2011/10/27.呪われた野反湖キャンプの旅 前編 【2歳7ヶ月】
8月半ばから僕達はお友達のもんくファミリーとジェフファミリーでキャンプに行く計画をたてていた。
しかし、台風やら何やらで延び延びになってしまいやっとこ9月上旬に群馬は野反湖へキャンプに行くことが出来たのだった。
まぁ、中止になった間にも同じメンバーで本栖湖に遊びに行ったりもしたが、そのお話はまた別の機会に記録しようと思う。
待ちに待った当日、僕はドーニャの吠え声で目が覚めた。
なんだ?6時にセットした目覚ましがまだ鳴っていないのに何事だと思いながらメガネを手探りで探していると玄関からもんく母さんの声が聞こえてきた。
まさか!っと思い慌てて飛び起きて時計を見てみると、、、やっちまった!
8時に僕達はもんくの家に荷物を運び8時半にジェフの家まで迎えに行く予定だったのだが、現実の時計の針は8時を過ぎていたのだ!
頭の中はパニックでクエッションマークだらけだったが、寝起きのみすぼらしい格好で玄関を開けるともんくとお母さんが心配になり来ていてくれていた。
誤ることしか出来なかった僕は、もんく家がジェフファミリーを先に向かえに行っている間に急いで準備をすませ、予定より1時間以上遅れての出発となってしまった。
天気予報では東京も群馬も雨のち曇りの予報で、翌日からは晴れの予報だった。
この日、出発した時は小ぶりより少し強い位の雨で途中に寄った高速道路のドッグランがある休憩所で遊ばせた時は小雨に変わっていた。
だけどやむ気配はなく群馬に入る頃にはかなりの土砂降りになっていた。
目当てのキャンプ場も目の前になってきて山道を走っていると嫌な伝言板が立っていた。
なんでもこの先は土砂崩れで通行止め的な内容のものだったが、行くだけ行ってみようとゆうことになりそのまま進んでいくと、まるで危険なウイルスが発生して道を封鎖しているかのように大粒の雨が降る中、鉄の寒々しい頑丈そうな棒が行く手をふさいでいた。
キャンプ場までは一本道でなす術をなくしてしまいこのままでは長距離ドライブで終わってしまうと焦ってどうしようかと考えたが、皆お腹が空いて脳がうまく働かない、とりあえずお昼ご飯を何処かで食べることにしたのだが、お昼も大幅に過ぎている上に平日のどしゃ降りときたもんだから行く先々準備中やら終了しましたやら嫌がらせの様に阻まれ続けたが、なんとか古いお蕎麦屋さんへたどり着いた。
出入り口に火縄銃が飾られた変ったお蕎麦屋さんだったが、美味しいお蕎麦にお腹も満たされた所でジェフ母さんが記憶にしまっていた草津の犬と泊まれる宿を調べるため観光案内に電話して聞いてみるとなんと草津には一軒しかペット同伴の宿が無かったのだ。
その宿の名前を聞いた瞬間ジェフ母さんの記憶は甦り、すぐにそこへ電話して部屋の予約を取り、その希望の光をまぶしい位に放つ宿へ向かうことにした。
僕は密かに、実はこの時、土砂崩れに巻き込まれ生死の境をさ迷っていてこの宿は天国か何かでそこに向かっているのではないだろうかと一瞬頭に過ぎったが、僕はそれを口にする事はなかった。
もちろんそんな馬鹿げたホラーはなく無事その〝ブランジェ草津 〟とゆう宿へたどり着いた。
18時を過ぎており、どしゃ降りの中駆け込むと受付でガタイの良い兄ちゃんが暖かく迎え入れ、館内の説明をしてくれた。
平日のこんな天気のせいかシンっとしていた。
僕はペットと泊まれる宿は始めての体験だったのだが、ここブランジェ草津では時間制の予約でペットとも入れる温泉もあり、犬用のバスタオルも使い放題とのこと。
おまけに小さいながらも犬用の室内プールまであった。
マジスゲーなと思いながら部屋まで案内されていたのだが、館内のあちこちにティッシュやプップ袋や消臭スプレーが置かれていた。
僕は、この宿はちゃんとペットを生き物として考えている宿なんだと感じ、ちょっと嬉しく思った。
荷物を運び終わり、ジェフ達は温泉へ行き、ドーニャともんくは早速プールに遊びに行くことにした。
25㍍プール位の小さいプールで貸切だったが、この子達はやたら警戒してまったく入ろうとしなかった。
無理矢理入らされたドーニャともんくはピーピーと焦りまくっていた。
せっかくのプールもまったく楽しめず、程々にして温泉へ向かうと驚いた!
