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第31話 『陰陽道組合』再編の行方(4)
『陰陽道組合』の再編に伴う組員たちの部署配置換えに、私の後輩の1人、“西宮弓香”が、以前“魑魅魍魎”討伐でトラブルとなった“屋形正彦”と一緒の部署に配置換えになっていた為
私は、自分の上司となった郡山信坂局長に“その事”について“トラブルの内容を説明したうえ”、抗議を申し立てした
「確かに、これでは『陰陽道組合』再編の“妨げ”になるかも知れないな」
と、信坂も、私の抗議に納得し早速、川井祥栄副理事に不服の申し立てをしてくれた
そして、祥栄副理事の答えは
「これでは、折角の組織再編が頓挫する可能性が高いな・・・分かった、近々西宮と屋形を離すように手配するよ」
と、私の抗議を受け入れてくれたそうだ
私は、弓香に“その事を”伝えると
「忠麿課長、ありがとうございます・・・あたしの為に、ここまで動いて下さって」
と、泣きそうな笑みで謝礼されたので
「何を言っているだ・・・共に“任務”をしてきた仲ではないか、後輩が困ってるのに、ほっとけないだろ」
と、私が励ますと、弓香の奴、泣くのを我慢できず涙が溢れ出しながら
「本当に、あたしの為に嬉しいです~~~~」
と、咄嗟に私に抱きつき、“わんわん”と泣きじゃくっていた
私は、そんな弓香が“可愛い”とは一瞬思ったが、“その様子”が周りの組員たちに見られている為、“気恥ずかしい”のと、嬉し泣きしながら抱きついてる弓香を無理に離す訳にもいかず、困り果てていた・・・
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『陰陽道組合』再編の為の組員配置が行ってから一週間後・・・
『陰陽道組合』川井祥栄・新副理事体制で、初めての会議、副理事と4人の局長からなる“組織再編協議会”が開催された
課長以下の組員たちは、“どんな再編がされるのだろう”と、期待と不安の中で、何時もの“業務”に取り掛かっていた
私と兄・訓麿が、若き優秀な陰陽師の3人がいなくなって少し寂しくなった、組員たちの配置後も変わらずの執務室で少し寛いでいる時
「処でよ~~郡山局長は、あの会議で“どんな提案”をするつもりなんだ?」
と、兄が、私に聞いて来たので
“ほ~~~この組織に無関心な兄上でも気になるのか・・・”と、思いながら
「何でも、“組員たちの待遇について”の提案をするようだ」
と、会議前に、郡山から“相談”を受けていた“提案”の事を話したら
兄、相変わらずの澄まし顔で
「これは、確かに組員たちにとっては“切実”な提案だな・・・無事に取り入れてくれれば良いのだがな」
と、感心した風に言って来たので
「まあ~~兄上にとっては“それほど”気にするものではないだろう」
と、私は、ちくっと“皮肉”を言ったら
兄、腕を組みだし、少し苦虫を噛みながら
「おいおい・・・そう突っ込まなくても良いだろ」
と、言い返されてしまったのである
そんな態度の兄を見て、“それなりに世間体を気にしてるのだな”と判断し、それ以上突っ込む事はしなかった
それに兄は、陰陽師をする以前から幾つかの“収入源(興信組合もその1つ・・・)”があるので、『陰陽道組合』の待遇について、さほど関心は無いのである
その後、兄は、何か悟ったような表情で
「まあ・・・俺にとっては、『陰陽道組合』がどうなろうと知った事ではないが、上手い事行くよう“願って”おくよ」
と、言って、“担当になった魑魅魍魎の討伐”のため、執務室から出て行った
やはり、兄は、『陰陽道組合』再編に、余り興味は無い様だ・・・
私の方は、長年『陰陽道組合』に世話になった恩と、郡山たちの『陰陽道組合』再編に対する熱意を無にしないよう、微力ながら取り組もうと決めていた
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夕刻頃、私が“魑魅魍魎の討伐”から帰還し、その“業務の結果”を、局長の郡山に報告に行くと
「「やったぞ、忠麿課長!!!!私の提案が通ったぞ!!!!」」
と、郡山が、もう飛び跳ねる位の勢いの歓喜で、私の肩を叩いて来た
