暗記不要の簿記独学講座【簿記革命】 -80ページ目

値引きについての取引と仕訳

簿記(TOP)>簿記3級>値引きについての取引と仕訳


この記事には改訂版がございます。改訂版は値引きと返品の取引と仕訳(三分法)をご覧下さい。


値引きの仕訳についてお伝えします。

1.仕入時に値引きを受けた

商品を仕入れたとき、その商品に傷が付いていたり、数量が不足していたりすることがあります。
その場合、代金を減額します。
これを値引きといいます。

当社はA商店から商品50,000円分を現金で仕入れた。
ところが、商品に傷があったため10,000円の値引きを受け、現金を返してもらった。

この場合の後半部分の仕訳を考えてみましょう(前半部分は仕入と売上についての取引と仕訳の1と同じです)。

値引きは売買代金の減額です。
本来の売買代金である50,000円が10,000円分減額されて40,000円になるということです。
これは前半部分の仕訳である

(借)仕入 50,000/(貸)現金 50,000

が、

(借)仕入 40,000/(貸)現金 40,000

に修正されるということです。

ただし、仕訳では消しゴムは使いません。
金額を減らすときには逆仕訳を切ります
逆仕訳とは貸借逆の仕訳です。
つまり、

(借)現金 10,000/(貸)仕入 10,000

という仕訳を切るのです。

もともとの仕訳が、

(借)仕入 50,000/(貸)現金 50,000

そのあと、値引きがあった時点で

(借)現金 10,000/(貸)仕入 10,000

という仕訳を切ることで、仕訳が

(借)仕入 40,000/(貸)現金 40,000

に修正されます。
仕入10,000と現金10,000が相殺されると考えると分かりやすいと思います。

2.売上げ時に値引きに応じた

値引きの意味については1と同じです。
ここでは売上げ時に値引きに応じた場合の仕訳を考えてみましょう。

当社はB商店に商品80,000円分を現金で売上げた。
ところが、商品に傷があったため10.000円の値引きの要求があり、これに応じて現金を返した。

この場合の後半部分を考えてみましょう(前半部分は仕入と売上についての取引と仕訳の2と同じです)。
値引きは売買代金の減額です。
本来の売買代金である80,000円が10,000円分減額されて70,000円になるということです。
これは前半部分の仕訳である

(借)現金 80,000/(貸)売上 80,000

が、

(借)現金 70,000/(貸)売上 70,000

に修正されるということです。

ただし、仕訳では消しゴムは使いません。
金額を減らすときには逆仕訳を切ります。
つまり、

(借)売上 10,000/(貸)現金 10,000

という仕訳を切るのです。

もともとの仕訳が、

(借)現金 80,000/(貸)売上 80,000

そのあと、値引きに応じた時点で

(借)売上 10,000/(貸)現金 10,000

という仕訳を切ることで、仕訳が

(借)現金 70,000/(貸)売上 70,000

に修正されます。
売上10,000と現金10,000が相殺されると考えると分かりやすいと思います。

仕入時の値引きと考え方は全くといっていいくらい同じです。

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仕入と売上についての取引と仕訳

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この記事には改訂版がございます。改訂版は三分法の取引と仕訳をご覧下さい。


三分法の中で最もよく使われる、仕入れたときと売上げたときの仕訳についてお伝えします。

1.商品の仕入

「当社はA商店から商品50,000円分を現金で仕入れた」場合の仕訳を考えてみましょう。

まず現金を相手に支払うので現金が減ります。
現金は資産なので資産の減少になり、貸方に記入します。
『(貸)現金50,000』となります。

次は借方です。
この場合、借方で使われるのは費用勘定である『仕入』になります。
よって『(借)仕入50.000』となります。

まとめると、

(借)仕入 50,000/(貸)現金 50,000

となります。

ちなみに、貸方は現金以外の場合もいろいろなパターンがあります。
掛で買ったら買掛金、小切手を振り出したら当座預金などです。

2.商品の売上

「当社はB商店に商品80,000円分を現金で売上げた」場合の仕訳を考えてみましょう。
まず現金を受け取るので現金が増えます。
現金は資産なので資産の増加になり、借方に記入します。
『(借)現金80,000』となります。

