ドン・キホーテに一度でも足を運んでみた人はわかると思うのですが、その店舗のあり方は今まで見たどの店舗とも違い圧倒的なオリジナリティを持っている、ユニークな店舗であることがわかります。また、ユニークであるが故に、店舗としての好き嫌いがはっきりと分かれてしまう店舗運営をしているのではないでしょうか。では、実際にこのオリジナリティの塊であるドン・キホーテはどのようなコンセプトを持って店舗の運営をしているのでしょうか。その点について今回のブログでは紹介を進めていきたいと思います。
 
『ドン・キホーテは、お客さまに「ジャングルのようだ」といわれる。なぜ、お客さまはドン・キホーテに「ジャングル」をイメージするのだろう?
いたるところに商品が積み上げられ、狭い通路を大勢の人々が動き回り、熱気があふれている。そんな店内の様子が、ジャングルのようだと感じられるのだろうか。』
 
確かにドン・キホーテにはジャングルのようなイメージがあると思います。それは店舗における商品の陳列の仕方がそうさせるのかもしれませんし、店舗に来店している人の多さがそうさせるのかもしれません。詳細にこれだという要因は私にはすぐには答えることができませんが、イメージとしてジャングルという言葉を聞いた時にあながち遠くないイメージだなと、すんなり納得することができるのは、どこかでそのような理屈に納得しているからではないでしょうか。
 
『私はお客さまがドン・キホーテにジャングルをイメージしてくれたことを最大の誇りにしている。いうまでもなく、ドン・キホーテの店内にヤシやガジュマルなどの熱帯植物が生えているわけでもなければ、オウムやサルがいるわけでもない。いくらアミューズメントだからといって、店内に植物園や動物園をつくるほど酔狂ではない。
私のいうアミューズメントは、そんな種類のものではない。
店内にあるのはマスプロの衣食住の商品群である。にも関らず、なぜ、お客さまはドン・キホーテにジャングルを感じ取ってくださるのだろうか。』
 
ドン・キホーテの店舗コンセプトはそもそもコンビニエンス・ディスカウント・アミューズメントの3つのコンセプトを見事に融合させるところにあると思っています。もちろんこのそれぞれが独立して強いコンセプトを融合させることに難易度があるのは皆さんもご存知のことかと思いますが、この強いコンセプトがきちんと溶け合っている売り場を作れているからこそ、ドン・キホーテは面白い店舗として一般消費者に受けているのではないでしょうか。ただ、この面白い3つのコンセプトがジャングルのようなイメージを連想させるのかというとそうではありません。では、一体どのようなことがドン・キホーテの店舗では起きているのでしょうか。その点について次回のブログでは紹介をしたいと思います。
 
※下記著書より一部抜粋
著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