今回はスキーをしたいということで蔵王へと赴くこととなった。そのスタートは新宿駅の夜行バスの移動から始まった。そして、翌日の早朝に山形駅に到着。朝も早いので駅の近くにある『霞城公園』に向かった。立派な城門が残っていて、趣があったが公園の中で工事している部分が多く一番良い状態が見られず残念であった。

 

次に向かったのは『米沢』である。そこでレンタサイクルを借りて、米沢市内を周った。最初は上杉謙信を祀り米沢城の本丸の場でもある『上杉神社』を参拝した。米沢辺りはまだ寒く、少し雪も残っており、神社の厳かな雰囲気とともに静かな時間を楽しんだ。その他にもその周辺には『上杉伯爵邸』『上杉家廟所』などの代々の上杉家にまつわる歴史的建造物が多数あった。

 

 

観光を楽しんだ後にせっかく米沢に来たからには米沢牛を食べようということになった。しかし、気付いたら乗ろうと思っていた電車の時間まで30分しかないのである。そういうことで急いで店に入り、それぞれ牛丼や焼肉定食などを頼んだ。すごく美味しかったが、ゆっくり楽しむ余裕もなく15分程で食事を済ませ、ぎりぎりで電車に飛び乗った。

次に赴いたのは『高畠ワイナリー』である。この場所では工場見学はもちろん、ショップで様々なものが見られる。施設は全体的に綺麗でカフェなどがあり、おしゃれな造りをしている。ショップでは、ワインも当然あったが美味しいぶどうジュースやお菓子などもあり、バラエティが豊富であった。

 

1日目の最後は上山市という場所に訪れた。上山市は全体が温泉地となっており、至る所に足湯がある。そして、この場所にある『上山城』はしっかりとした城の形を残しており、その天守閣からは上山市内が一望することができる。そして上山市の観光を終え、山形駅周辺のホテルに入り、1日目は終わった。

 

2日目はいよいよスキーをするため、山形駅から『蔵王温泉スキー場』までバスを移動した。3月ということで人は少なめな分、上級者が多い感じだった。今回は渡辺が初めてスキーを滑るということで途中から合流した顧問に渡辺の教育を任せ、私たち3人は色々なコースを巡った。私自身も8年ぶりのスキーとなるので慣れるまでに時間がかかったが、初級コースから中級、上級など様々なコース設定がなされており、それぞれ楽しむことができた。その中でも蔵王山頂から滑るコースではトドマツを氷が覆う樹氷に囲まれ、美しい景色が広がり、とても清々しい気分で滑ることができた。そして、この日は『おおみや旅館』というスキー場近くの宿に泊まり、温泉を楽しみ、美味しい料理に舌鼓を打った。

 

3日目は松尾芭蕉が訪れた場所を辿る旅となった。蔵王から移動し最初に訪れたのは『山寺』である。山寺というのは通称で実際の名前は宝珠山立石寺といい、芭蕉の句の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の舞台となった場所であり、その通称の如く山一帯に寺が広がっている。しかし、その奥の院に行くためには1108段にもなる階段を上っていかなければならない。汗をかきながら上まで登りきった時は結構な達成感があった。そこには、雄大な景色

が広がっていた。

 

 

山寺を見終わり、次は一気に宮城県に電車で入り、『松島』に向かった。松島も知っての通り、「松島やああ松島や松島や」の句でお馴染みの場である。この日は生憎の雨だったが、海の上にある小さな島々の緑が言葉にならない程に美しかった。松島に着いてすぐに昼食をとることになった。松島は一年を通して牡蠣が有名で『牡蠣小屋』という時間内に無限に食べられる店が存在している。私は40個食べたが、さすがに牡蠣はこりごりだ。この時がおそらく一生で一番牡蠣を食べた時間となるだろう。牡蠣と松島の景色を十分に堪能し、この日は宿に入った。

最終日は仙台駅まで移動し、その周辺を見て周り、お土産探しに奔走することとなった。昼食を食べた後に高速バスに乗り込み、帰路についた。

今回の旅はスキーを久し振りに堪能し、山形・宮城を万遍なく楽しむことができた。

 

                                執筆者:杉林 隆太