行くの?行かないの?どっちなの?



そんな風にして目覚めの悪い朝を迎えた。

お母さんの遊び相手はたいてい父か私だ

これといって頻繁に遊ぶ友達もいないらしい。

だから最近構ってあげられない私に対して不満があるようだ


そんなお母さんを不憫に思い、高円寺のカフェに一緒について行ってあげることにした。


お母さんは昔ここらへんに住んでいた

高円寺はね、言ってみると下北沢をでっかくしたかんじー
と言われても伝わらないよ。



と思ったけど

そんなかんじだった
だけど下北沢よりもなんというか人が住んでいる気配がある。

古着屋と昔からの商店
行き交う人々


タイツ破けてるから買いなさい

家を出る時から言われ続け、観念して渋々買うことにした
絶対買いませーんよ
と意地を張っていた自分に呆れてしまったから。

お母さんは変なところに神経質で困る
私がズボラすぎるのかもしれないけど


カフェは
地図で確認したら商店街をまっすぐいけば着くようだ

それでもお母さんは
ねぇ、だいじょぶなの
としきりに聞いてきて煩わしい


そんな風にして歩く




はいはい、着きました



七つ森(高円寺)
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落ち着いた風合いの店内
燻したような色をした木が印象的
陶磁器、ステンドグラス、何故だか不明な市松人形の首、骨董、金魚鉢

大正ロマンですな~
とそれっぽいことを言ってみる

お姉さんが持ってきたそれに思わず声を漏らしてしまった
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砂糖をいれる瓶

今はこんなだけど、私にも小さい時があった
小さい時の記憶にいつも珈琲の匂いがある。
おばあちゃんの家に行くと必ずおやつの時間は10時と決まっている
出てくるお菓子は日によって違うけれど、トーストにバターを塗ったシンプルなものが私は好きだった

珈琲のほろ苦くて香ばしい匂い
バターが溶けてふわふわした優しい匂い

信州の清々しい初夏の朝
こんな匂いに包まれて幸福以上のなにものでもない

そしてあの瓶から可愛らしい角砂糖を取り出して、
ぽとん、とカップに落とすのだった。

私はあのフォルムが質感が凄く好きでいつでもベタベタ触っていた




懐かしいよ


と思っているうちに、キッシュがやってきてしまった
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しらすととろとろのチーズ
ほくほくした感じ
大変美味でございました。


わたしはあまり珈琲に砂糖を入れることはないけれど、あの瓶を見てしまうとなんとなく角砂糖を取り出して入れてみたくなる

まぁ入れないけど



会いたい人にいつでも会えることは幸せなことだと思う



あの瓶と
おじいちゃんおばあちゃんに会いに行こうかな