そこには犬用のシャンプーも置いてありバスタオルも大きな業務用ドライヤーも使いたい放題ときたもんだ。
なんて良心的な宿なんだと思いながら前進満遍なく丁寧にシャンプーしてやり乾かしてやると温泉効果なのか毛がふわふわで艶々に出来上がった♪
僕達も温泉につかりさっぱりした後はお部屋でまったりしだし、もんく母さんがおつまみに鴨肉や野菜を切っていると毛むくじゃら達はそこへ群がりもしかしたらの期待の眼差しを飛ばしていたが、もらえるわけもなくただただヨダレを垂らして眺めるだけに終わっていた。
この日は楽しいお話も程ほどに、布団を敷き川の字で眠ることにした。
僕ともんくのお父さんはすぐにバク睡していたらしいが、もんくとジェフ母さん達いわく夜中ずっと頭の上や布団の上やらを毛むくじゃら達がうろうろしていたらしい。
おまけに前日から最強にお腹の調子が最悪だったドーニャは朝方トイレ行きたいとピーピー言っていたが僕は夢の中から戻ってこれず、もんくとジェフ母さんに連れて行ってもらったと起きてから知らされ、寝坊するは忘れ物するはどしゃ降りと土砂崩れにあうはその他もろもろで僕は完全に駄目ンズと言われるようになってしまった
だけどこうやって布団敷いて川の字で寝るなんて修学旅行みたいでなんか嬉しくて心が温かくなった。
そしてもう一つ嬉しいことが、カーテンを開けると前日の大雨は嘘のような見事な青空で最高の旅行日和になっていたのだった。
眠い目をこすりながらドーニャのチッチタイムもかねて外の空気の匂いを嗅ぎにお散歩に出かけることにした。
草津の素晴らしい環境のせいか、雨が空気の汚れを綺麗に流し落としてくれたのかそれはとても良い香りがして気持ちよかった。
朝食に前日群馬のスーパーでBBQの食材を仕入れた時ついでに買っておいたパンや野菜を食べ、僕達はこの素晴らしい宿「ブランジェ草津」にさよならをしてこの美しい青空の下BBQが出来る場と遊び場探しの旅が再び始まったのだった。
2011/8/24.懐かしい写真 【2歳5ヶ月】
ほんの少し前、犬小屋我が家に泊まりにきた友人から写メールが届いた。
内容は、「話のネタをありがとう。」との事だったのだが、何のことだと思いファイルを開くと我が家の一部の写真だった。
なんでも今時、ブラウン管なんておばあちゃん家でも見ないと失礼な事を言っていたが、うちの実家なんて平面ブラウン管どころか円みのある真四角のブラウン管だってのに。。。
でも本当は、つい最近まで皆ブラウン管を使ってた事を薄型や3Dやチデジ化等の急激な進歩で何世代も前のものと錯覚してるだけだと思う。
しかし、友人はそれだけでそんな事を言っていたのではないのかもしれない。なんせこのTVの画面はマゼンタ掛かっているし、チャンネルを変えるごとに映像が映らなくなって、電源を一度落としてつけ直さないといけないのだが、その電源を入れてから映像が映し出されるのに十秒以上掛かるのがかなり面倒くさい。
画面が黒い間はチャンネルをいくら変えても良いらしく、その十秒位の間に、聴覚を研ぎ澄ませチャンネルを変えまくって面白そうな番組を音声で判断しなければならないのだ。
周りからは、「今はもうTVも安いのだから買い換えたら」と言われるが、こうなったらもうTVと僕の戦いなのだ。
このポンコツ機械の塊が息絶えるまでは、このおんぼろの犬小屋我が家には平和なTV観賞は訪れない。
