悪い奴ほど馬鹿笑いする

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国民感情を逆撫で 日本を壊した4首相のバカ笑い別荘写真

「マトモな人間なら、あそこまで大笑いできません。歴代首相が4人もそろって何をふざけているのか。『こんな日本に誰がしたんだ、キミたちじゃないか!』と叱り飛ばしたくなりますよ」

 政治評論家の森田実氏はそう憤怒していたが、この写真を見れば誰もが嫌な気持ちになるはずだ。安倍首相の夏休み終了のタイミングに合わせたのか、25日大新聞がなぜか一斉に掲載した一枚。今月15日夜、日本財団の笹川陽平会長が山梨・鳴沢村にある自身の別荘に現職の安倍と森、小泉、麻生ら歴代首相を招き、会食した際の写真である。

 安倍は例年、夏休みには鳴沢村の別荘に10日近く滞在。加計孝太郎・加計学園理事長ら「腹心の友」を招き、ゴルフやバーベキューに明け暮れていたが、今年ばかりは加計学園疑惑がくすぶり続ける中、渦中の人物と一緒に遊びほうけるわけにもいかない。 

 

大好きなゴルフを封印し、遊び相手もいなくなって歴代首相と会食の手はずとなったのだろう。それにしてもだ。大口を開けてバカ笑いしている森や、赤ら顔でのけ反って笑う小泉たちのザマは何なのか。

 ハッキリ言って、この大笑い4人組は日本をメタメタにブッ壊した張本人。経済失策の連続で、1991年のバブル崩壊以降の「失われた10年」を「20年」「30年」と長引かせた責任者。おまけに米国の言いなりで自衛隊と米軍の一体化をどんどん進め、シッポを振り続けてきた亡国の徒ではないか。

 2000年に5人組の密室談合で発足した森政権以降、歴代自民党政権はこの国を「貧困と格差」が渦巻くヒドイ社会に変えてしまった。政権トップを務めた4悪人の高笑いは国民感情を思い切り逆撫でするものだ。

 とりわけ、この国を破滅の道へと歩ませたのが、01~06年の小泉政権時代だ。当時、森はキングメーカー気取りで、安倍と麻生は重要閣僚を歴任。「改革なくして成長なし」のワンフレーズ政治で、「構造改革」路線をひた走った結果、行き過ぎた規制緩和がもたらしたのは、社会の大きな「歪み」である。 

 

枚挙にいとまがない高笑い4人組の罪状の数々

 その歪みの象徴が、高速バスツアー事故の頻発だ。貸し切りバス事業は国の規制緩和で新規参入業者が激増し、過当競争が勃発。安全コスト軽視の格安ツアーが横行するようになり、長時間労働を強いられるドライバーの運転ミスで、十数人が犠牲となる事故が相次いでいる。

 04年には労働者派遣法を改定。製造業への派遣を解禁して以来、非正規雇用者の数は年々増え続け、今や労働者全体の4割を超えてしまった。「派遣切り」「ネットカフェ難民」「ブラック企業」という言葉を頻繁に耳にするようになったのも、小泉時代からだ。

 当然、低賃金の非正規が増えれば国民全体が貧しくなる。厚労省の毎月勤労統計調査のうち、1人当たりの「現金給与総額」は、小泉政権発足直後の01年6月には48万5588円。対する今年6月の同じ数字は43万3043円だ。この16年間で労働者の平均賃金は5万円以上も減ってしまったのだ。経済アナリストの菊池英博氏はこう指摘する。 

 

「小泉政権の大罪のひとつが『小さすぎる政府』を目指したこと。ただでさえ、日本の財政支出額は先進国の中で最低レベルだったのに、さらに切り詰めたのです。そのターゲットが社会保障費と地方交付税で、それぞれ数兆円単位で削減したため、医師不足で救急車たらい回しの『医療崩壊』が出現。そのクセ、大型店進出の規制緩和には歯止めをかけず、地方の商店街はシャッター通りと化したのです。地方がメタメタの惨状で内需は冷え込み、今なお続くデフレ不況を拡大させた罪は重い」

 これだけ国民を苦しめる大罪を犯した4人が、よくもまあガン首そろえてバカ笑いできるものだ。

■ナショナリズムに火をつけテロの標的に

 長引くデフレ不況のあおりで、日本の国際競争力も凋落の一途だ。主要国の名目GDPを比較すると、1997年を100とした指数は16年に米国が218、英国が205、ドイツが160と順調に成長を続けているのに、日本は88と独り負けだ。2010年には中国に抜かれ、約半世紀も死守してきたGDP世界第2位の座を明け渡した。 

 

経済低迷で国の借金だけが膨れ上がり、13年には1000兆円を突破。国際競争から取り残されて日本人が自信を失った反動だろう。狭小なナショナリズムに火がつき、「反中嫌韓」「ネトウヨ」なる言葉が定着していった。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「世の中全体が右傾化する中、03年のイラク派遣以降は自衛隊の海外展開はなし崩し。内実は米国追従の軍事一体化一辺倒です。安倍政権による集団的自衛権容認の安保法制によって、さらに一体化は強固となりましたが、その代償として日本人はテロリストの標的になってしまった。中東で日本人が人質になっても、小泉政権からは『テロには屈しない』という勇ましい一言で見殺しにしてきたのです。この強硬路線を決定づけたのも、大笑い4人組。今も安倍政権は北朝鮮有事にクチバシを挟み、進んでミサイルの的になろうとしています。国民の生命をないがしろにしておきながら、よくぞOLのインスタグラムのようにチャラチャラした写真を撮影できるものです」 

 

■自己責任のひと言で弱者を切り捨て

 日本社会を貧困と格差のドン底に叩き落としながら、政権とつるんだ一握りの“利権屋”が跋扈するようになったのも、小泉政権時代以降の弊害だ。

「労働法制の規制緩和に血道を上げ、派遣社員を増大させた竹中平蔵氏が、人材派遣会社の会長に収まったのが、いい例です。規制改革会議の議長だった宮内義彦氏が率いるオリックスに『かんぽの宿』が安値で一括売却されかけた騒ぎもありました。まるで『規制を破壊せよ、そこに利権がある』と言わんばかりで、獣医学部新設の加計問題に通じる権力の私物化の悪弊はこの頃から芽生えてきたのです」(菊池英博氏=前出)

「小泉チルドレン」や「魔の2回生」に代表される政治家の劣化。「政治主導」に名を借りた官僚制度の寸断による行政の公私混同。地元の意向を無視して辺野古移設をゴリ押し、沖縄の基地問題をこじれさせたのも4悪人の責任だ。 

 

4悪人の罪状を挙げていけばキリがないほどだが、高笑いの一枚に歴代自民党政権の悪巧み、破廉恥、国民愚弄、権力の私物化、お気楽と全てが写っている。前出の森田実氏はこう言った。

「何より彼らが罪深いのは国民の人心を荒廃させたことです。新自由主義に根差した拝金主義を奨励し、『今さえ自分さえよければ、カネさえ儲かれば』という風潮が蔓延。日本古来の助け合いの文化はズタズタとなり、『自己責任』という言葉で弱者を切り捨てるようになったのです。ここまで日本を破壊しながら、他人の別荘で高笑い写真とはいい気なもの。『フザケルナ』の一言です」

 国民もいつまでも4悪人の跋扈を許し、バカにされている場合ではない。 

 

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/212304/1