次は貸方です。
この場合貸方で使われるのは収益勘定である『売上』になります。
よって『(貸)売上80,000』です。

まとめると、

(借)現金 80,000/(貸)売上 80,000

となります。

ちなみに、この場合も借方は現金以外の場合もいろいろなパターンがあります。
掛で売ったら売掛金などです。

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取引の目的と使われる勘定科目の関係

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取引の目的と使われる勘定科目の関係

簿記を学習していくときにミスしやすい点として、『モノ→勘定科目』という流れで考えてしまうという点があります。
このように考えても通常は正解になりますが、出題のされ方によっては間違いにもなります。
場合によっては合否を分けるケースもあるので注意が必要です。

簿記ではモノ自体ではなく、そのモノをどういう目的で取引したかで勘定科目が変わります

消しゴムを買った場合、その企業が消しゴムを日常の業務で使う目的で買った場合は『消耗品』ですが、文房具店がお客様に売る目的で買った場合は『仕入』になります。

ビルを買った場合、その企業が入居してそこを事務所として使う場合は『建物』ですが、不動産業者がお客様に売る目的で買った場合は『仕入』になります。

車を買った場合、その企業が使用する目的で買った場合は『車両運搬具』ですが、車を販売する企業がお客様に売る目的で買った場合は『仕入』になります。

このように、どのような目的で取引を行ったかで仕訳が変わるのです。
消しゴム→消耗品、ビル→建物、車→車両といったように『モノ→勘定科目』と考えてしまうと出題のされ方によっては勘定科目を間違えてしまうかもしれません。
『目的→勘定科目』という考え方も身につけておきましょう

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三分法で使用される勘定科目

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三分法で使われる勘定科目についてお伝えします。

三分法で使われる勘定科目

三分法では、商品売買取引を3つの勘定科目で表します(だから三分法という名前になっています)。
その3つの勘定科目とは、『繰越商品』『仕入』『売上』です。
これら3つの勘定科目を使って商品売買の仕訳を切るのです。

繰越商品とは…

繰越商品勘定は資産の勘定です。
金額は原価で記入します。
繰越商品勘定は前期から在庫を繰り越してきた場合、次期に在庫として繰り越す場合に使います。
逆に言えば、期中に仕入れた商品に対しては使いません
つまり、繰越商品という勘定科目で仕訳を切るのは決算のときだけになるということです。

仕入とは…

仕入勘定は費用の勘定です。
金額は原価で記入します。
仕入勘定は期中に商品を仕入れたときに使います
全く同じ商品でも前期からの繰り越しや次期への繰り越しの場合には繰越商品という資産勘定が使われ、期中の仕入れの場合は仕入という費用勘定が使われるということになります。

売上とは…

売上勘定は収益の勘定です。
期中に商品を売り上げたときに使います
金額は売価で記帳します。

繰越商品勘定と仕入勘定は原価で記帳しますが、売上勘定は売価で記帳します
こうすることで、『売価-原価=利益』という形で利益を計算するのです。

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商品売買の記帳方法

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商品売買についてお伝えします。

商品売買の記帳方法はたくさんある

商品売買について、簿記ではたくさんの記帳方法があります。
二分法・三分法・五分法・七分法・九分法、売上原価対立法、分記法、総記法など、ぱっと思いつくだけでこれだけあります。
しかし、簿記3級で出題されるのは三分法のみです。

実務での記帳方法の選択は任意

実務上どの記帳方法を選択するかは企業に任せられています。
現実には、適していない記帳方法で帳簿をつけるのは大変なため、取引の実態に適した方法が選択されています。
これらの記帳方法の中で、最も色々な業種・業態に使えるのが三分法です。
最も使われている記帳方法だから、簿記3級で出題されるのです。

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小口現金出納帳

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小口現金出納帳についてお伝えします。
補助簿に対する学習の姿勢などで補助簿については特に覚えることもないし、重視することもないとお伝えしてきました。
しかし、この小口現金出納帳は少々気をつけるべきところがあります。