いつになるかは分からないが、こいつが息絶えたときは大笑いして贈り出してやろう思う。
そんな日々の中、ふとドーニャのケージが目に入った。
彼女は夜中僕が寝静まった頃、一緒に寝ているベッドから飛び降り少しだけ中に入ったりしてるようだが、普段滅多に利用することがなくケージの上には彼女と僕のおもちゃや、タオルや、雨具やらが置かれケージとしての存在感がなくなってしまっていた。
ちょっと考えてから、重いケツを上げ整頓をかねて掃除をしているとボロボロのクッションの下から一枚の薄汚れた汚い写真が出てきた。
2年前のちょうど今位の季節のときの写真だった。
この写真は中々気に入っていて、元々はTVの横に立てかけていたのだがもう随分前に無くなってしまい僕はてっきり悪戯盛りの時の彼女に食われたものだと思い込んでいたのだが、どうやら違ったようだ。
偶然なのか、必然なのか、なぜそれがクッションの下にもぐりこんだかは彼女だけが知っている事。
ただお昼寝のスタイルはドーニャが我が家に来たときからずっと同じだったんだなと思うと少しだけ嬉しかった。
まぁ、今はこんな風に足は曲げられなくなってしまったけどね。
2011/8/12.沼水浴 そのⅡ 【2歳5ヶ月】
僕達は新鮮なお魚でお腹も満たされ、再び動き出すことにした。
後半戦は探索しようと思い沼岸に沿って歩いてみる事にした。
七月終わりだと言うのに涼しくて実に気持ちが良い。
毛むくじゃら達にも最適な気候だと思う。
まぁ、くるみさんはこんなもんじゃまだ暑いのかもしれないが、東京よりいくつかましのはずだ。
そこはまるで猫バスの通り道のような所で、ここじゃ太陽も猛ダッシュしてドーニャと走りまくっていた。
もんくとくるみは山菜取りをしているみたいに草をムシャムシャしたりしてそれぞれ楽しみながら歩いていくとビーチの浜のような所へ抜け出た。
ドボーン!っと背後で音がすると思ったら、あきもせずまた泳ぎ出したドーニャ&もんく。
ちゃんと帰ってこれるのかと心配になりそうな位遠くまで泳いでいた。
そんな親心とは裏腹に二頭は楽しそうに後半戦に突入していたのだった。
近所のおばちゃんが言うとおりきっと何の心配もいらないなと思うほどすばらしい泳ぎをもんくに伝授してもらったようだ。
いや、スピードに関しては既にもんくを超えはじめていた。
そんな彼女達を「若いわねぇ」っと優雅に眺めながらくるみさんは気持ち良さそうに冷たい沼の水に浸かっていた。
ふと浅瀬部隊の太陽の様子を見てみると、手で水の中をパチャパチャして遊んでいた。
何してるんだろうと思い横に回り覗いてみると、小魚が数匹泳いでいた。その小魚とお友達になったようだ。
彼は虫等の小動物が好きらしい。
去年だったかな、いつもの広場で皆で遊んでいると隅っこで1人で伏せていたことがあった。
その時も不思議に思い覗いてみると、大きなイモムシがいた。
彼はそのイモムシを優しく問いかけたりそれはもう嬉しそうに眺めていたのだ。
しかし、その日も走りまくっていたドーニャはそのイモムシに気づかず踏み潰してしまった。
イモムシはまさに虫の息になっていたのだが、そこへもんくもやってきてさらに踏み潰され、一周して帰ってきたドーニャに再び潰され息絶えた。
