境遇 | dokidoki感

境遇

こんにちは

この本を読みました

湊かなえ

境遇








簡単なあらすじ

養護施設出身の2人が仲良くなりますが
1人の息子が誘拐され 変な要求をされます


感想

湊さんのイヤミスです

陽子は政治家の妻で息子が1人おり
晴美は新聞社で記者をしており

2人は別々の児童養護施設で育ったのですが
その環境でシンパしたのか親密になります

ある日陽子が書いた絵本がベストセラーになり
晴美も喜びインタビュー記事も書くのですが

その内容は晴美が昔から秘めていた内容を
陽子にだけ教えたものでした

もちろん陽子はそれから話を拡げているし
絵も描いているから 陽子の作品だけど
出版前に一言あっても良かったのではと
モヤモヤ感が残りました

これ簡単に説明していますが 2人が出会い
本を出すまでの経緯は簡潔だけど詳細で

どちらにも わかるー!とシンパできるけど
相手にすれば釈然としない感情が描かれており

30Pの時点で引き込まれまくっていると



陽子は政治家の妻となるも 生い立ちのせいで
いらぬ苦労をし 晴美は本当の親に会うため
記者になったことを丁寧に描いており

そんな背景で陽子の息子が誘拐されてしまい
その過程は緻密な描写なので緊張感あり

陽子の対応おかしいだろ とツッコミたくなるも
これまでの家の事情から仕方ないと理解できるし
晴美の対応により納得し 受け入れてしまいます

物語・脚本で似たようなもの 他にもありますが
それを受け入れられるかどうかは そこに至るまで
丁寧にちゃんと描かれているかどうかですね

湊さんは人の心の機微を深く詳細に描いており
私にはそこまで分析できない深部だから
無条件に納得してしまうのですが

後半は話が見えなくなりました
展開を無理に作ろうと こねくり回しすぎ

それで迎えたラスト 整合性あるのか?と
途中を再確認したくなったのですが

多分 湊さんならそんなヘマ犯さないだろうから
きっと問題ないのだろうなと検証辞めました

いつか再読して検証してみたいのですが
真梨さんもそうですが ラストに衝撃 意外な
どんでん返しをブチ込もうとするのは
シャマランの呪縛に似た物感じてしまいました

でも こちらは中盤までがとても良くて
面白かったです