小口現金出納帳は小払係がつける

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)を採用している場合、小払係が経理課に支払報告をします。
その支払報告をこの小口現金出納帳で行うのが一般的です。
報告と同時に小口現金出納帳を締切るのです。
経理課以外がつける補助簿ということでやや特殊です。

小口現金出納帳

即日補給と翌日補給の2パターンあるので一つずつご紹介します。

1.即日補給の場合

即日補給の小口現金出納帳のひな形は下のようなものになります。

小口現金出納帳1

小口現金出納帳への記帳の流れを押さえておくことが重要です。

1.前週繰越を記入

即日補給の場合は補給の後に繰り越されるため、繰り越される金額は補給後の金額、つまり最初に小払係に渡すと決めた金額と同じになります
この金額を受入欄に記入します。

2.日々の支払を記入

日々の支払を記入します。
内訳のどの欄に記入すべきかは仕訳が切れれば分かります。
摘要欄は問題文をそのまま写す形で大丈夫です。

3.支払報告

帳簿を締めて合計金額を記入します。
そして経理課に支払報告をします。

4.支払分の補給

支払い合計額と同額を受入欄に記入します。
即日補給なので、日付は支払報告した日付となります。

5.次週繰越を記入

即日補給の場合は補給の後に繰り越されるため、次週繰越の金額は最初に小払係に渡すと決めた金額と同じになります
また、次週繰越に関しては赤字で記入する必要がありますが、検定試験では赤色鉛筆が持ち込めないため黒字で記入して大丈夫です。

6.帳簿の締め切り

ここでもう一度帳簿を締め切り、受入欄と支払欄の金額の一致を確かめます。

7.前週繰越を記入

1と同様です。
以下はこれらの繰り返しになります。

2.翌日補給の場合

翌日補給の小口現金出納帳のひな形は下のようなものになります。

小口現金出納帳2

翌日補給の場合も小口現金出納帳への記帳の流れを押さえておくことが重要です。

1.前週繰越を記入

翌日補給の場合は繰り越したあとに補給されるため、繰り越される金額は最初に小払係に渡すと決めた金額から先週に支払った金額を引いた金額になります
この金額を受入欄に記入します。

2.支払分の補給

翌日補給の場合、支払分の補給は繰越したあとになります。
先週に支払った金額を受入欄に本日補給として記入します。
前週繰越の金額と本日補給の金額を加えると、最初に決めた金額になります。
ちなみに、このひな形では、先週の支払額が80,000円だったとみなして作成しています。

3.日々の支払を記入

日々の支払を記入します。
内訳のどの欄に記入すべきかは仕訳が切れれば分かります。
また、摘要欄は問題文をそのまま写す形で大丈夫です。

4.支払報告

帳簿を締めて合計金額を記入します。
そして経理課に支払報告をします。

5.次週繰越を記入

翌日補給の場合は支払った金額を補給される前に繰り越すことになります。
そのため、繰り越される金額は最初に小払係に渡すと決めた金額からその週に支払った金額を引いた金額になります
また、次週繰越に関しては赤字で記入する必要がありますが、検定試験では赤色鉛筆が持ち込めないため黒字で記入して大丈夫です。