その時の太陽は突っついても呼びかけても動かなくて内側から変な液体の出たイモムシを見て悲しそうな表情をしていた事があったな。
話はそれてしまったが、その後彼は石ころを拾ってきてコレクションを集めていた。
ドーニャともんくは、もぉ泳ぎすぎでしょって位泳いでクタクタのはずの二頭だが、悲しい性でおもちゃを投げられると捕りに行かずにはいられない二頭
僕達も面白がってついつい投げてしまうが、見る人が見たら虐待だと思われるかもね(笑)
後半は、もんくも異常なドーニャのスタミナに敵わず追いつけなくなってきていた。
だけどいつも途中で合流して帰ってくるのは一緒だった
何度も同じような事を言ってしまうが可愛いから仕方がない事だ。
きっと、こうゆうのオヤバカって言われるんだろうな。
こうして夕方も近づいてきたしそろそろ帰る準備をした。
帰り際に僕は記念写真を撮ろうと言い出したものの、いつものごとく究極のファザコンドーニャは数メートルも離れられない恥ずかしいお嬢ちゃまぶりを発揮していた。
なんかくるみと太陽の顔が「ダッセー」っと言っているように思えた(笑)
そんなこったで言いだしっぺにもかかわらず僕は彼女のすぐ脇に控え、もんく父さんにお願いして撮ってもらうことにした。
楽しい沼とお別れをした僕達は、帰り道の途中にあったスキー場に寄ってみる事にした。
急斜面を走って登ると毛むくじゃら達も一緒に楽しそうに走ってくる。
こんなだだっ広い所は有効活用しなければと思い僕は必需品であるボールを取り出し、青い空に続くかなたへ思いっきり投げ飛ばした。
あんなに泳いだ後でもまだ遊びたがる彼女達のやんちゃぶりは底なしだと思う。特にドーニャなんてまだまだ走るスピードは衰えていないようだ。
犬の運動会があったらきっと良い成績が残せるだろうと思う。
だけど、もう夕方近くとは言え太陽の下でこの急斜面はくるみにとってはちょっと大変だったかもしれない。
走りまくってるドーニャ達の後をゆっくりとマイペースで歩いている姿は毛むくじゃら三兄妹の保護者にも見えた。
ある程度登ると『あたし頑張った!』っと満足げに爽やかな風になびかれていた。
今回は水陸と思う存分遊べた彼女達は満足そうだ。
しかもこの帰りの途中に十五種類のソフトクリームが売っているお店があり、僕達はもんく父さんにお願いしてよってもらい美味しいソフトクリームを食べる事にした。
おねだりの仕方だけは抜群に長けてる毛むくじゃら達も四種類の違った味のソフトクリームを一口、二口、三口と何週も回り嬉しそうに食べ歩いていた。
もちろん人間は焼きもろこしも食べたけどね♪
そして20時頃、僕達は無事帰宅してこの楽しい一日は終わった。
家に帰り、ご飯の仕度をしていると、いつもなら背後で出来上がるのを待っているが、この日は気配を感じられなかった。
いると邪魔だけど、いないとなんか調子が狂ってしまう。
ちょっとだけ気になって、ドーニャのいるところを覗いてみると足をパタパタしながら眠っていた。
よっぽど楽しかったんだろうな、きっと夢の中でも、もんくと一緒に泳いでいるのかもしれない。
☆追伸☆
もんくファミリーへ♪
楽しい所へ連れてってくれてほんとありがとう御座いました。
そしてドーニャが楽しく泳げるようになったのも、もんくのおかげだよ(^-^)
来週のキャンプも楽しみにしています。
またいっぱい遊びまくらせましょ!
