 」、形はそっくりですが、宿場町には生活の匂いが溢れています。
こうしてみると奈良井は、旧いもの、旧い形、それらが現代の日常生活を上手に隠しながら、同時に息づいて
いる街です。