6.帳簿の締め切り

ここでもう一度帳簿を締め切り、受入欄と支払欄の金額の一致を確かめます。

7.前週繰越を記入

1と同様です、以下はこれらの繰り返しになります。

即日補給と翌日補給の違いに注意

即日補給と翌日補給では、

  • 繰り越される金額
  • 補給のタイミング

が違います
この違いをしっかりと意識して2つの小口現金出納帳の記帳の流れを理解しておくことが重要です。

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定額資金前渡制度(インプレスト・システム)の具体例

簿記(TOP)>簿記3級>定額資金前渡制度(インプレスト・シス…


この記事には改訂版がございます。改訂版は小口現金と定額資金前渡制度(インプレスト・システム)をご覧下さい。


定額資金前渡制度(インプレスト・システム)の具体的な取引と仕訳についてお伝えします。

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)の具体例

具体例を使って考えてみましょう。

当社では7月1日から定額資金前渡制度(インプレスト・システム)を採用することを決めました。
今までの経験から、1週間あたり100,000円小口現金があれば支払に困ることはなさそうだと分かったので、金額は100,000円を定額として小払係に渡すことにしました。
というわけで7月1日に小口現金を小払係に渡しました。
その後、7月2日に電車代10,000円、7月3日に電話代15,000円、7月4日に茶菓子代20,000円、7月5日に電気代25,000円を小口係が社員などに支払いました。
そして、7月7日に経理課に支払報告を行いました。
7月7日(即日補給の場合)または7月8日(翌日補給の場合)に支払分の補給を行いました。

では、この取引について具体的に仕訳を考えてみましょう。

1.現金の前渡し

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)を採用することにし、金額は100,000円を定額として小払係に渡すことにしたので、100,000円分の小切手を振出して小払係に渡すことになります。
よって、資産である当座預金が減少するので『(貸)当座預金100,000』です。

借方には若干注意が必要です。
前渡しすることになるため、『(借)前払金100,000』となると考えることもできそうですが、これは間違いとなります。

前払金というのは企業の外の取引相手に対して現金などを前もって払ったときに使う勘定科目です。
前払金という勘定科目は前もって払った資金を返してもらう権利、または払った資金に見合った商品やサービスの提供を請求する権利と考える資産の勘定です。
この場合は企業の内部である小払係に小切手を切って渡しただけであり、何の権利も発生していません。
前払金勘定を使うのは不適切だと考えられます。

ここでの借方は小口現金となります。
小払係はもらった小切手を金融機関に持って行って現金に換えます。
つまり、小口現金(資産)の増加となるのです。
『(借)小口現金100,000』となります。

まとめると、

(借)小口現金 100,000/(貸)当座預金 100,000

となります(1勘定制の場合は貸方は当座になります)。

2.色々な支払い

ここでは、7月2日に電車代10,000円、7月3日に電話代15,000円、7月4日に茶菓子代20,000円、7月5日に電気代25,000円と支払いがあります。

しかし、この時点では仕訳は切りません。
仕訳を切るのは経理課の仕事です。
小払係は支払報告をまとめておくだけで、仕訳は切りません。

この時点ではまだ支払報告を受けていないため、これらの支払いを経理課はまだ知りません。
経理課はまだ仕訳を切れないのです。
よって仕訳は、

『仕訳なし』

となります。

3.支払報告

支払報告を受けた時点で経理課はその支払に見合った勘定科目で仕訳を切ります。
支払は小口現金で行われているので、『(貸)小口現金70,000』となります。

借方は適切な勘定科目で仕訳を切ります。
電車代は交通費、電話代は通信費、茶菓子代は雑費、電気代は水道光熱費という勘定科目で記帳します(茶菓子代は、ここでは会社内で使用したこととします。接待で使った場合は交際費になります)。
よって『(借)交通費10,000』『(借)通信費15,000』『(借)雑費20,000』『(借)水道光熱費25,000』となります。

まとめると、

(借)交通費    10,000/(貸)小口現金 70,000
(借)通信費    15,000/
(借)雑費      20,000/
(借)水道光熱費 25,000/

となります。

4.支払分の補給

小払係が支払った小口現金を補給します。
考え方は1と同じになります。

仕訳は、

(借)小口現金 70,000/(貸)当座預金 70,000

となります。
これで、小口現金の残高は週の初めに戻ります。
ちなみに、この仕訳は、支払報告と同時に行われる場合は支払報告の日(7月7日)に、支払報告の翌日に行われる場合は支払報告の翌日(7月8日)に切ります。

ちなみに、支払報告と支払い分の補給が同時に行われる場合には3と4の仕訳を合体させて、

(借)交通費    10,000/(貸)当座預金 70,000
(借)通信費    15,000/
(借)雑費      20,000/
(借)水道光熱費 25,000/

