自作小説 「機械」 起その10 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

「オタク仮面参上!!」と叫びながら勢いよく立ちあがる

なんさんの頭が鳥かごにぶつかったとき、不思議なことがおこった


「ピーーー!ピピピッ!」


オブジェだと思っていた鳥かごの中のカナリヤが鳴き叫び、跳ねまわりだしたのだ

このカナリヤが本物のカナリヤだと見分けられた客はいない


バー「なんと」がどんなにお客でにぎわって、騒がしくても

この鳥は一切鳴かないし、ピクリとも身動きせず止まり木に止まっている


まるで、鳥かごの中だけ時間が止まってしまっているように感じる


「ああっごめんねごめんね、カナリヤさん」

なんさんが揺れているカゴに手をそえる


が、カナリヤは火がついたようにカゴの中を暴れまわる


「部長、悪いけど、お願いできる?」


部長は石仮面を受け取り、傷がないかチェックしたあと「ああ、うん、ちょっとまってね」

と、ネクタイを緩める


カナリヤのカゴに向かって人差し指を指さすと

「んっ!」とうなる


すると部長の手が、まるで蜃気楼や、陽炎のようにブレてみえ

そこから部長の背後に人影のようなものがあらわれる


「じゃ、落ち着いてみようか、カナリヤさん」

と、つぶやくと

部長の背後の影から発せられた、見えない力がカナリヤの体を通り抜ける


カナリヤはゆっくりと止まり木に戻ると、まるで液体窒素で瞬間冷凍された花ビラのように

ピタリと動きを止め、もとのオブジェにもどった


「おみごとです、部長」ミコシさんがほほ笑む

そして「その力、今回は使えないってことですね?」


「うん、今回は使えないんだ、ましてや僕の本当の力は使っちゃいけないんだ」

「彼自身が自分の意思で踏みとどまってもらいたいんだ」


「だから、これは賭けになるんだけど、ドクロさんにいってもらった」

「ミコシさんにも、本当にすまないと思っているんだ」


いつのまにか石仮面をかぶったミコシさんが

「いえいえ、大丈夫ですよ、こんなすごいお宝が手に入るんですから、がんばっちゃいますよ」

ミコシさんが仮面の下で、またほほ笑む


こうしてバー「なんと」の夜は更けていく


そういえば


この物語にミコシさんはあまり、関係してこないと書いたが

すいません、あれはウソでした(●´ω`●)ゞ


つづく