人生で1度は行ってみたいと思っていた念願の初音鮨。

行く前は楽しみだったのだが、終わってみると違和感だけが残った。

初音鮨の料金は、おまかせのみで当初は15000円、それが2017年から25000円に。

ミシェラン2つ星を続けて中断明けリニューアルオープンした2018年11月からは48600円に。

勿論その金額に見合う超高級食材をふんだんに使い原価率も高いため金額としては妥当だろう。


提供された料理は次の通り


(◯は握り)

●白身魚出汁のスープ

●神奈川県佐島産地蛸

●玄海灘産渡り蟹、ホタルイカと閖上の赤貝のわけぎ和え、長万部産北寄貝、鹿島灘産蛤

●本鮪 和歌山県那智勝浦産 赤身、中とろ、大とろの刺身、わさびは茅ヶ崎産

◯鹿児島産アオリイカとカラスミ

◯コハダ

◯淡路島産真魚鰹

◯和歌山産鯵

◯千葉勝浦マカジキ

◯対馬産のどぐろ

◯岩手産牡蠣 ふきのとう味噌と牡蠣煮汁

◯青森風間浦産雲丹

●臼杵産天然とらふぐの茶碗蒸し

◯本鮪赤身の漬け⭐️

◯中とろ漬け

◯毛蟹のリゾット

◯大とろ藁焼き

◯鮪全部のせ巻き

◯干瓢巻き

●玉子焼き

◎葛切り  西表島黒糖

◎コーヒー

◎アイスクリーム


これだけのボリュームでエンターテイメントの要素も含み楽しませてくれる。(⭐️は最高に美味しかったもの)


違和感は入店直後から。

私と同僚以外の男性客は皆Tシャツなのだ。

ホリエモンからスタートした?ドレスコードなど関係ないあの独自文化だ。

噂には聴いていた、六本木や麻布界隈のIT長者がラフな格好で超高級店を占領するあれである。


2番目は寿司の食べ方。

ネタが舌の上に来るように口に入れ、5秒噛んではいけない5秒ルールなるものがある。

これで鮨の美味しさが分かるらしいのだがそうだろうか?

初めて行った客のために最初に常連さんへ提供して食べ方を見せてくれるのだ。


3番目は演出。

SNSと食べログレビュアーをやっている身からすると、写真を撮れるのは嬉しいし、素材の説明があるのも助かる。

ただ過剰過ぎないだろうか?


4番目は提供スピード。

デザート以外でこれだけの品があってたった75分。居酒屋の2時間限定宴会コースと同じなのだ。

ゆっくり酒を飲み、じっくり味わう余裕すらない。他店なら120分かけて提供される内容だけに忙しすぎる。

回転率が大切な豊洲の寿司大と変わらない。


最後に料理そのもの。

コストパフォーマンスが高くないのだ。

旬の最高の素材を食べられる!それだけであり、それ以上が少ない。

白身系は熟成させ過ぎて1番美味しい時期を逃している。コハダの締め加減も微妙。

私が過去に高評価を付けた京橋の仁や小樽の浜谷とは違うのは包丁の切れ。

この二店は包丁の切れで魚の味を引き立てる。

素材の味を料理人の腕で最大限に引き立てる!これが江戸前の鮨だと思うのだが、残念ながらそこまでは感じない。

素材の良さで勝負している感じがあり、コストパフォーマンスが出ていない。


以上の違和感があった。

総括するとバブルなのだ!

30年前、金にモノを言わせ駆け抜けたあの時代の雰囲気を感じる。


良い勉強になった。こういう世界もあるのだと。

自分としてはコストパフォーマンスの高い店を求めて行きたい。

初音鮨に来たことにより、小樽の浜谷の価値が一段と高まった。札幌戦が楽しみだ!