とすることもできます。
借方と貸方両方に同額出てくる『小口現金70,000』を相殺しています。

定額資金前渡制度に関する仕訳のポイントは次の2つです。

  • 経理課と小払係の資金の移動は会社の中での資金の移動
  • 仕訳を切るのは経理課であり、仕訳は経理課の立場で行う

ここをきちんと理解しておけば、仕訳は理解しやすいと思います。

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小口現金

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小口現金についてお伝えします。

小口現金とは…

企業が活動を行っていく上で、日常的に現金で何かを買ったり支払ったりします。
金額は少額でも回数は頻繁です。
社員の交通費、文房具代や郵便切手代、コピー代など、お客様が来店すればお菓子やお茶などを買うこともあるでしょう。
これらの現金支出のたびに現金を金庫から出し、仕訳を切るのはかなりの手間となります。

現金は安全のため、厳格な管理が必要です。
盗難や紛失、横領があっては大変です。
帳簿残高と実際の残高の一致も頻繁に確認しなければいけません。
仕訳を切る手間だけではなく、これらの作業も相当の手間です。
そこで、小口現金という勘定を使って日々の支出を管理する場合があります。

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)

企業は安全管理上、多額の現金を会社に置いておくことはほとんどありません。
わずかな資金を手元に置き、現金のほとんどは銀行に預けるのです。
その場合の代表的なシステムが、定額資金前渡制度(インプレスト・システム)です。

このシステムは、経理課が1週間(1ヶ月の場合もあります)に必要な金額を見積もって小払係に現金を預けておきます。
そして、1週間(または1ヶ月)後に小払係から支払報告を受けて、その支払分を補給します。

図で表せばこのような感じになります。

定額資金前渡制度

1.現金の前渡し

このシステムを採用すると決めた時点で、経理課から小払係に現金を前渡しします。
この際、普通は小切手を振出します。
受け取った小払係はその小切手を金融機関に持ち込み、現金に換えます。

2.色々な支払い

社員が会社の用事で現金が必要な場合、小払係から社員に現金を支払います。
交通費や消耗品費など様々な現金支払いがあります。
小払係はそれぞれの支払いを支払報告書にまとめておきます。

3.支払報告

週末(または月末)に小払係は経理課へ支払報告を行います。
この報告を受けた経理課は適切な勘定科目で仕訳を行います。

4.支払分の補給

このままでは小払係の現金が少ないままになっていて、次週以降の支払に支障が出てしまいます。
そこで、支払分の補給を行います。
補給が行われた後では、小払係が持っている小口現金は週の初め(月初)と同じに戻ります。
ちなみに、補給のタイミングは支払報告と同時に行われる(週末または月末)場合と支払報告の翌日に行われる(翌週の初めまたは翌月初)場合の2種類があります

以後は2から4を繰り返します。

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当座預金出納帳

簿記(TOP)>簿記3級>当座預金出納帳


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当座預金出納帳についてお伝えします。

当座預金出納帳

当座預金出納帳のひな形は下のようなものになります。

当座預金出納帳

日付のところに日付を書く、預入、引出、借/貸、残高のところに、預入、引出、借/貸、残高を書く…。
このように当たり前の記入になっています。
摘要欄はやや複雑ですが、摘要欄に書くことは企業によって様々ですので、問題文に指示があるか、なければある程度適当に勘定科目などを書いておけばいいということになります。

「次月繰越は赤字で書く」というルールがありますが、実務でならともかく、簿記3級の検定では赤色鉛筆は持ち込めませんので、黒で書くことになります。

このように考えていくと、覚えなければいけないことはほとんどありません
仕訳がきちんと切れて、一度ひな形に目を通しておけば十分でしょう。

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当座借越の具体例(1勘定制)

簿記(TOP)>簿記3級>当座借越の具体例(1勘定制)


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当座借越勘定を利用しない1勘定制についてお伝えします。

実務的にはほとんどが1勘定制

2勘定制は理論的に正しいため検定試験ではよく出題されます。
しかし、実務的にはこれからご説明する1勘定制がほとんどだと思います。
2勘定制はものすごく大変なのです。

当座借越の具体例(2勘定制)で出てきた

(借)買掛金 200,000/(貸)当座預金 150,000
              /(貸)当座借越 50,000

という仕訳を考えてみましょう。
この仕訳を切るためには、当座預金の帳簿残高を把握していなければなりません。
把握していなければ当座預金の金額をいくらにするか決められないのです。
差額で求める当座借越の金額も決まりません。

