泥棒猫、恋を知る | 泥棒猫の言い分

泥棒猫の言い分

愛した人を略奪しました。

虎キチからのメールを読んだ私は、

たっぷり1分間は金縛りにあいました。

 

 

 

何回か読み返しました。

でも、

何回読み返しても、

意味がわからないのはどうしてですかね???

 

 

 

 

 

 

 

だって、ですよ?

妻帯者が妻以外の女性に、恋愛感情告白してるんですよ?

それは不倫じゃないですか、ダメですよ、そう書いただけですよ?

 

どこか間違ってますか私???

 

悪いことを悪いと、しごく真っ当なことを書いただけなのに、

そして、だいたいにおいて、

 

身体の関係になり得ない距離。

始まってもない関係なので終わりようもない関係が消えたところで、

 

泣くほどのことなんか???

大の男が、しかもそんなに???

 

そこまで傷ついたって、

私、知り合ってまだ10日そこそこの、顔も知らないアカの他人だけど?

(私は送ってもらった写真で一方的に顔は知ってるけど)

 

バカなん???

重症の恋愛体質???

ちょっとおかしい人なん???

 

そんで、もう関係切りたいって、

ブログアク禁も考えるくらいに切りたいって、

 

私そこまで酷いことあなたに言ったか????

 

 

 

 

 

 

そんな考えが頭をぐるぐる回って、ひとしきり回って、そして、

は!

と気付いたのは、

 

このままだとこの人と、終わってしまう。

 

ていう事実でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

それまでの私は、

来る者はえり好みして去る者は追わない、人間関係万事それでした。

ここまでの不倫も含めた男女関係はすべて、自分から行ってません。

(これモテ自慢とか取らないでほしいです。軽く見られていただろうという自己卑下です)

私が飽きれば離れるのはもちろんですが、私がその関係を楽しんでいても、相手に離れられるとそれを追うことはありませんでした。

 

だって、

誰のことも好きじゃなかったからです。

男は部品みたいなもんで、替えはきく、そう思っていたからです。

 

 

 

 

 

金縛りが解けたそんな私が、

どうしてなのか、

こんなおかしい男なのに、

 

「今、電話する。受けられる?」

 

と、

急いでメールしたのはなぜなんだろう?

まるきり、説明できない、こんがらがった心理。

 

レスはすぐありました。

 

「ダメ。また泣いちゃう。電話しないで」

 

出られる状況なんだ。

 

私はすぐに電話しました。

 

どれほども鳴らさずに、虎キチが出ました。

 

「……」

 

「ひどいよ」

 

「えへへ」

 

虎キチは笑っていました。かすれた笑い声でした。

なに笑ってんだよ!

人をこんな気持ちにさせといて!

猛烈に頭にきました。

 

「こんな、こんな終わり方ってないやん!

ひどいやん!

イヤやで!

ダメやで!

私、こんな終わり方、絶対にイヤやからね!」

 

 

 

 

絞り出した自分の声を聞いて気づきました。

自分が泣きじゃくっていることに。

 

 

 

 

 

 

 

2017年、夏。

 

心を持たなかった泥棒猫が、

初めて知った恋でした。 

 

 

 

 

→夫が夜なべをして作ってくれたまとめ記事です。この感動をあなたに。