患者と医師のコミュニケーションを考える | ドクターズガイド オフィシャルブログ 名医から聞いたとっておきの話

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最近、医療系の取材をする中で釈然としないことが多く、最近、医師の著書を読みまくって出会った1冊。『話を聞かない医師、思いが言えない患者』著者の磯部光章氏は今年3月まで東京医科歯科大学循環器内科で教鞭をふるい、学生が選出するベストプロフェッサー賞とベストティーチャー賞を合わせて9回受賞した大人気の教授。4月から榊原記念病院の院長に就任されました。

 

医療不信が募る中、著書では「患者さんのことを考えていない医師はいない。医師は技術があるからそれをしたいとか、自分の地位向上や金儲けのために医療行為をしようとするのは映画やテレビの話を除けば皆無」と断言した上で、納得いく結果が得られず不幸な結末になるのはすべてコミュニケーションの欠如によるものと訴えています。医療は万全でも完璧なものでもなく、患者が病気をどう受け入れて医師に何を求めるか。「医療は病気を治すためのものではなく、人間を幸せにするためのもの」であり、医師は患者さんに寄り添うためにコミュニケーションが最も重要ということを医師側や患者側の立場からわかりやすく書かれています。とても感銘を受けたので、「隠れ心不全」の取材にかこつけて会いに行きました。磯部先生のわくわくするような取り組みや榊原記念病院の紹介を近々記事にまとめたいと思います。

 

高齢の知り合いがさんざん悩んだあげく受けた心臓手術で感染症になり、なかなか回復しないでいます。いくつになっても高度な医療が選択できる現代日本では、治療を選ぶのは医師ではなく、患者が病気をきちんと受け止め、死生観を意識しながら個人の責任で選ぶことが求められます。

 

医師と患者とのギャップについて頭を整理できたこと、さまざまな学びや気づきを与えていただいたこと、感謝します!