テレビ朝日土曜ワイド劇場「100の資格を持つ女(5)~ふたりのバツイチ殺人捜査~」
~江ノ島・老舗旅館の壮絶家督争い!美人仲居の悲しき過去と連続殺人に秘められた驚愕の真実とは?


渡辺えりさん主役のシリーズ。たくさんの資格を持っているために、豊富な知識を生かして、刑事では探れない潜入捜査を無理やりにさせられるという設定は「ありえない」感はあるのですが、渡辺えりさんの親しみのある温かいキャラで、次第に人の気持ちに溶け込んで、真相を突き止めて行く脚本はいつもよくできていると感じます。展開にも無理がないので、落ち着いて見ることができるドラマです。


意外性はないけれど(ミステリーファンの私にとってはという感じですが)、だからといって浅くもなく、とてもバランスのいいドラマです。


今回も善悪がはっきりしていてわかりやすいけれど、容疑者を多数用意して、安易にわからない構造にしていて、少しずつキーワードを出して、それぞれの容疑者の心情の背景を理解させ、エンディングにつなげる手法は工夫があって楽しめました。


資格を生かした知識があちこちにちりばめられ、その度に資格者証が出てくるコネタもおもしろく、もちろん、犯人解決のキーワードにもきちんとつながっていました。


あらすじ(ネタバレ)です。


西郷美千花(渡辺えり)は、数え切れないほど資格を持っている警察署の事務職員。常に資格の勉強を欠かさないのは、バツ1でふたりの子供を育てているから。元夫は前科1犯で、お情けで警察署に置いてもらっているので、いつリストラされてもいいようにという思い。今日もラジコン飛行機の資格を取得したが、警察署の同僚たちには「そんなもの、必要あるの?」と首を傾げられている。


本来はたくさんの資格を生かせる総務課に異動させてもらいたいのだが、いつも希望が聞き入れられず、本人は望まない刑事課で仕事をしている。


ある日、美千花が電話を取ると、嫌がらせを受けているという苦情で、感情的になっている主婦、矢島千晶(宮本裕子)からだった。たらいまわしにされて刑事課に電話をして来たのだが、小山田雄策(草刈正雄)たちが話を聞きに行くと、頼んでもいないピザやすしが大量に届いて迷惑をしているという。心当たりはないかと尋ねると、千晶は実家の料亭旅館「おおはら」で仲居をしている三沢友紀(原沙知絵)のしわざではないかと言う。


友紀は65歳の千晶の父親が結婚をしたいと言っている30歳近く年の離れた女で、その女の嫌がらせに違いないと言うので、小山田たちは千晶を尋ねてみるが、きっぱりと否定されてしまう。


それと同時に、大学教授が殺害される事件が起きてしまい、小山田たちは事件捜査に入る。単位をもらえずに卒業できず、仕事につけなかったと逆恨みしている教え子が真っ先に疑われたが、証拠はない。捜査会議でたくさんの鉢植えが並ぶ被害者宅の写真を目にした美千花は、グリーンアドバイザーの資格を生かして、その中のひと鉢の位置がおかいしいことから、そこに犯人がぶつかって、血でもついたことから、隠すために動かしたのではないかと推理して、それが見事に当たり、小田島たちは証拠を上げて教え子を追い詰め、早期解決となった。


スピード解決に、刑事課長の栗林(笹野高史)は鼻高々だったが、翌日は署長から大目玉を食らう。まだ、捜査中だった嫌がらせ事件の被害者の夫・矢島博正(木下ほうか)が神奈川県・藤沢の海岸で、他殺体で発見されたのだ。


嫌がらせと殺人事件との関連は明らかではいないものの、妻の千晶はテレビの取材で嫌がらせを受けていたにもかかわらず警察に相手にされなかったことを訴え、小山田たちの捜査を非難したことで、美千花たちは週刊誌などの問い合わせの電話に忙殺される。

世間からも身内からも非難を浴び、藤沢の所轄刑事たちには「しっかりと捜査しておけば、こんな事件は起こらなかったのでは?」と嫌味を言われ、自分たちの手で事件を解決したいといきり立つ渋谷中央署刑事課の面々だが、矢島の事件は管轄外の神奈川県で起きたもの。勝手に捜査を行うわけにはいかない。


そこで今回も、刑事ではない美千花に潜入捜査を依頼。美千花は総務課への異動と引き換えに、嫌がらせ事件の被害者である千晶の実家、「おおはら」に仲居として入り込むことになる。

千晶の父・大原忠雄(小野武彦)の料亭旅館「おおはら」。友紀は忠雄が病気で入院したときのヘルパーで、退院後、忠雄が頼んで料亭に来てもらったのだという。だが、一緒に働く仲居も含め、だれもが若い友紀が旅館の主人で財産を持つ忠雄をたぶらかしたのだと思って冷たくあしらっていた。


仲居頭で忠雄の従姉妹でもある早苗(石井めぐみ)は、忠雄の妻が亡きあとに「おおはら」に請われて来ていて、女将がわりを勤めているので、友紀が女将の座に就くのではと気が気ではないようす。美千花は陰日なたなくよく働く友紀を目にする一方で、早苗が板長の塚田哲夫(石田登星)とともに、矢島の死を歓迎している様子の話を耳にする。

友紀は矢島殺害の参考人として、取り調べを受けることになる。それを聞きつけた千晶は、忠雄を猛烈に批判。疎遠になっていた息子の史也(和田聰宏)までが「おおはら」に乗り込んできて、資産をめぐる騒動が繰り広げられる。千晶は夫の経営していた矢島不動産がうまくいっていないし、史也も自分の店の経営が思わしくなくて、「おおはら」の財産を手に入れたいのだ。

※あらすじ 【2-2】に続きます。