ここ数日、こちらの『アドルフに告ぐ』の世界に入ってしまい、続きが気になって、気になって、ほとんど仕事になりませんでした。

 

以下の内容紹介にもあるように、こちらの『アドルフに告ぐ』オリジナル版は、1983年から、週刊文春に全113回連載された、連載当時の完全復刻版になります。

 

連載後の単行本化にあたって、削除されたページや改変された台詞が復元された上に、第何回連載と毎回書かれているので、まるで毎週心待ちにしていた連載をまとめて読めるワクワク感や次回が気になって仕方がない、懐かしの感覚まで味わいながらもうページをめくる手が止まらなくなってしまいました!

別冊の方に、しっかり単行本版描き下ろしページ分もあるので、4冊読み切った感覚は、もう〝たまらない〟

 

僕は、このタイミングで、『アドルフに告ぐ』を初めて読みましたが、雑誌より少し大きな大版のコミックなので、伝わってくるエネルギーも違うし、すでにお読みの方も、新たな楽しみ方を見つけることができる充実の内容だと思いますね。

 

以下、出版元である、国書刊行会さんの内容紹介より↓

 

「正義とは何か? 民族とは何か? 戦争とは何か?手塚治虫不朽の名作にして日本マンガの最高峰、オリジナル版がついに登場。

雑誌掲載版を再現し、大判と高精細印刷でおくる愛蔵版! 

〈これはアドルフと呼ばれた三人の男たちの物語である。彼ら三人はそれぞれちがった人生をたどりながら一本の運命の糸で結ばれていた――〉

ドイツ外交官と日本人妻の息子アドルフ・カウフマン、神戸のユダヤ人パン屋の息子アドルフ・カミル、そしてナチ・ドイツ総統のアドルフ・ヒットラー。第二次世界大戦時の日本・ドイツを舞台に、三人のアドルフの数奇な人生をめぐる大河ドラマとして、手塚治虫が自らの戦争体験を渾身の力を込めて描いた後期の代表作『アドルフに告ぐ』、雑誌掲載オリジナル版を初めて完全復刻。連載時の扉や単行本化で削除されたページ、改変された台詞を復元し、大判サイズ(B5判)で原画を高精細印刷した函入り愛蔵版!  

刊行35周年記念出版 全3巻(382/382/372頁)+別冊(98頁)」

 

◎『アドルフに告ぐ』のオリジナル版と単行本版の違いについて詳しくは、国書刊行会さんのnoteページも、かなりの長文ですが、よろしければご覧ください↓

「『アドルフに告ぐ オリジナル版』別冊所収の解題を公開!」

https://note.com/kokushokankokai/n/n132d9413a09d

 

 

noteページよりオリジナル版のポイントは…↓

 

「本書には、手塚治虫が《週刊文春》一九八三年一月六日号から八五年五月三十日号にかけて連載した『アドルフに告ぐ』全一一三回を、初出時の形で完全収録した(但し、連載途中、八四年十二月十三日号から翌年二月十四日号までは休載。これは手塚が十一月二十二日に急性肝炎と胆石で半蔵門病院に入院したためだ)。

これまで出版された本作の単行本は、すべて手塚自身が再構成した最初の単行本を底本としており、連載時のままの構成で刊行されるのはこれが初めてである。そのため、本書によって、毎週十頁という限られた紙幅で、手塚がいかにドラマを盛り上げ、読者を惹きつけるために工夫を凝らしたかを改めて確認することが出来る趣向だ。連載時の読者には、先の見えない展開に胸躍らせた当時の興奮を、初見の読者には、連載形式を追体験しながら頁を繰る醍醐味を味わって頂きたい。また、本書では雑誌サイズ(B5判)をやや大きめに掲載し、現存原稿の再調整を施した上で、緻密な描写をより鮮明に印刷すべく高級紙を採用した。刊行後三十五周年記念出版としての愛蔵版を謳う所以である。」

 

「本作の単行本化に際しては、手塚自身がインタビュー(別冊収録)で述べているとおり、連載時には描ききれなかった部分が多く、全体で約五十頁に及ぶ増補、描き下ろしがなされている。特に、ヒットラー出生の謎をめぐる物語にリアリティをもたせたゾルゲ事件については、手塚自身思い入れが深く、単行本版で五頁も増補された(第二十五章冒頭。なお、本書三巻三十三頁に出てくるゾルゲ関連メンバーの尾崎秀実は手塚が本書のために取材協力を仰いだ評論家の尾崎秀樹の異母兄にあたる)。一方、本作には単行本化の際に削除された頁、つまり本書でしか読めない場面が複数ある。」

 

つい先程、別冊までの全4冊合計約1200ページを読み終わったばかりなのですが、一つの長編映画を見終わった時のような感覚で、内容紹介や帯にあるように、

 

「正義とは何か?民族とは何か?戦争とは何か?」

 

ということを、深く深く考えさせられました。 

 

そして、3人のアドルフの正義の先に見た運命やその結末は、時代や状況は違えど、今の世の中に重ね合わせても読めて、これまで手塚治虫の『火の鳥』や『ブッダ』は読んでいたのに、なぜ『アドルフに告ぐ』だけは今まで読んでこなかったのか?

 

読み終わって理由がわかった気がします。

 

言葉にするのはなかなか難しいけど、僕にとって、読むタイミングは、まさに「今!」でした。

 

特に、今も強く考えさせられているのは、「民族」「正義」について。

 

別冊の「手塚治虫と戦争」中条省平著には、こう書かれていました。

 

「『アドルフに告ぐ』は、ぼくが戦争体験者として第二次大戦の記憶を記録しておきたかったためですが、何よりも、現在の社会不安の根本原因が戦争勃発への不安であり、それにもかかわらず状況がそのほうへ流されていることへの絶望に対する、ぼくのメッセージとして描いてみたかったのです。『ぼくのマンガ人生』より

 

そうだとするなら、『アドルフに告ぐ』において、戦争の根源にあるものは何であると認識されているでしょうか?それは民族という観念です。」

 

「『アドルフに告ぐ』で、民族という観念に次いで重要な位置をもっているのは、正義という観念です。ー中略ー

『アドルフに告ぐ』に登場する三人のアドルフは、ヒットラーも、カウフマンも、カミルも、民族的正義という幻想に囚われ、最後まで人殺しをやめることができませんでした。つまり、三人のアドルフは三人のヒットラーともいえるのです。そして、民族的正義を信じる人は誰でもアドルフになり、ヒットラーになりうるということです。アドルフとは私たち自身かもしれないのです。」

 

「アドルフは私たち自身かもしれない。」

 

この問いは、今尚響き渡っているし、考え続けたい、生き方やこの先の未来まで考えさせられる大切な問いになりました。

 

皆さんが今この『アドルフに告ぐ』を読まれたら、どんな問いが生まれるが生まれるでしょうか?

 

すでに、『アドルフに告ぐ』を読まれた方も、これからという方も、セット価格で、税込22,000円という愛蔵版になりますが、価値は十分にあると感じますし、この機会に、手塚治虫の最後の長編と言われる『アドルフに告ぐ』の雑誌連載当時の完全復刻版を是非!

 

しかも、こちらの『アドルフに告ぐ』の連載開始と、最終回の年代が、共に1983年という僕が生まれた年で、何かただならぬ運命のようなものを強く感じてます…。

 

貴重な愛蔵版セットのため、ご予約のみ受付!

 

◆『アドルフに告ぐ』オリジナル版 

全3巻+別冊愛蔵版セット! ¥22,000(税込)

ご予約はこちら↓

https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=158733603