常に当座預金の帳簿残高を把握しておくのはかなり大変です。
ものすごく小規模な企業で、小切手帳をたまにしか使わないというのであればそれほど大変ではないかも知れません。
しかし、毎日何十、何百と小切手を切るような企業が常に当座預金の帳簿残高を把握するのは大変です。

取引している銀行は一つとは限りません。
小規模な企業で、全ての当座預金の出入りを一つの銀行で行っているような場合はそれほど大変ではありません。
しかし、複数の銀行と取引がある場合、その全ての銀行の残高を把握しなければいけません。
付き合いのある銀行が多くなると、かなり大変になります。

簿記3級で対象となっている個人商店であれば2勘定制を採用している企業が多いかもしれませんが、企業全体を見渡せば、ほとんどが1勘定制を採用していると思います。

1勘定制は当座預金も当座借越も当座で表す

1勘定制は全ての勘定を「当座」という勘定で済ませます
理論的には2勘定制が正しいといえます。
1勘定制は理論的には少々納得出来ない部分もありますが、実務上の簡便性を重視しています。
全てを『当座』という勘定で表すため、借方に残高があるときは当座預金と同じ意味で資産を表す勘定、貸方に残高があるときは当座借越と同じ意味で負債を表す勘定となります
少々特殊な勘定となります。
当座預金という勘定が負債になると、預金が負債という違和感が強くなりすぎるため、当座という勘定になっています。
しかし、問題の指示によっては当座預金勘定であっても1勘定制の場合もあるので注意が必要です。

1勘定制の取引と仕訳の例

では、当座借越の具体例(2勘定制)で使った例で仕訳を考えてみましょう。
「当座預金の残高が150,000円のときに買掛金支払いのために200,000円分の小切手を振出した」場合の仕訳を考えてみます。
買掛金を200,000円分支払うので、買掛金(負債)が200,000円分減少します。
『(借)買掛金200,000』です。

次は貸方です。
1勘定制の場合は当座預金の残高がたとえ150,000円分しかなかったとしても当座勘定を200,000円分減らします。
そのため、仕訳は『(貸)当座200,000』となります。
まとめると、

(借)買掛金 200,000/(貸)当座 200,000

となります。
この時点で帳簿を締めると当座勘定の残高は貸方に50,000円となりますが、これはこれでこのままにします。
貸方に残高があるということは、意味的には当座借越と同じで短期借入金(負債)となります。

当座預金口座に入金があった場合

上の例の続きを考えてみましょう。
「当座残高が貸方に50,000円分ある状態で当座預金口座に売掛金の回収として100,000円分の入金があった」場合の仕訳はどうなるでしょうか。

売掛金を回収することで現金を請求する権利がなくなり(資産の減少)、その分当座預金が手に入る(資産の増加)と考えられます。
売掛金の減少が『(貸)売掛金100,000』、当座預金の増加が『(借)当座100,000』です。

まとめると、

(借)当座 100,000/(貸)売掛金 100,000

となります。
この仕訳を切ることで、自動的に当座勘定は借方残高になります。
当座借越の残高を先に解消するといったことを考える必要はありません。

2勘定制と比べると極めて簡便です。

当座勘定が貸方にある場合は貸借対照表では短期借入金

この当座勘定が期末まで貸方に残っている場合は短期借入金勘定に振り替えます

この作業は1勘定制でも行わなければいけません。
当座勘定は、当座預金の残高がマイナスのときにだけ一時的に貸方に出てくる勘定です。
これを貸借対照表に表示するのはあまり格好よくありません。
そこで、当座勘定が貸方に残っている場合、短期借入金勘定に振り替えるのです。
当座勘定が貸方に50,000円の残高がある場合、まず当座勘定を50,000円減らすので『(借)当座50,000』となります。
そして、短期借入金が増えるので、『(貸)短期借入金50,000』となります。

まとめると、

(借)当座 50,000/(貸)短期借入金 50,000

となります。

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