たけこぷたー | ドクター鈴木・あめぶろ研究室

たけこぷたー

 勤務先の大学で「二次試験出願」が始まった。非常勤なので入試のことは『蚊帳の外』。だが、「良い人材」が「良い選考」で入学されることを祈っている。


 二次試験は、「小論文だけ」「面接だけ」とか「学力試験を課す」とかいろんなパターンが取り入れられている。勤務先でどんな形態のものが取り入れられているのか不勉強で判らないのだが、私は「ペーパー試験だけでその本人のプライオリティを測ることはできない」と考える人種である。もちろん、ほかに良い方法がなければペーパーもやむをえない。ただ、価値観の多様化もあって、「どの大学も同じような二次試験をやる必要はない」とかたくなに信じている。


 鈴木先生はだから甘いのですよ!


 と、いろんな方に言われるのだが、誰からどんなことを言われても、ペーパー試験だけで人間を判断することは反対である。っていうか、科学技術全盛といわれるこの時代であっても、ペーパーだけでプライオリティを測定する手法は確立していないのである。「ひととなり」と短時間で適切に評価することはとても難しい問題だと思う。


 かなり前だが、国立千葉大学(だったと思うが)の二次試験で、かなり画期的な問題が出題されていた。


 「ドラえもんに登場する『タケコプター』について、その技術的根拠を交えて、実現への問題点を列挙せよ」


 こういう感じの問題が私は好きだ。タケコプターは、回転翼が一個のため、厳密なことを言うとそのままでは飛べない。ヘリコプターは、自分自身の回転を防ぐための装置が施されている。タケコプターにはそれがないのだ。だから、私は漫画のままの装置ではノビタ君は空を飛べないと思っている。空を飛ぶためには、副回転翼を装備するとか、何らかの手を打たなければならない。そのアイデアは千差万別、ある意味個人の技術に関するプライオリティが表に出る問題ではないだろうか。


 私だったらこんな問題を出したい。小論文でも良い。


 ・タイムマシンが完成したとして、西暦何年にワープしたいか、理由を含めて述べよ。
 ・服用するだけで副作用なく1時間だけ透明人間になれる薬が考案された。使用上の注意としてどんな項目を挙げるべきか、記述せよ。
 ・100%完璧な1万円札偽造装置を作った。試し刷りしたお札を廃棄物にせず活用する方法を述べなさい。
 ・学校祭の実行委員長に任命された。必要な予算と使途を説明しなさい。


 私は今まで、こんな問題にお目にかかったことがない。もし私が学長になれるとしたら、こんな問題ばかり出題して、採点者をうならせた子だけに合格証を交付したいなあ。


 そのばあい、そこがどんな大学になるのか…楽しみではある。ではそういうことで。