爆弾?に手を伸ばした瞬間
ボクチンの腕を「ガッ!」と握った男は
「ドカーーーーン!」と店内を揺るがすような声をあげた
「うっぎゃーーーーーーーああ!!」
ボクチンは驚いてカウンターのイスから転げ落ちそうになった
「一番信じてるのドクロッチじゃない」
なんさんが笑うのをなんとかこらえて という表情でツッコミをいれる
ボクチンの腕をとった男はなんさんに
「困りますよ~なんさん以外の人の指紋はつけないでくださいっておねがいしたじゃないですか」
「あ、そだった!ごめんごめん!」
「じゃ じゃあちょうどいいから Zさん 皆に説明してくんない?」
「私説明苦手だし」
めんどくさいだけじゃないの?
「ええ、そうですね」
Zさん?は なんさんの横に行くと語りだした
「どうも、みなさん おひさしぶりです」
「ドクロさん?ははじめましてですね」
「どうも ドクロさん ゼータ と申します」
「素性は詳しく明かすことができませんが、コードネームZといいます」
「本当にすいませんが この名前から察してやってください」
「そして そこにいるゴスロリさんの まあ いわば広い意味での同僚です」
Zさんはアヤさんのほうを見る
あ、さっきアヤさんと一緒のテーブルに座っていた人だったか
彼氏かとおもった・・・
「アヤさんは日本版007してるのよね!」
「言っちゃダメですったら~~!」
シーンとオブジェになっていたアヤさんは なんさんの一言でまた涙目になる
Zさんはつづけて語る
「爆弾というものは作る人の個性がよく現れるものなのです」
「テロリストやプロは自分の爆弾を芸術品にたとえることもあり、こだわりがでやすいものなのです」
「と いうことで今回のこの爆弾の犯人を特定すべく 私が呼ばれたんです」
Zさんはビニール製の手袋をはめ、バスケットのフタをあけ爆弾部分を抜き取り
カウンターの上においた
「素晴らしいです」
「恐ろしく合理的な構造で美しい」
「それでいてこの爆弾は、ご家庭にあるものだけで作っているのです」
「今まで見てきた爆弾の中で この手のタイプはいませんでした」
「これを作った者は・・・」
Zさんは自分を落ち着かせるように目を閉じた後
「作った者は恐ろしく知能の高い・・・・・」
「・・・素人です」
つづく
