泥棒猫、迷う | 泥棒猫の言い分

泥棒猫の言い分

愛した人を略奪しました。

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虎キチの冷たい態度に、私の中の彼への愛は消えかけ寸前でした。

私はこの時、はっきりと虎キチを憎みました。

 

 

 

 

 

思えば、私はまともな恋愛の経験がありません。

 

誰かを好きになってときめいたりしたことがありませんでしたし、夢に見たり四六時中考えたりした男はこれまでに存在しませんでした。逆にこちらに本気のアプローチされた男性は迷惑に感じて関係を終わらせてばかりでした。

 

そんな私がここまでがんばった男は、虎キチが初めてでした。

そしておそらくこの先の人生にはこんな男もう二度と現れないこともわかっています。

 

 

 

 

私は、人を好きになるのに向いてない。

私はきっと、恋愛に向いてない。

 

 

 

もう疲れた。

悪いなんて思ってないのに、私はどうして謝ってるんだろう。

こんなに苦しくてしんどくて、

もともと他人と上手くやっていきたいなんて思ってない私が、どうしてこの人のご機嫌を必死になって取っているんだろう。

この冷たい人の機嫌を。

 

 

 

 

 

私、この人と結婚するのか。

そうしていいのか。

 

 

この人と私は一生同じ時を過ごして行くことができるのか。

これまで男との関係をことごとく雑に扱い、気ままに生きてきた私がこの人と。

 

この人の共依存が治るかどうかもわからないのに!

 

この先も私と暮らし始めても1日2時間か3時間は向こうの家で過ごす、

出しすぎの養育費にプラスして子どものお菓子代やモラ美も含めて家族3人の携帯代も払うとか、そんなバカバカしい約束をすでに虎キチとモラ美は交わしている。

 

 

 

 

モラ美とこの人との関係に、口を出すとかばわれる。

そこを刺激すると、キレられる。

 

 

 

 

 

それでこの人の共依存、治るんだろうか!?

 

 

 

 

 

後悔しないのか、結婚してもいいのか、

どうする、猫。

 

自由を愛する気ままなおまえが、この先共依存の男に縛り付けられ、

モラ美という狂人に彼を通してコントロールされるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

戦慄が走りました。

 

 

 

 

引き返すなら、今。

結婚などしていない、今。

まだなにもかも口約束の、今。

 

 

 

 

 

 

 

私は、気分が悪くなるくらい、揺らめいていました。