by RAIRA & Dogna
2011/8/4.沼水浴 そのⅠ 【2歳5ヶ月】
先週、群馬は丸沼に遊びに行った。
行ったってゆーか、幼馴染のもんくファミリーに連れてってもらったのだ。
今回はもんく同様、幼馴染の太陽とドーニャの大好きなくるみの4頭で行く事にたった♪
当日の朝、家を出ると近所のおばちゃんが長いほうきで掃除をしていた。
一度捉まると中々逃れられなくなるお喋り好きの絵に描いたような江戸のおばちゃんって感じの人だ。
いつも元気で毎朝の掃除は欠かした事がない。ここ数10年風邪もひいてないと前に言っていた。
パピーの頃からずっと見守ってくれているこのおばちゃんがドーニャは大好きで、いつもおもいっきり飛びついて甘える。
話は長いが僕も嫌いじゃない。いろいろ気に掛けてくれていい人だ。
この日は荷物がいっぱいでピョンコピョンコしているドーニャの尻尾の先っぽを思わず踏んじゃって筆のような毛の束が抜けてしまった
僕はそれを気づかないふりをして先を急ごうとしたら、おばちゃんが「川は油断すると危ないから溺れないようにしなさいよ!」っと言い、僕は歩き出しながら顔だけ向けて「大丈夫っす!しっかり見てますから!」と返すと、おばちゃんは大きい声で言った。
「そうじゃなくて、あんたよ!ワンコちゃんは賢いから危ないところはわかってんのよ!気をつけていってきなよ!」だとさ。
ガキんちょじゃないんだからと思いながら「へ~い、行ってきまぁす!」と後ろ向きに手を振りその場を後にした。
僕は見た目もかなり若く見えるらしいから、きっとあのおばちゃん僕の歳聞いたら驚くんだろうな
後にもんくと太陽が散歩がてら待ち合わせして帰ってくるときにその落ちた束を見て、これきっとドーニャのだと笑っていたらしい。
皆、もんく家に集合してからが大変だ。
くるみはお姉さんだから冷静に喜ぶがこの二年生トリオはヤッホーで大はしゃぎだ。
車に乗ると倍ヤッホーになり、横になっているくるみを踏んづけたり、上に座ったりと、たまったもんじゃないと思う。
ただ、今回は太陽の母ちゃんが来れないから彼は少し不安そうだった。
いつものやんちゃぶりが少なく、お坊ちゃまキャラになっていて可笑しかったがやっぱり可愛いやつだと思った。
途中ドッグランがある高速の休憩所で毛むくじゃら達のガスぬきをして再び丸沼へ向かった。
なんでも車の中では狭いところが好きらしい。
それにここだったらガキんちょ達にちょっかい出されないでゆっくり旅を楽しめるしね
そんな中、順調に旅は続いていたが事件は突然やってきた。
くるみの姉さんの横に座っていた太陽が突然ゲェしてしまった。
きっとお母ちゃんがいなくて少し不安もあったのだろう。
だけど犬のゲェは人とは違い全然臭くないからすばらしいと思う。
しばらくショックだったのかテンションが下がってしまった太陽君。。。かわいそうに
その後高速を出てうねうねの山道に入った。心配になりチラッと太陽坊ちゃまを見るとちょっと様子がおかしい、何かまじめな顔をしている。
心なしか食いしばってると言うか頬っぺたあたりが微妙に膨らんでる気がした。
明らかにゲェを堪えてると思いくるみの姉さんがペットシートを口元に準備してやると待ってましたと言わんばかりにするっと美しくゲェしてくれたが、その重みでシートの隅からドロドロに溶けた溶岩のように流れ出し、その下で伏せていたもんくのお尻に流れ落ちた。
後部座席では笑いやら何やらで大騒ぎで片付け、太陽の顔はゲッソリとしているように見えた。
その出来事や顔に皆笑ってしまったが、彼にとっては笑い事ではなかったんだろうと思う。
そんな笑い話も作りつつ、とうもろこし街道なるものを抜け、丸沼にたどり着いた。
久しく感じる涼しくてアスファルトの匂いがしない空気に緑の濃い山と薄い雲がまるでレースカーテンの様に広がる大パノラマの空、最高に気持ちが良い。
毛むくじゃら達も車から降りると大はしゃぎで沼?(ダムなのか川なのか湖なのかよく分からない為、沼と言うことにした)に走っていった。
ドーニャは近所の広い公園の浅い池では喜んで飛び込むが、こう言った本格的な所では怖がるだろうと思っていた。
僕は基地を作ろうと思いテントを広げていると背後でなにやら楽しそうな声が聞こえてきて振り向くとドーニャがもんくと一緒に泳いでるじゃないか!