「「郡山局長、それは良かったですね!!!!これで、今まで努力してきた組員たちも救われますね」」
と、私も一緒に喜び合い
「それにしても、よく祥栄副理事も思い切った再編を決断しましたね」
と、私が“川井祥栄”の事を話したら
郡山、微妙で複雑な表情から笑顔になり
「私の提案が、まさか祥栄副理事も同じ提案だった事と、全員が“賛成”だったのが決めてだったな」
と、答えてくれ、すかさずに
「それで、“組員たちの待遇、論功行賞の仕組みについて”の“具体的な仕組み”の構築は、私が受け持つ事となったのだ・・・だから、忠麿課長も協力して欲しい」
と、懇願されたので
私は、にっこりと笑みを浮かべ
「了解しました、それでは宜しくお願いします」
と、承諾した
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他の再編案として・・・・
『組員のキャリア・スキルの向上と、適材適所の配置や、新人教育・育成についての再編』
『組織の合理的運営と業務の効率化についての再編』
『組員の人間関係、組織内の力関係などに支障が現れた場合の対処方法などについての再編』
の、4つの再編案が、“組織再編協議会”で提案され、“今まで曖昧にし過ぎて”組織の向上がなされていなかった反省から“明確”にしていこうと言う事で、それらの再編案の具体的仕組みの構築を“各局長”が受け持つ事となったのである
『組員の待遇、論功行賞の仕組みについての再編』は、組員から“正しい評価・賞賛”し、上に引き揚げてくれたりして、絶大な支持を得て、最大の派閥を持った、新体制で私の上司となった、郡山信坂局長が受け持ち
『組員のキャリア・スキルの向上と適材適所の配置、新人教育・育成についての再編』は、局長の中でも年長の黒澤有朋局長が、何人もの新人陰陽師を育成した経験を買われ担当になり
『組織の合理的運営と業務の効率化についての再編』は、私の前の上司だった春日秋人前課長の部署内の運営と業務を、陰ながら支えてきた樫木利光局長に任され
『組員の人間関係、組織内の力関係などに支障が現れた場合の対処方法などについての再編』は、森草修一局長が、以前、私の元・部下だった若き優秀な陰陽師の1人、西宮弓香と、自身の部下の屋形正彦とのトラブルを解決した功績から、その再編案の担当となったのだ
これらの再編案執行の担当配置は、川井祥栄副理事が
「私は、伯父から“正直、お前に組織を取り仕切る能力は無い”・・・だからこそ、“周りの意見を吟味し、組織の為に決断する様にすれば良い”と、アドバイスされた」
と、言って、4人の局長の意見をじっくりと聞いた上で決断したようだ
“祥栄の奴、素直に己の器量を認め、『陰陽道組合』の為に責務を全うするとは・・・”
と、私は、暫く川井祥栄を見直していたが・・・
よくよく考えてみたら・・・・これって、祥栄の“何かあると直ぐに業務をやりっぱなし”にする性格を上手く誤魔化した、満智のアドバイスじゃないかと邪推してしまった
また面白い事に、その会議には“川井満智”は出席していなかったのである・・・
自分の甥が心配で、出席してるのかと思ったが、もう『陰陽道組合』の運営を、祥栄に任せてるのか、それとも下手に出席して、『陰陽道組合』を陰で操ってる事を覚られたくないのか・・・または、何かの“悪意”があって、わざと出席しないのか?
そこは、満智の“陰謀の尻尾”が出ない限り分からない事だから、引き続き“警戒”すればよいと判断した
こうして、『陰陽道組合』の大きな4つの再編案を基に、4人の局長がそれぞれ受け持ち、本格的に組織再編が始まるのであった
だが、すでに川井満智が『陰陽道組合』壊滅への“布石”を打っていたとは、この時は誰も気が付く事は出来なかったのである
<<後書き・・・>>
いよいよ、4つの『陰陽道組合』再編案を基に、各局長が具体的に再編の構築が開始された・・・
さて、上手く組織の再編が進んで行けば良いですが、やはり”試練”は必要なんですよね・・・
どんな試練が待ってるのかは、作者も分かりません・・・
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