本日の漢字【絵】

 
こんにちは。いぬとび心の書道教室です。
 
今日の漢字は「絵」です。
 
漢字の成り立ちは、糸を束ねた形と、集まる印と重ねる形。
いろいろな色の糸を集めて重ね、織物に模様を作ったことから「絵・描く」の意味になりました。

 

 
昨日に引き続き、漢字がどのようにして生まれたかのお話です。
 
漢字の起源は記号と図画によるものです。
昨日は「記」という漢字から、記号のお話をしました。
 
さて、今日は図画のお話です。
 
 

 

 漢字の起源である「図画」

図画とは自然の形態をそのまま描くことです。

 

見たまんまってことですね。

馬なら馬。

鳥なら鳥。

 

そっくりそのまま描くことが、図画による象形の方法です。

 

象形文字は「神との対話」にも使われていたようです。

 

 

 

子供の頃に、はじめて象形文字を見た時は「へたくそな絵」とでしか思っていませんでしたが、確かにこの文字なら神様とお話もできそう。

 

知識がのっかると「へたくそな絵も神秘的に見えてくる」私は都合の良い大人です。

 

なんにでも「守り残されたもの」には意味がある。

 

存在している物にはすべて意味がある。

 

 

 

ただの落書きだと思われるような絵でも、文字だと知れば「何を伝えようとしているのか」知りたくなるものです。

 

これが人が本来持っている好奇心、向学心。

 

 

 

先人もいかにして、子孫に情報をいかに残そうとしたのか。

思いが伝わってきて心が壮大なロマンに震えます。

 

 

 

 

 漢字を発明した人物

 

はじめは口と耳だけで伝えられてきた情報。

 

その情報をもっと遠方に、もっと先の未来に残したい。

 

そこで生まれた記号や図画による表記法でさえも、社会の進歩と発展で使い勝手が悪くなってきます。

 

重要なことは、さすがに記号や図画では対応できなくなります。

 

「もっと伝えたいことを明確にしたい!」と熱心にご先祖様たちが思ってくれたのですね。

 

象形の文字は、自然界の具体的なものをかたどって描かれていて、一目見ればそれが何を表しているのかわかるレベルまでになったのです。

 

「字」はそれに様々な形や声を付け加えたもの。

 

漢字の誕生について、先人たちの残した作品では、帝王黄帝の史官を務めた「倉頡(そうけつ)」が漢字を発明したと残されてはいますが、これにはちょっと無理がある。

 

当時にはおそらく数人は漢字を発明した人がいたと思われます。

 

漢字を刀の使に絵を掘る者。

扇に絵を描いた者。

焼き物に掘る者。

 

人々が互いに口で伝え合ううちに文字は増えていき、それを史官が収集・記録し定着させたのです。

 

文字は民衆の間でつくられた。

 

それをのちに特権階級の所有物にしたと言われています。

 

倉頡だけが有名なのは、彼が特に熱心に没頭していたから。

 

文字は一人の天才によって創造されたものではなく、なんでもない民衆が日々の生活の中で育まれたのです。

文字は民衆の知恵の結晶であり、選び抜かれた豊かな産物。


 

小さな存在である私たち。

ですが一人ひとりの持つ可能性は秘められています。

 

特別な人だけが成功するのではありません。

 

だって、文字を作るほどの創造力が誰にでもはあるのは証明済みですから。

 

 

 

 

それでは、このへんで。