僕は驚きと喜びと同時に初のマジ泳ぎの瞬間を見逃してしまったのだ。
でも新たに彼女の特技を発見できて嬉しかった。
最初はもんくが飛び込むのにつられて飛び込んだら足がつかなくて、焦った彼女はバタフライみたいな泳ぎだったが、さすがわが娘だ、運動神経が良くすぐに泳げるようになった。
もんくの父ちゃんにコングを投げてもらい遊んでもらっていたが、もんくは泳ぎが得意で初心者のドーニャは全然追いつけていなかった。
おもちゃが大好きで陸上での走りは誰にも誰にも負けないドーニャはきっとかなり悔しかったのだと思う。
浅瀬に近づくにつれやっとこ追いついてきてどうするのかと思うと一緒に咥えながら泳いで帰ってきた。
共同作業で持ち帰ったコングを二頭は自慢げに見せびらかせてくれた。
明らかにもんくが先に取ったのにあたかも自分の手柄の様な顔をしている。
そして意地悪ドーニャは「これあーたーしーのー!」っとわがまま振りを発揮していた。
そんな彼女に仕方ないなぁと譲るもんくはなんて紳士なんだろうといつも思う。
泳ぎの上手なもんくとドーニャの負けず嫌いのおかげでどんどん泳ぎがうまくなってきてスピードも、もんくに負けないほどになってきた。
その頃くるみと太陽は浅瀬でくる姉さんに遊んでもらっていた。
本当は絶対泳げるのに自分では泳げないと思い込んでいる太陽。
もしかしたら寒がりで全身がびしょ濡れになってしまうと寒いのかもしれない。
笑えたのがちょっと深くなっているところに浮かぶおもちゃを取ろうと亀の様に一生懸命首を伸ばして口でつかもうとするとプッカァっとお尻が浮かんであせっていた。くるみはドーニャが遊んでいるのを邪魔するのがここしばらく楽しんでいるらしく、時たま泳いでいるドーニャを見ながら悔しそうに眺めている姿を見た。
これだけの毛が水に浸るとずいぶん重くなるんだろうな。
でも気候も涼しくひんやりした水に浸かって気持ち良さそうだった。
ドーニャともんくも楽しそうに遊んでもらっている二頭を見て一緒に浅瀬で遊んだりしていたけどほとんどずっと泳ぎっぱなしだ。
人間だったらクタクタで死んじまうよと思いながらも楽しそうに泳ぐ姿は見ているだけで来れて良かったと心底思えた。
お昼もとっくに過ぎてもまだ遊び足らず、まだまだ武者震いをおこしていたが、人間はお腹が空いてきたし休憩がてらお昼ごはんを食べる事にした。
沼のすぐ近くにあるお店でお魚の定食を頼んで食べる事にした。
焼くのに20分位かかるらしく僕達はしばし外に配置されているテーブルで待つことにした。
するともんくファミリーが割り箸に丸々一本突き刺さったきゅうりの浅漬けをみんなの分を持ってきてくれてお腹ぺこぺこの僕はすごく嬉しかった。
あと、少しだけ驚いたのが、注文がてらお土産屋さんをチラッと見ていると、その一角になぜか男性のシンボルのあめちゃんが売っており、この場所と何の関係があるのだと考えたが思いつかず、僕はこんなの買う人いんのかと思いながらその場を後にした。
その後、何の種類か忘れちゃったけどお魚定食を食べ、この後の後半戦に備えたのだった。
毛むくじゃら達もお魚の頭をもらいそれはもう美味しそうに食べていた。